2021年5月30日日曜日

緊急事態再延長 誤りを認め命優先へ転換せよ/全国から怒りと怨嗟

 菅政権は28日、9都道府県に出していたコロナ対応の緊急事態宣言を620日まで再延長することを決めました。緊急事態宣言を2度も延長することになったのは菅政権の大失政で、昨年来、政府緊急事態宣言を出しては延長し、解除してはリバウンドを招いて再び宣言を発することを繰り返してきたのは、すべてやるべきことをしてこなかった結果です。

 ワクチン接種、検査、医療機関支援、補償のどれをとっても菅政権の対応はまったく不十分で営業自粛や時短で苦しむ中小業者への支援は実態に合っていません。
 そうでありながら菅政権は今夏の東京オリンピック・パラリンピックを強行する姿勢を一貫して変えません。
 しんぶん赤旗は、「緊急事態再延長 誤りを認め命優先へ転換せよ」とする「主張」を出し、日本国民の命を何とも思わない人たちに五輪を主催する資格はなく、今夏の五輪開催には日本国民多数が反対しているとして、五輪の中止を主張しました。

 日刊ゲンダイは「ポンコツに全国から怒りと怨嗟 宣言延長  」とする記事を出しました。
 そこでは、氏のコロナ対策は後手後手、泥縄の失策続き。年明けの2回目の宣言を前のめりで解除したため、アッという間にリバウンドを招いたことをはじめとしてコロナの感染を抑えるどころかむしろ拡大を招いたとしました。
 そしてこの半年というもの飲食店がマトモに営業できた時期はなく、特に非正規労働者や自営業者は「コロナで死ぬか、経済苦で死ぬか」の究極の二者択一を迫られていると述べました。欧州では規制と補償がセットで実施されるのに対して、日本ほぼ補償ナシで協力を求めるのみなので、それでは経済弱者は生きていけません。
 国民の私権を制限し、飲食店とその関連業者などには塗炭の苦しみを強いながら、なぜ東京五輪のお祭り強行するのか、首相は一度たりとも合理的な理由を口にしたことがないとも述べています。
 日刊ゲンダイの怒りの記事を併せて紹介します。
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主張 緊急事態再延長 誤りを認め命優先へ転換せよ
                       しんぶん赤旗 2021年5月29日
 菅義偉政権は9都道府県に出していたコロナ対応の緊急事態宣言を6月20日まで再延長することを決めました。4月25日に始まった3度目の宣言が2カ月近くに及ぶことになります。昨年来、政府は緊急事態宣言を出しては延長し、解除してはリバウンドを招いて再び宣言を発することを繰り返してきました。やるべきことをしてこなかった結果です。菅政権は対策の誤りを認め命と暮らしを守る姿勢へ転換しなければなりません。

封じ込めを戦略目標に
 新規感染者数は東京都、大阪府などで若干減っているとはいえ高い水準で推移しています。重症者数が増え、医療提供体制がひっ迫の度を強めています。現場では「命の選別をせざるをえなくなっている」と悲痛な声があがっています。「短期集中」といって始めた今回の緊急事態宣言を2度も延長することになったのは菅政権の大失政にほかなりません。
 ワクチン接種、検査、医療機関支援、補償のどれをとっても菅政権の対応はまったく不十分です。逆に「Go To」事業を強行して感染拡大を招きました。菅首相はこの無為無策を反省しようとしません。何よりも感染を封じ込める戦略を政府がいまだに持っていないことが国民を先の見えない不安に陥れています。まずは、コロナ封じ込めに向けた国の戦略を国民にはっきりと示すべきです。
 ワクチン接種は世界的に大きく立ち遅れました。安全・迅速な接種が急務です。政府が実態に即した工程を示し自治体を支援することが重要です。国は裏付けのない目標期日を上から押し付けて混乱させてはなりません。
 感染拡大の予兆をつかむモニタリング検査は1日1万件の政府目標に対して直近でも約5300件しか実施されていません。大規模な拡充への転換が必要です。すべての医療機関の減収を補填(ほてん)することも必須です。
 営業自粛や時短で苦しむ中小業者への支援は実態に合っていません。民間信用調査会社によると、2020年の居酒屋・ビアホールの倒産は過去最多です。多くの事業者は運転資金を取り崩して耐えています。わずかな協力金で店を存続させることはもう限界です。打撃を受けているすべての中小企業、個人事業主、労働者への十分な補償と生活支援は急を要します。持続化給付金、家賃支援給付金の再支給も不可欠です。
 菅政権は今夏の東京オリンピック・パラリンピックを強行する姿勢を変えません。五輪に固執する姿勢をやめなければコロナ対策への国民の協力は得られません

今夏の五輪は中止が当然
 国際オリンピック委員会(IOC)の幹部から「緊急事態宣言のもとでも開催する」「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」と常軌を逸した発言が続出しています。日本国民の命を何とも思わない人たちに五輪を主催する資格はありません。今夏の五輪開催中止は日本国民多数の世論です。
 五輪憲章の根本原則は「人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てる」ことです。開催国も世界もコロナで苦しんでいる時に感染拡大のリスクをおかして行うべきでないことは憲章に照らして明確です。IOC幹部の発言に抗議しないのであれば菅氏は主権国家としての首相の資格が問われます。


戦略持って出口示せ 宣言再延長 田村政策委員長が強調
                        しんぶん赤旗 2021年5月29日
 日本共産党の田村智子政策委員長は28日、国会内での記者会見で、新型コロナウイルスの緊急事態宣言延長について問われ、「感染抑制のために政府が何をやっているかが見えない状態が続いている」と批判しました。
 田村氏は、宣言延長に伴う時短営業や休業要請が続く中で、事業者に対する支援の仕組みが問われると指摘。「持続化給付金や家賃支援給付金など減収に応じた補償を求めてきたが、政府の答弁は現行制度を答えるだけだ」と批判し、「それではもう限界だという事業者の声にどう応えるのか。十分な補償を行うべきだ」と強調しました。
 同時に、迅速・安全なワクチン接種、大規模検査など「『コロナ封じ込め』戦略を持って本気の感染抑止で出口を示すべきだ」と主張しました。
 東京五輪・パラリンピックについては、東京都の宣言発令期間が6月20日まで延長されるとして、「その1カ月後に五輪を開催できる状況か」と指摘しました。「感染抑制の厳しい措置を取った後、どう解除をするかが問われ続けてきたにもかかわらず、解除で人の接触が増加し、感染の波が前の波を越えるという事態を繰り返してきた」として、「五輪開催は客観的にみて不可能だ」と強調。「日本国内の感染を抑制し、国民の命を守る立場で政府として今夏の開催の中止を決断するべきだ」と主張しました。


ポンコツに全国から怒りと怨嗟 宣言延長 想像を超える大混乱になる恐
                       日刊ゲンダイ 2021年5月28日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 3回目の緊急事態宣言もやはり再延長だ。
 菅政権は27日、9都道府県を対象に先行発令された宣言について6月20日までの延長を決定。23日に追加された沖縄県に合わせ、今月末までとした期限を延ばす。宣言に準じるまん延防止等重点措置を適用している8県については、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県を同様に延長。28日に開かれる専門家らによる基本的対処方針分科会に諮り、政府対策本部で決定を受け、衆参両院の議院運営委員会で新型コロナウイルス担当の西村経済再生相が政府方針を報告し、菅首相が会見を開く見通しだ。
 菅の新型コロナ対策は後手後手、泥縄の失策続き。年明けの2回目の宣言を前のめりで解除したため、アッという間にリバウンドを招き、たった3週間で重点措置を初適用。そこから2週間で3回目の宣言発令に追い込まれた。当初、菅は「短期決戦」とうそぶき、専門家らの意見を無視して期間を中途半端な17日間に設定。感染を抑えるどころか、むしろ拡大を招いた。ほぼ半年にわたって、緊急事態が続く異常。ポンコツに全国から怒りと怨嗟の声が上がり、宣言再延長は想像を超える大混乱を招く恐れがある。

要請破り続出で自制心プッツン
 再延長に伴う対策はほぼ同じ。酒類を提供する飲食店には休業を、ノンアルコールでも午後8時までの営業時間短縮を要請。この半年というもの、飲食店がマトモに営業できた時期はない。政府の無為無策にシビレを切らし、要請破りに走る飲食店がゾロゾロ。路面店の居酒屋がこうこうと明かりをつけて酒を出し、仲間内で集まった若者らがビールジョッキ片手に盛り上がり、のどを潤している光景は珍しくもなんともない。街ぐるみかと思うほど、飲食店が堂々営業している繁華街もある。
 通常営業している飲食店の最新情報をまとめたネットサイトは日々更新され、件数もうなぎ上りだ。コロナで死ぬか、経済苦で死ぬか。究極の二者択一が現実のものとなっているのだから、正義感を振りかざして責めることはできない。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
「日常生活に多大な制約を強いる宣言を発令しても、新型コロナの感染拡大を抑止できないのが日本の特徴です。自民党はそこを非難されると欧州のロックダウン(都市封鎖)を持ち出し、強制力に差があるためだと主張しますが、それは筋違い。欧州では規制と補償がセットで実施されるため、ほぼ補償ナシで協力を求める日本のやり方とは根本的に異なる。PCR検査の徹底、保健所を含む医療提供体制の拡充など、日常生活を補償する観点からの政策は実行されない。菅首相肝いりの『Go Toキャンペーン』で移動や飲食を促し、危機的場面でも遊びまわっていいのだと国民にインプットしてしまった。ギリギリまで追い詰められた国民の自制心がプツッと切れ、政府に反発して要請破りが常態化し、欧州のように暴動が起きる事態にならないとは限りません」

診療ネグレクト招く実弾戦でワクチン接種加速
 都道府県知事は要請に応じない飲食店などに対し、新型コロナ特措法に基づいて30万円以下の過料を科せる。3回目の宣言下で都が出した休業命令は42件に増え、応じない飲食店に個別に文書で協力を要請したケースは計198店に膨らんでいる。
 国民の私権を制限し、飲食店に塗炭の苦しみを強いながら、なぜ東京五輪のお祭りは強行なのか。誰もが抱く本質的な疑問に対し、菅は一度たりとも合理的な理由を口にしたことがない。それ以前に、説明らしきものすらしていない。「安心安全な大会が開催できるよう、全力を尽くす」とナントカのひとつ覚えを繰り返すだけ。問いに真正面から答えたことはない。そこには理屈が全くないからだ。あるのは私利私欲のみ。五輪のお祭り騒ぎに乗じて政権浮揚を図り、秋までに必ず実施される衆院選で勝つ。そして9月末に任期切れとなる自民党総裁選を無投票再選で乗り切り、長期政権の足掛かりをつくる。そうした妄想を強め、国民を巻き込み、コロナ禍の出口を塞いでしまっている。ポンコツの政治的保身と失政の尻拭いのためになぜ、弱者がここまで犠牲になるのか。
 東京商工リサーチ(TSR)によると、新型コロナ関連破綻は1529件(27日午後4時現在)に増加。2回目の宣言下にあった2月122件、3月139件と2カ月連続で月間最多件数を更新し、3回目の宣言が発令された4月は154件が倒産。初めて月間150件を突破した。業種別では飲食店が263件で断トツ。建設業135件、ホテルや旅館79件が続く。TSRは「事態の長期化による過剰債務の問題や、息切れ、事業継続をあきらめて破綻に至るケースも多い。コロナ関連破綻は引き続き、増勢を強めるものとみられる」と分析している。
 国民の健康や命を守るためではなく、五輪を強行するために熱を上げるワクチン接種も遅々としたものだ。接種を完了したのは医療従事者が6割弱、65歳以上の高齢者は1%足らず。五輪開催から逆算して菅がブチ上げた「高齢者接種7月末完了」「1日100万回」を実現するため、自衛隊を動員して運用している東京の「大規模接種センター」では1日1万回の予約枠が埋まらず、対象拡大を前倒し。診療所に対する接種報酬も大幅増額し、実弾戦を展開している。▼週100回以上の接種を4週間以上実施で1回2000円 ▼週150回以上は1回3000円――などの上乗せを提示しているが、診療所は医師1人、看護師1人態勢が珍しくない。菅の思惑通りに動けば、通常診療のネグレクトにつながりかねないのに、そんなことはお構いなしだ。

集団行動、公権力発動で深まる分断
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「菅首相が五輪をあきらめる気がサラサラないのは明白です。しかし、『安心安全な大会を開催する』根拠は薄弱なのに、日本代表によるメダルラッシュでも起きれば、反対していた国民も拍手喝采で大いに盛り上がると思い込んでいる。コロナ禍で苦しむ国民の思い、ひいては人の気持ちが分からないのではないか。IOC(国際オリンピック委員会)幹部の不用意発言も、日本がどうなっても痛くもかゆくもないという腹の内が透けて見える。コーツ調整委員長が宣言下の開催について『答えはもちろんイエスだ』と言い、バッハ会長も五輪実現のために『犠牲を払わなければならない』とスピーチし、最古参委員のパウンド氏は『前例のないアルマゲドンに見舞われない限り、東京五輪は計画通りに進むだろう』と言い放っている。責任を取るべき人物が定まっていないことがナントカを増幅させてしまっている」
 ワクチン接種は五輪開催のため、宣言延長は観客を入れるため。国民はそれをお見通しだ。政府が五輪五輪と言うたびに国民の怒りは募る一方だが、こんな状況で人流を抑え、感染を封じ込めるのか
「五輪開催を前提とした菅政権の新型コロナ対策は破綻し、打ち出した国民との約束は全く守られない。無政府状態と言っていい。五輪取材で来日する海外メディア関係者が行動制限に違反した場合、入管難民法に基づく不正入国者の国外退去命令の解釈を広げた強制的退去が浮上していますが、実行性はゼロ。日本が呼び込んでおきながら、都合が悪くなれば追い出すようなことをすれば国際社会の批判にさらされ、窮地に追い込まれる。要するに、五輪を開催するタイミングではないということ。これ以上無理を重ねれば、国民が集団行動を起こさざるを得なくなり、そうなれば警察や自衛隊が駆り出される。社会の分断が深まるのは必至です」(金子勝氏=前出)
 デタラメ政治のせいで、日本の社会はもうメチャクチャだ。菅首相が責任を取って五輪中止と総辞職を表明することが、コロナ禍脱出の最短ルートなのは間違いない。