当然のことですが、「物価高が生活に影響を及ぼしている」人は「大いに」(62%)と「ある程度」(30%)を合わせると92%に達するということです。
もともと庶民のフトコロに余裕などないので、生活必需品の単価が上がればその分購入量を減らすしかありません。特に値上げ幅が大きい食品関係でもそう対応するしかないので、それは直ちに国民の健康(と寿命)を蝕むことになります。
今のところ大手企業は値上げによって売り上げを伸ばしているそうですが、それが「持続」することはあり得ません。日本のインフレは今後も止まりません。そうなればもう一段「買い控え」が強まり、日本経済全体は冷え込むことになります。
白物家電(エアコン、洗濯機、冷蔵庫など)の7月の「出荷額」は既に14%減となりました。要するに値上がりした分以上に出荷個数が減少したということです。「無い袖は振れない」影響がいち早く白物家電に顕れたということです。
トラベル業界に活気が戻りつつあるのは喜ばしいことですが、このままでは日本経済は「買い控え」による大不況に突入しかねません。
しかしながら軍事費倍増を最大の課題にしている岸田政権には、何かを期待する方が無理でしょう。
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日本を襲う「買い控え」の大不況…物価高「生活に影響」92%、
節約志向が急速に広がる
日刊ゲンダイ2023/08/28
「92%」──とは、深刻な数字だ。毎日新聞の世論調査(26、27日実施)によると、「物価高が生活に影響している」。圧倒的多数が物価高に直撃されているということだ。
その結果「買い控え」が急速に広がっている。
7月のスーパーの売上高は、単価が上昇したため前年同月比4・9%増だったが、節約志向が強まり「買い上げ点数」は前年を下回った。とくに価格高騰がつづく水産品や、単価の高い牛肉の販売が落ち込んだという。
また、全国のスーパーの販売データを集計する日経POS(7月17~23日)によると、値上がりした食品の約7割にあたる40品目で販売数量が減っていた。スナック菓子は19%減、水産缶詰は18%減、即席食品は12%減だった。その一方、割安なプライベートブランド(PB商品)の販売数量が伸びている。主な食品60品目のうち、約7割の44品目が1年前よりシェアを拡大。少しでも安いモノを買おうとしている人が多い裏返しである。
しかし、いまのところ大手企業は値上げによって売り上げを伸ばしているが、これ以上インフレが過熱すると、もう一段「買い控え」が強まり、日本経済全体を冷え込ませてしまうのではないか。
すでに7月の白物家電の「出荷額」は、14%減となっている。3カ月ぶりにマイナスとなった。エアコンは22・8%減、洗濯機は16・1%減、冷蔵庫は4・6%減だった。値上げによって商品単価が上がったのに、それ以上に「出荷数量」が減ったために、肝心の「出荷額」も落ち込んでしまった形だ。
日本のGDPの6割が個人消費
経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「清貧の思想とは違うのですが、インフレになる前から、若者を中心に、ぜいたくをするのではなく『自分にとって必要なモノだけを持ち豊かに生きる』──ミニマリストのような考えをする人が増えていました。消費することに大きな価値を持たなくなっていた。そこに物価高が重なり『買い控え』が進んでいるのでしょう。しかし、日本のGDPの6割が個人消費です。消費が冷え込めば、景気全体が落ち込んでしまうでしょう」
このままでは、日本経済は「買い控え」による大不況に突入しかねない。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。