100年前の9月1日に関東大震災が起きました。その大混乱の中で、意識的に「朝鮮人が井戸に毒薬を入れた」という根も葉もないデマが流されて最大6千人と言われる朝鮮人が市民らによって虐殺されました。
虐殺の歴史を記憶し、差別に反対する在日コリアンの学生や日本の学生らが21日、東京都内でデモ・パレードを行いました。パレード後には、都内で学生らが「なぜ今、関東大震災時の朝鮮人虐殺を語るのか~」と題し、ディスカッションしました。
それとは別に、東京都の小池百合子知事が9月1日の関東大震災朝鮮人虐殺追悼式典への追悼文送付を今年も拒否した問題で、日本共産党都議団は21日、追悼文の送付再開を小池知事宛てに申し入れました。
申し入れで原田あきら都議は、朝鮮人虐殺は震災とは別の人災であり、「東京の歴史の拭うことのできない汚点」であるとして、歴代知事が追悼式典に追悼文を送ってきたにもかかわらず、小池知事は就任以来一貫して追悼文の送付を拒否したことは「関東大震災における朝鮮人虐殺を明白な史実と認めず、歴史修正主義にくみするものと言われても仕方ない」と批判しました。
しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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関東大震災・朝鮮人虐殺100年 在日コリアンと日本人の学生 差別反対のパレード 東京
しんぶん赤旗 2023年8月22日
関東大震災の際に起きた朝鮮人虐殺から来月で100年となるのを前に、虐殺の歴史を記憶し、差別に反対する在日コリアンの学生や日本の学生らが21日、東京都内でデモ・パレードを行いました。全国各地から約150人が参加。新宿駅東口前から都庁にかけて歩き、「日本政府は朝鮮への植民地支配の責任を果たせ」「歴史歪曲(わいきょく)を是正しろ」などとコールしました。
四国からきた在日朝鮮人4世(21)は「100年の節目に、虐殺の事実と向き合って、自分たちの世代が忘れずに伝え続けていきたいという思いで参加しました」と話しました。
愛知県内の大学2年生(19)は仲間4人と参加。デモ自体が初参加といいます。「私たち日本人が虐殺の事実と向き合うことが大切。福祉を専攻しているので、すべての人が守られる社会になってほしいです」と語りました。
都庁前のスタンディングでは、一橋大学大学院で朝鮮近代史を研究する牛木未来さんがスピーチ。朝鮮人虐殺について「数十年前の歴史研究の結果、明らかになっている」と強調。「虐殺は過去の話ではない。政府は見せかけの和解ではなく、植民地支配の不法性を認め、都は朝鮮人犠牲者の追悼式典に寄せていた追悼文送付を再開して」と訴えました。
パレード後には、都内で学生らが「なぜ今、関東大震災時の朝鮮人虐殺を語るのか~」と題し、ディスカッションしました。
しんぶん赤旗 2023年8月22日
東京都の小池百合子知事が9月1日の関東大震災朝鮮人虐殺追悼式典への追悼文送付を今年も拒否した問題で、日本共産党都議団(大山とも子団長、19人)は21日、追悼文の送付再開を小池知事宛てに申し入れました。
申し入れで原田あきら都議は、都が1972年に発行した『東京百年史』でも朝鮮人虐殺を震災とは別の人災と認め「東京の歴史の拭うことのできない汚点」と記述していることを指摘。この立場から歴代知事が追悼式典に追悼文を送ってきたにもかかわらず、小池知事が送付を拒否したことは「これまでの都の努力を踏みにじり、関東大震災における朝鮮人虐殺を明白な史実と認めず、人災による悲劇を繰り返さない決意の表明を避けようとするものだ。歴史修正主義にくみするものと言われても仕方ない」と批判しました。
その上で、追悼文送付を再開し、関東大震災の朝鮮人虐殺事件という史実と災害教訓を継承するよう求めました。
また、朝鮮人へのヘイトスピーチを繰り返してきた団体が9月1日に追悼碑前で集会を計画していることについて、都の人権尊重条例に基づき、公の施設の利用制限に関する審査会に意見を求めるよう要望しました。
都建設局の担当者は「要望は知事に伝える」と答えました。