2021年5月1日土曜日

今ごろインドを変異株流行国に指定 … 政府は一体何を考えているのか

 植草一秀氏は、4月22日ブログ「植草一秀の知られざる真実」記事:「結果がすべて」の菅首相政治責任 の中で次のように述べています。

変異株の出現」
E484K、N501Yという二つの変異株が流入した。12月中旬に英国で変異株が確認された。直ちに、最大級の水際対策が必要だった。この水際対策を妨害したのが菅義偉氏。
12月28日にザル対策を示し、抜本策を先送りした。強い批判に遭遇して、1月13日にようやく抜本策を実施した。致命的な2週間の遅れだった。変異株は感染力が強く、重症化リスクも高い。その変異株が感染拡大の中心に置き換わった。

 ここで「12月28日にザル対策」云々と述べている具体的な内容は、同氏の別の記事 ⇒ ギャンブル依存症で日本を崩落させた菅首相(植草一秀氏)で次のように述べています
菅氏は12月28日に入国規制強化を発表したが、入国の太宗を占めるビジネストラック、レジデンストラックの入国停止を行わなかった
菅氏は緊急事態宣言発出に際してもビジネストラック、レジデンストラックの入国停止を排除した。これもギャンブルだった。この賭けにも負けた。結局、1月13日になって両者の停止に追い込まれた。

 そうした重大な政府の落ち度が結局現在の変異株による惨状につながったのですが、インド変異株」で、またしても同じ失態を繰り返しました。まさに無能を絵に画いたもので言うべき言葉を知りません。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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今ごろインドを変異株指定…呑気な水際強化が招く次の恐怖
                          日刊ゲンダイ 2021/04/30
 まだ“水際強化”をしていなかったのか  。政府は28日、インドやペルーなど6カ国・地域を新型コロナウイルスの変異株流行国・地域に指定したと発表した。5月1日の午前0時から運用が始まる。しかし、インド変異株の怖さは、とっくに分かっていたのに、いままで“指定”していなかったのは、悠長すぎるのではないか。遅すぎる水際強化は新たな火種になりかねない。
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 指定国からの入国者は、いったん宿泊施設で待機をし、入国3日後の検査で陰性となっても入国後2週間の自宅待機が求められる。
 インドで二重変異株が初めて見つかったのは3月末。1カ月前だ。当時は、感染急増との因果関係はないとされたが、インドでは連日、1日の新規感染者が30万人を超え、二重変異株の影響が指摘されるようになっている。
 日本では22日に初めて5例が確認。26日の会見で加藤官房長官は5例含め、21例の確認を発表した。20例は空港検疫だが、1例は都内の80代女性でインド渡航歴がない。すでに市中感染が広がっている可能性がある。国内初確認から1週間近くも経って、水際強化を決定し、運用は来月からとは、のんびりすぎないか。なぜ、先手先手で動かないのか。
 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
英国型を水際で防げず、蔓延させてしまった“再現”を見ているようです。英国型も空港検疫で最初に見つかった後、あっという間に拡大しています。昨年12月、空港検疫で英国渡航者の陽性が増え、12月末、空港検疫で初めて変異株が確認されました。その後、英国への渡航歴のない3人の感染が静岡で確認され、現在の蔓延に至っています。インド株の場合も、空港検疫でインド渡航歴のある陽性者が増え始めた4月中旬には水際対策を強化しておくべきでした

英国株以上の脅威
 厚労省の公開データをもとに日刊ゲンダイが独自集計したところ、インドに渡航歴のある陽性者は3月が8人だったが、4月は29日までに78人に膨れ上がっている。英国型の失敗から学んでいれば、もっと早く手が打てたはずだ。
「インドの二重変異株は、英国以上に脅威になる可能性があります。抗体の効果を低下させ、ワクチンが効くか心配です。また、インドの感染爆発からすると感染力も相当強いとみていいでしょう。すみやかに、検査体制を構築し、早期発見、隔離をすべきです。そうしないと、英国型が落ち着いたタイミングでインド株の大流行を招くことになります」(中原英臣氏)
 インド株の二重変異のうち、「E484Q」は抗体をかわし、ワクチンの効果を低減させ、再感染のリスクを高める。「L452R」は日本人の6割が持つ白血球「HLA-A24」の攻撃を逃れる変異だ。感染力を高めるとの報告もある。

 こんな調子ではいつまでたってもコロナ禍は終わらない。