2023年8月2日水曜日

維新・馬場代表暴言に共産・小池氏 民主主義にとって見過ごせない問題と

 日本維新の会の馬場伸幸代表が23日の「ABEMA的ニュースショー」で「共産党は日本からなくなったらいい政党」と述べたことについて日本共産党の小池晃書記局長は30の同番組に出演し、「「ある政党がなくなった方がいいなどという議論が、まかり通るような世の中にしてはいけない。考え方は違っても、あなたがものを言う権利は守るということが民主主義の根本だ」と強調しました

 馬場代表はこれまでキチンとした釈明はしていませんが、唯一根拠らしいものとして、公安調査庁共産党破壊活動防止法の調査対象団体にしていることをあげました。
 それに対しても小池氏は、公安調査庁66年間にわたって不当な調査を行っても「破壊活動の証拠はみつけられない。やってないから当たり前だ」と指摘しました。これまでに反論されつくしたそんなことを挙げるしか出来ないこと自体が、「空論にすがるしかない」という無根拠さを示しています。
 
 一方、日本維新の会は4月の統一地方選で議席を増やしましたが、選挙後、所属議員による分裂騒ぎや不祥事などが相次いでいて、「新人教育」がどうなっているのか疑問符がついています。しんぶん赤旗がその具体例を示しました。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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維新・馬場代表暴言に小池氏 民主主義にとって見過ごせない問題
                       しんぶん赤旗 2023年7月31日
ネット番組で党への疑問に返答
 日本共産党の小池晃書記局長は30日、インターネット番組「ABEMA的ニュースショー」に出演し、先週の同番組で、日本維新の会の馬場伸幸代表が「(共産党は)日本からなくなったらいい政党」と述べたことについて、「日本の民主主義にとって、見過ごしてはいけない暴言。撤回を求める」と批判するとともに、共産党への疑問に答えました。

 小池氏は、馬場氏の暴言について、政党がお互いに批判する権利は当然あるとしたうえで、「馬場さんがいう『なくなったらいい』というのは、政党の存在そのものを否定するもの。選挙でも全国で400万人近くの方が投票してくださっている。そういう政党を『なくせ』というのは、民主主義の根本を否定するものだ」と批判しました。小池氏は、馬場氏の発言をめぐる問題を「ある政党がなくなった方がいいなどという議論が、まかり通るような世の中にしてはいけない。考え方は違っても、あなたがものを言う権利は守るということが民主主義の根本だ」と強調しました。

 司会の千原ジュニアさんから若い人の感想をと聞かれたタレントのゆきぽよさんは「確かに発言の自由はみんなにあるけど、言っていいこと、言っちゃいけないことは政治にもある。SNSでもあるなと思った」と発言しました。

根拠のないデマ
 馬場氏が、共産党が破壊活動防止法の調査対象団体になっていることをあげ、共産党は「危険な政党」などと主張していることに対して小池氏は、公安調査庁が共産党に対して66年間にわたって不当な調査を行っても「破壊活動の証拠はみつけられない。やってないから当たり前だ」と指摘。「共産党は『危険な政党だ』などというのは、全く根拠のないデマだ。共産党は『暴力革命』という方針を党の正規の方針として持ったことは一度もない」と述べ、「選挙で多数の支持を得て、議会を通じて一歩ずつ改革していこうというのが共産党の揺るがぬ方針だ」と力説しました。

 ゲストパネラーが「共産党が政権を取ったら、一党独裁になるという懸念がある」と発言したのに対して、小池氏は「日本共産党は党の綱領で、複数政党制を将来にわたって守り抜くことを明記している。信教の自由、表現の自由、結社の自由などの基本的人権を守る立場も明確だ。政権をつくる際には、共産党一党で進めるのではなく、一致できる目標で、他の政党などと協力して進むことも綱領に明記している」と反論。国会で一番強く民主主義や自由を主張しているのは共産党ではないかと指摘し、「その共産党が政権についたら自由を束縛する。民主主義をこわすなどというのはまったくあり得ない話だ」と述べました。

展望込めた党名
「党名を変えないのか」という街頭の市民の声が紹介され、小池氏は、「共産党の名前には、私たちが目指している未来社会の姿が刻み込まれている。たとえば、今の気候危機の問題は、温暖化どころか沸騰化とまで言われているが、何でも企業のもうけが第一の資本主義のままでは、根本的な解決はできないのではないか。あるいは深刻な貧富の格差の拡大についても、資本主義というシステムのままでは解決は図れないのではないか。人類の未来は資本主義のままで終わってしまうのではなく、それを乗り越えた新しい社会に進んでいくのではないか。そういうわれわれの展望が込められた名前だ。名前を変えるということは、その理想を捨てることになってしまう」と説明しました。
 司会の千原氏が「赤旗を読んでみたいけど、デジタル版ないでしょ」と質問し、小池氏が「電子版を出してます。今、3週間の無料お試し期間中です」と勧める一幕もありました。


維新、不祥事続く 「新人教育」に疑問符
                        しんぶん赤旗 2023年7月31日
 4月の統一地方選で議席を増やした日本維新の会は、新人議員向けの研修会を実施するなど党内指導を強めています。一方で、選挙後、所属議員による分裂騒ぎや不祥事などが相次ぎ、「新人教育」に疑問符がついています。

 川崎市議会では党会派が分裂する騒ぎに。6月末の本会議での補正予算案の採決をめぐり、維新の会の市議団7人のうち5人が「造反」し、賛成に回りました。5人はいずれも4月の統一地方選で初当選した1期目の議員。「神奈川維新の会」は27日、市議団の決定に従わず賛成票を投じたとして、5人を3カ月の役職停止処分にしました。反対に回った三宅隆介、飯田満両議員は会派を離脱しました。
 維新は本会議採決に先立つ総務委員会などで、補正予算案に反対していましたが、本会議では両氏以外の5人が態度を変え賛成に回りました。

 埼玉県では佐藤恵理子上尾市議が、SNSを通じて露出度の高い自身の写真を販売していたことが週刊誌の報道で発覚しました。日本維新の会県総支部は18日、12月の次期市議選で佐藤氏を公認しないと発表。佐藤氏は4月に入党した際に写真販売を行っていたことを報告していませんでした。

 福岡県飯塚市議会では、4月に初当選した新人の藤間隆太市議が市の男女共同参画に関する啓発を巡り、無所属の女性議員を名指しし、「セーラー服を着て、PR動画を投稿すれば再生数を稼げる」などと発言。差別的な言動に対し、議長から厳重注意を受け、6月20日に議会で謝罪しました。

 国会議員も含め議員の不祥事が続く維新。党の指導体制や議員の資質に厳しい目が向けられています。