ウクライナ戦争で米国が将来に渡って莫大な利益を得ていることは夙に伝わっているところですが、「マスコミに載らない海外記事」にそれを詳述した記事が載りましたので、紹介します。
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アメリカ資本主義とウクライナへの過剰な「効果的兵器」が違いをもたらさない理由
マスコミに載らない海外記事 2023 年 8 月 22 日
フィニアン・カニンガム 2023年8月15日
Strategic Culture Foundation
ウクライナでのこの戦争は欧米資本主義の恐ろしい縮図だとフィニアン・カニンガムは書いている。
ウクライナ反攻が失敗していることが、欧米高官や連中の卑屈なマスコミでさえ、ゆっくり、しぶしぶ見え始めている。二か月前の反攻だけでなく、実際、紛争全体が。ウクライナにはロシアの優れた軍隊に勝つ可能性がないのだ。
それでも暴力と殺害は続いている。外交や和平や正気はない。一体なぜだろう。
ほんの数ヶ月前、アメリカ合州国とNATOの兵器や訓練が、ロシアに対する「見事な勝利」へと流れを変えるという勇敢な主張で欧米マスコミは満ちていた。今日これら同じメディアは「厳しい反攻」(ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、CNN)や「敗れた期待」(ロンドンタイムズ)を意気地なく報じている。
明らかな解決困難な状況を一体どう説明するのだろう? アメリカ合州国とヨーロッパのNATO同盟諸国は、過去一年、戦車からパトリオット・ミサイルに至るまで、最大100億ドル相当の兵器をキーウ政権に供給してきた。そしてバイデン政権は先週、ウクライナ用に更に12億ドル要求し、軍事的贈り物は続いている。アメリカと同盟諸国は今後数か月以内にF-16戦闘機の供給を計画している。
それでも気が遠くなるようなこの大金は、最終的なロシア勝利という結果に違いをもたらすことはない。もちろん更に何万人ものウクライナ兵が殺され、ロシアとのより広範な全面核戦争も非難されるべきリスクだ。しかし、なぜ狂気が続くのだろう? なぜ欧米政治家やマスコミは果てしのない虐殺に対する外交的代替案を模索しないのだろう?
この大失敗と究極のスキャンダルの根本的理由は、アメリカ軍国主義固有の悪だ。アメリカ軍国主義や他の西側資本主義国の軍国主義は、国家を守るため、あるいは実際戦争に勝つための「軍事」や「防衛」という従来の理解に関するものではないのだ。アメリカと欧米の軍国主義の第一目的は民間企業である軍産複合体のため利益を上げることだ。
通常、武器は非常に高値で、誇大宣伝されており、永続的に消費されるよう設計されている。アメリカ製パトリオット防空システム、エイブラムス戦車やF-35戦闘機を考えてみよう。独立した軍事評論家は、これらシステムは高額ながらくたで、実際は本来の仕事をしていないと言うはずだ。ロシア軍は、優れた極超音速兵器を使用して、パトリオットや欧米戦車を比較的簡単に一掃している。
尊敬される地政学評論家で「超帝国主義」という本の著者マイケル・ハドソンは、アメリカ軍国主義は本質的に国や同盟諸国を守ることではなく、企業利益を得ることが狙いだと喝破して核心を突いた。アメリカ軍産複合体が製造する兵器は、敵を倒して戦闘に勝つという従来の軍事性能の定義を目的としていないのだ。
「武器はアメリカ軍産複合体に莫大な利益を生み出すためのものだ」とスティーブン・グランバインとの最近のインタビューでハドソンは発言した。
ウクライナの場合、アメリカとNATOの兵器は「購入するためのもので、ロシアに対し砲撃させるためウクライナに与えているのだ。しかしあの兵器は戦うためのものではない。兵器は戦争に勝つためのものではない。消費するためのもので、また新たに購入し、今すぐ交換する必要があるのだ。」
ウクライナでの紛争は、アメリカとNATOの兵器にまつわる長年の誇大宣伝や見え透いた言い訳を暴露している。張り子の虎であることが残酷にばれている。
ハドソンが説明しているのは、事実上、アメリカが率いるウクライナでのロシアに対する代理戦争の完全な詐欺とスキャンダルだ。それはキャッチ22風の茶番劇レベルだ。これはアメリカと西側軍事産業の利益のための不正な金儲けだ。全て欧米納税者が支払い、ウクライナ人が木っ端みじんに吹き飛ばされたり生涯傷ついたままにされたりしているのだ。
基本的に、これがアメリカと西洋資本主義の狙いなのだ。エリートの私的利益のための経済体制は、軍国主義と世界的な武器輸出が推進している。欧米資本主義は長年、民用工業生産を放棄し、過去数十年にわたり政治家やマスコミや議員の命令どおりにする軍産複合体に支配されるようになっている。
長年にわたるNATOの拡張主義とロシアへの戦略的恫喝によってウクライナでの戦争は引き起こされた。モスクワの警告は常に無視された。これは中国も標的にされていると同じ方法で、ロシアを地政学的ライバルとして征服するため欧米帝国主義アメリカ幹部が要求した対決の一環だった。しかし、それに加えて、ウクライナに兵器を注ぎこむという究極の不正な金儲けが登場した。それだけでなく、ヨーロッパの従僕連中は、今後数十年にわたり、レイセオン、ロッキードマーティン、ボーイングなどから購入し、枯渇した兵器庫を満たすのを余儀なくされる。それは完全な談合体制だ。
対照的に、ロシア軍は実際に自国を守るように創られている。ロシア兵器がウクライナでNATOのがらくたを上回っているのは、前者が私的利益やウオール街投資家のために製造されているのではなく、実際戦争に勝つことを目的として製造されるためだ。
だからこそ、ウクライナはこの紛争で悲惨かつ不可解に負けているのだ。キーウ政権に注ぎ込まれた武器は、決して「ロシア侵略から国を守る」ことを意図したものではなかった。それは欧米納税者に資金供給された高価な武器を売るためのばかばかしい広報誇大宣伝だ。もちろんナチス・キーウ政権は汚職で金のなる木を搾り取っているが、より大きな問題はアメリカ資本主義と軍産複合体の腐敗した中心にある戦争不正利得者連中だ。
ウクライナの傀儡大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは、より多くの武器を求めて叫んでいる。もちろん腐敗したキーウ政権はそうだ。バイデンと欧米政治家は、より多くの武器を求めている。もちろん、そうだ。連中の政治資金は兵器企業ロビイストに依存している。欧米マスコミは、このなんとも忌まわしいものを「過酷な反攻」と歪曲する。もちろん連中はウクライナでの戦争に関する自分の利己的なウソにとらわれそうしている。
屠殺場に送るため腐敗したキーウ政権は街頭で一般人を駆り集め、アメリカ企業とウオール街は利益を享受している。そして欧米の労働者や大衆は緊縮財政のおかげで徹底的に搾り取られている。ウクライナでのこの戦争は欧米資本主義の恐ろしい縮図だ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/08/15/us-capitalism-and-why-glut-of-wonder-weapons-ukraine-wont-make-difference/