「九条の会」事務局は3日、「岸田政権の軍拡に反対し、憲法改悪を阻止する市民の総決起の秋を創ろう!」とする声明を発表しました。しんぶん赤旗に声明の全文とその解説記事が載りましたので紹介します。
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大軍拡・改憲阻止の秋に 九条の会 10月に大集会
しんぶん赤旗 2023年8月6日
「九条の会」事務局は3日、「岸田政権の軍拡に反対し、憲法改悪を阻止する市民の総決起の秋を創ろう!」とする声明を発表しました。
声明は、6月21日に閉会した通常国会では、岸田自公政権が「安保3文書」の実行を狙い、軍需産業支援法・軍拡財源法など多くの悪法を成立させただけでなく、「憲法審査会を中心に与党と維新の会、国民民主党などによる改憲の企てが急速に進行した」と指摘。次期衆院選で維新の伸長を許せば「軍拡や改憲の企てが国会において立憲主義を蹂躙(じゅうりん)して進行する危険がある」と危惧しています。
同会は声明の中で、現在も改憲勢力が衆参両院で3分の2を占めるなど「困難がある」としつつも、小泉純一郎政権と安倍晋三政権で、改憲勢力が3分の2を超えていても、国民世論と立憲野党の頑張りで改憲を「挫折」に追い込んだと指摘。「改憲勢力もたくさんの矛盾を抱えている。私たちが立ち上がれば、改憲は必ず阻止できる」と訴えています。
声明では、岸田政権が企てる改憲を阻止するため、同会が10月5日に中野区で「九条の会大集会―大軍拡反対!憲法改悪を止めよう!」を開催することを発表。集会をステップに憲法が公布された11月を「軍拡反対、岸田改憲阻止の総行動月間」とし、大軍拡と改憲に反対する多様な行動に立ち上がるよう呼びかけています。
「九条の会」声明の全文
「岸田政権の軍拡に反対し憲法改悪を阻止する市民の総決起の秋を創ろう!」
6月21日に閉会した第211通常国会では、「安保3文書」の実行を狙って大軍拡予算とともに軍需産業育成法・軍拡財源法など多くの悪法が成立しただけでなく、憲法審査会を中心に与党と、維新の会、国民民主党などによる改憲の企てが急速に進行しました。岸田文雄首相は、国会閉会後の記者会見で、自らの自民党総裁としての「任期において憲法を改正する努力をする」と、来年9月までの改憲に強い意欲を示しました。岸田首相は、政権延命のため今秋にも解散を狙っていますが、解散・総選挙の結果次第で維新の会が野党第1党になるようなことがあれば、軍拡や改憲の企てが国会において立憲主義を蹂躙(じゅうりん)して進行する危険があります。
いま、私たちは、文字通り軍拡と改憲の戦争する国か、憲法の人権と民主主義が活かされる平和な国かの岐路に立っています。
こうした岸田政権の企てを阻止するには、少なくとも首相の公言する来年秋までの改憲を挫折に追い込むまで、この秋から市民が総決起することが必要です。
そのため、九条の会は、首都圏の会を中心に実行委員会を組織し、来る10月5日(木)の夜に「なかのZERO」大ホールで「九条の会大集会-大軍拡反対!憲法改悪を止めよう!」を開催することにしました。「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」にも協賛をお願いし引き受けていただきました。
そして、この集会をステップにして、11月3日の憲法公布記念日を挟む11月を「軍拡反対、岸田改憲阻止の総行動月間」とし、全国各地の九条の会の皆さんや改憲に反対する市民の皆さんが大軍拡と改憲に反対する多様な行動に立ち上がるよう訴えるものです。
今、私たちの周りには困難があります。この間の国政選挙で、改憲勢力は衆参両院とも3分の2を超えています。野党共闘も困難にさしかかっています。しかし、振り返ってみましょう。小泉政権が改憲を提起したとき、衆参両院では改憲に好意的な勢力は3分の2を超えていました。けれども、04年6月に9人の呼びかけにより九条の会の結成が呼びかけられ全国各地に九条の会が続々結成され改憲反対の声が沸き起こる中、世論は大きく変化し、改憲の企図は挫折に追い込まれました。2017年に安倍首相が改憲を提起した時も衆参両院では改憲勢力が3分の2を超えていましたが、「市民と野党の共闘」の頑張りに励まされ、憲法審査会でも立憲野党が頑張って安倍改憲を挫折に追い込んだのです。
改憲勢力もたくさんの矛盾を抱えています。私たちが立ち上がれば、改憲は必ず阻止することができます。
全国の九条の会の皆さん、そして改憲に反対する市民の皆さんに、改めて訴えます。この秋、大軍拡に反対し憲法改悪を阻止するため、声を上げ、立ち上がりましょう。10月5日、大集会に集いましょう。そして11月には全国各地、津々浦々から創意を凝らして行動を起こしましょう。
(2023年8月3日 九条の会)