2023年8月19日土曜日

この首相の正体がよくわかる 内政はほったらかし 訪米で高揚

 岸田首相は17日からの訪米に、よりによって渦中の人・木原誠二官房副長官を同行させました。因みに週刊文春の報道後の欧州・中東の歴訪には、磯崎仁彦官房副長官が同行しました。
 ここにきて再び木原氏に戻った経緯は不明ですが、木原氏には妻の元夫の不審死スキャンダルだけではなく、愛人宅からの官邸出勤、違法なデリヘルの多用、銀座豪遊などの 人格に疑疑問符をつけざるを得ない行状が報じられています。
 今回の同行が次回の改造でも彼を重用することを示唆しているのであれば、自民党に如何に人材が乏しいか、逆に言えば如何に岸田氏が孤独であるかを示すものです。
 いずれにしてもこの先岸田政権に期待できるものは何もありません。
 日刊ゲンダイは、「いま岸田政権下で行われていることは政治ではなく、国の私物化と社会秩序の破壊、さらに(対米)売国としか言いようがない」と述べています
 以下に紹介します。
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この首相の正体がよくわかる 内政はほったらかし 訪米で高揚
                       日刊ゲンダイ 2023年8月17日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
<一事が万事、この調子だよ>
<政治家として薄っぺらすぎる>
<戦争のない平和な世界がいかに大事なのかという真剣な思いが感じられない>──。
 SNS上は批判や怒り、呆れる声であふれている。16日の東京新聞が「前例踏襲 決意見えず」と題し、岸田首相が15日に都内で開かれた「全国戦没者追悼式」に出席した際に述べた式辞の大部分が昨年と全く同じ内容だった、と報じたためだ。
 同紙によると、岸田の660字余りの式辞原稿を昨年と比較したところ、約9割が一言一句、同じだったというから唖然呆然だ。安倍や菅といった歴代の首相も、広島や長崎で行われた原爆死没者の慰霊式に出席した際の式辞が過去の使い回しだったり、コピペだったりしたことがバレて批判の声が出たが、それでも文言を入れ替えるなどして、多少なり独自性を打ち出そうとしていた。
 それが岸田の場合、9割も一言一句、同じだったというのだから、まさに「完コピ」と言っていいだろう。

 岸田は6日に行われた広島の原爆死没者慰霊式で、「核兵器のない世界の実現」を繰り返していたが、「核兵器のない世界」に向け、核兵器禁止条約への参加を迫った被爆者団体の求めはスルー。ふだんは「被爆地・広島選出の政治家」などと言っているが、本音では不戦の決意など持っていないのだろう。この首相の正体がよくわかるではないか。

国会が終わった途端に全国行脚のトンチンカン
「自民党に声が届いていないと国民が感じ、政治の根幹である信頼が崩れている」「岸田文雄の特技は『人の話をよく聞く』ということだ」
 およそ2年前に行われた自民党総裁選前後の会見でこう繰り返し、国民に向かって「聞く力」を強くアピールしていた岸田。独善的で傲慢だった安倍・菅政権とは異なり、いかにも国民に寄り添う「聞く耳を持つ政治家」であるかのようなそぶりだったが実態は大嘘。
「丁寧な説明」と言いながら、国会ではロクに説明せず、野党や国民の反対意見を無視し続け、5年で総額43兆円という防衛予算の増大を打ち出し、憲法違反とも言うべき敵基地攻撃能力の保有を決め、殺傷能力のある武器輸出も拡大。そうして、国会が終わった途端、「国民の声を聞くための全国行脚」などと言いだすトンチンカン
 なぜ、すべてを勝手に決めた後で国民の声を聞くのか。今さら何のために聞こうというのか。まともな政治家であれば、本来は国会閉会後ではなく、法案を提出する際やその過程で、反対意見にも耳を傾けるべき。それが多数決の原則、少数意見の尊重という民主主義の原則ではないか。

 ところが岸田は違う。「しっかりやる、聞く」と言うばかりで実際は何も考えておらず、その場を適当にやり過ごすことしか頭にない。「全国戦没者追悼式」の式辞が「完コピ」だったのも、岸田にしてみれば「それが何か」程度の認識なのだろう。ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
首相として、政治家として何がやりたいのか。それが何もない。地盤、看板を引き継いで政治家になっただけ。世襲議員にはありがちな特徴です。総理大臣を続けることが目的化し、党内や保守系支持者の目ばかりを気にして、どんどん過激になっている。国民から見れば最悪な宰相でしょう」

「バカな大将、敵より怖い」で国民は不幸になるばかり
 政治家として中身が空っぽの男だから国民生活にも関心がない。
 厚労省が発表した6月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比1.6%減となり、15カ月連続で前年を下回った。同月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.9%上昇。日銀が発表した7月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は119.3となり、前年同月比3.6%上昇し、プラスは29カ月連続だ。
 企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示し、調査対象515品目のうち、上昇品目数は実に436品目に上る。あらゆるモノの価格がこれだけ上がれば国民から悲鳴が上がるのも当然。庶民がどんどん追い詰められているのに、岸田は何の手当てもしない。それどころか、さらなるエネルギーの高騰を招くガソリン補助金も9月末に打ち切りだ。
 レギュラーガソリン1リットル当たりの店頭小売価格は12週連続で値上がりし、2008年8月以来15年ぶりの180円台に突入したが、円安や原油価格の動向次第ではどこまで上がり続けるか分からない。もともと価格対策で始まったガソリン補助金に対しては「一時しのぎの無策」と指摘する声があったとはいえ、“案の定”の破綻に国民は怒り心頭ではないか。

岸田政権下で進む国の私物化と社会秩序の破壊
 内政ほったらかしの岸田が唯一、聞く耳を傾ける相手が米国のバイデン大統領だ。
 岸田は17日から19日まで、日米韓首脳会合に出席するために米キャンプデービッドを訪問する予定だが、防衛力強化と防衛費の増額を半ば強制的に約束させられた過去の訪米を見る限り、今回もバイデンにどんな無理難題を押し付けられるのか分からない。にもかかわらず、岸田や取り巻きは例によって「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化」などと高揚しているのだろう。
 米国詣でに注力する一方で、岸田は国民不信が拡大している「マイナカードの混乱」を現場に尻拭いさせ、自民党を離党した秋本真利衆院議員の風力発電絡みの収賄疑惑や、側近の木原官房副長官をめぐる違法デリヘル通いと妻の元夫の不審死スキャンダルについては馬耳東風。「観光旅行」「税金泥棒」などと世論批判が高まっている自民党女性局のパリ視察旅行に対しても知らん顔だから何をかいわんや。

 岸田政権下で今、行われていることは政治ではなく、国の私物化と社会秩序の破壊、さらに売国としか言いようがない。まさに亡国首相の言葉がふさわしい。各メディアの世論調査で、総じて支持率が下がり続けているのも当たり前なのだ。
 政治評論家の小林吉弥氏がこう言う。
「岸田政権を一言でいえば『やっているフリ』だけ。新しい資本主義とやらは、どうなったのか。何も見えないし、実際に何もやっていない。それでいて突然、増税の話が出てくる。国民にとっては不信感しかないでしょう。米国に対しても、すべて言いなり。これで主権国家と言えるのか。内政も外交もあまりにいい加減です」
「バカな大将、敵より怖い」。岸田政権が続けば、国民が不幸になるだけだ。