2023年8月9日水曜日

反共攻撃の主張うり二つ 統一協会とベッタリ 維新・馬場代表

 日本維新の会の馬場伸幸代表は、「共産党は日本からなくなったらいい政党」との暴言を吐いて批判を浴びています。下記はその一例です。

 立民、公らも
 ▼馬場氏の発言は他党、ひいてはそれを支持する有権者をも否定するものだ」
  (「朝日」25日付、法政大学大学院・白鳥浩教授)
 ▼「民主主義をどう思っているのか」(大竹まこと氏、25日、文化放送)
 ▼「他党をなくてもいい政党』と言う。これはけしからんですよ」(森本毅郎氏、25
   日、TBSラジオ)
 ▼「民主主義そのものを否定する危うさに黙っていてはならない」(立憲民主党・原
   一博元総務相、26日、ツイターに投稿)
 ▼「政策や考え方は全然違うが、(日本共産党が)なくなっていいとは思っていな
   (公明党・北側一雄中央幹事会長、27日会見

            (しんぶん赤旗日曜版8月6日号より↑)
 馬場氏の発言は、統一協会(世界平和統一家庭連合)の主張とうり二つなのですが、それもそのはず、馬場氏と統一協会には、他の国会議員と比べても突出した深い関係がありました。しんぶん赤旗日曜版が報じました。
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反共攻撃の主張うり二つ 統一協会とベッタリ 維新・馬場代表
                     しんぶん赤旗日曜版2023年8月6日号
パーティー、世界日報の常連
「共産党は日本からなくなったらいい政党」との暴言(7月23日)で批判をあびている日本維新の会の馬場伸幸代表。その発言は、統一協会(世界平和統一家庭連合)の主張とうり二つです。主張が似ているだけでなく編集部の調べで、馬場氏と統一協会には、他の国会議員と比べても突出した深い関係   取材班
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「政治家として信念や理念を持って発言している」(26日)として暴言撤回を拒否する馬場氏。公安調査庁が日本共産党を破壊活動防止法(破防法)に基づく「調査対象団体」としていることをあげ、「政府が危険な政党として見ているということだ」と暴言を重ねました。
 破防法の調査対象団体になっていることをあげて日本共産党を「暴力革命」の党であるかのようにデマ攻撃するやり方は、統一協会と一体の「国際勝共連合」の常とう手段です。
 統一協会の「教義」を記した『原理講論』。「共産主義世界を壊滅させ」との記述があります。共産党はなくなったらいい″という馬場氏と統一協会は共産党の存在を認めない″という点では同じ立場です。
 維新は昨年8月、統一協会や関連団体と接点のあった国会議員として馬場氏や藤田文武幹事長ら13人の氏名を公表。しかし会合への出席回数や時期などは非公表で、関係の深さ″は未解明です。
 しかし編集部の調べによれば、馬場氏は統一協会の開祖・文鮮明と妻の韓鶴子総裁が1992年に創設した「世界平和女性連合(WFWP)」のイベントに、2013~19年の間に少なくとも計6回、出席していました。

家族連れで参加
 馬場氏は13年7月13日、自身のフェイスブック(FB)に「WFWPの女子留学生日本語弁論大会に参加しています」と投稿。「お互いの理解を深め世界平和に寄与する、という事を目的に開催されています」と持ち上げました。
 14年12月6日には、同連合の「チャリティー クリスマスパーティー」に出席。FBに「いつもは、家族みんなで出席させていただき」と書いています。
 このことをTBSラジオ(22年8月24日)で聞かれた馬場氏は「家族と参加したことは事実」と認めています。「いつもは」と書いていることから、14年以前にも家族連れで会合に出席していた疑いが濃厚です。

選挙のお礼伝え
 馬場氏は15年12月5日のパーティーにも出席。大阪維新の会の池田克史・堺市議(当時)はFBに「来賓の代表挨拶では、馬場伸幸代議士が笑いで場を和ませ、W選挙のお礼と意義について話をしました」と投稿しています。
 15年11月22日の大阪府知事・市長のダブル選挙で、松井一郎氏が知事に、吉村洋文氏が市長に当選しました。馬場氏の発言は、この選挙のお礼をのべたものとみられます。
 馬場氏は17~19年にも毎年、同連合のパーティーに出席しています。
 同パーティーの会費は1万2千円と高額。集めた資金を同連合の「海外プロジェクト支援」に充てるためです。
 馬場氏が会費を出していたなら、教団関連団体の資金稼ぎに協力したことになります。会費なしで招かれていたとすれば、広告塔″になっていたことになります。
 馬場氏と統一協会の関係はさらに- 
 統一協会の開祖・文鮮明の提唱で創刊された日刊紙「世界日報」。馬場氏は16~22年の7年間に「憲法改正」などのテーマで少なくとも5回、登場しています。
 18年、20年、22年は、年始恒例企画に登場。近年は常連でした。
 13年以降、少なくとも統一協会系のイベントに6回出席し、新聞に5回登場した馬場氏。現職国会議員のなかでも突出した深い関係です。
 編集部の取材に馬場事務所は「回答は差し控える」としました。

存在を否定 独裁の思想
                   メディアを読む  白神優理子
 日本維新の会・馬場伸幸代表の「共産党は日本からなくなったらいい政党」(7月23日)との暴言を、メディアはどう伝えたのでしょうか。
 社説で取り上げたのは信濃毎日新聞(同28日付)です。「馬場氏は番組で、共産は『世の中にあり得ない空想の世界をつくっている』と、存在否定の理由らしきものを□にした。軍拡と防衛費増大に反対し、憲法の堅持や平和外交を訴え、福祉や医療、教育を重視する共産の政策を指しているのか公党の存在意義をないがしろにした馬場氏の発言は、現政権の政治を良しとせず、票を託した有権者をもとしめている」「立場の異なる意見をくむ党の意義を否定したのでは、民主主義を踏みにじるに等しい」と指摘します。
 日刊スポーツのコラム(26日付)は共産党の百年を紹介。「2010年に地域政党として生まれた党の代表が党勢拡大の勢いで共産党を『日本からいなくなったらいい政党』と言い放ったが、この歴史と存在を否定する権利はない」といいます。
 他方、「産経」(同27日付)は、「現実的な安保政策対『お花畑』という従来の与野党関係を終わらせる」という維新幹部の発言を紹介、便乗して野党攻撃をする始末。「読売」(同27日付)は、「泥仕合」と揶揄しています。
 秀逸なのは「東京」(同29日付)のコラム。漫画「ドラえもん」で、のぴ太が、ひみつ道具「どくさいスイッチ」を使い、ジャイアンやスネ夫を消し、最後には人々を消して人きりになります。コラムは「まわりがうるさいってことは、楽しいね」というのび太の反省の言葉を紹介、「馬場代表、よかったらお貸しする」と締めくくります。
 政党を支持者丸ごと「なくなったらいい」と否定することはまさに「独裁」の思想。民主主義を壊す発言を許さない態度がメディアに求められます。(しらが・ゆりこ=弁護士)