〝「しんぶん赤旗」威力と魅力″というシリーズが開始されました。
いま自民党政治と対峙する「しんぶん赤旗」(日曜版を含む)の存在が大きく注目されていますが、「その威力と魅力に迫る」連載記事です。その(1)~(4)です。
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「しんぶん赤旗」威力と魅力(1)
日曜版スクープ 「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」 独自の目線・強い追及力
しんぶん赤旗 2024年3月23日
権力を監視し、不正を暴き、日本共産党の国会・地方議員団とタッグを組んで政治を動かす―自民党政治と対峙(たいじ)する「しんぶん赤旗」の存在が大きく注目されています。その威力と魅力に迫ります。
田村智子委員長が出演した、17日放映のBSテレビ東京番組「日曜サロン」。冒頭から話題になったのが、「赤旗」の追及力でした。
(写真)自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる疑惑をスクープした「赤旗」日曜版(2022年11月6日号)
権力を監視し、不正を暴き、日本共産党の国会・地方議員団とタッグを組んで政治を動かす―自民党政治と対峙(たいじ)する「しんぶん赤旗」の存在が大きく注目されています。その威力と魅力に迫ります。
田村智子委員長が出演した、17日放映のBSテレビ東京番組「日曜サロン」。冒頭から話題になったのが、「赤旗」の追及力でした。
追及が評判を呼ぶ
司会者が問います。
――「桜を見る会」も、今度の裏金問題も、「赤旗」の追及から始まった。「赤旗」の調査報道から国会での共産党の質問という流れができているのか。
田村委員長が答えます。
――自民党は企業や財界との癒着があり、これが政治のゆがみを生んでいる。(スクープが生まれるのは)このゆがみをただそうという目でみているからだ。自民党政治のゆがみを「赤旗」が独自の目線で追い、国会では共産党の議員が同じ立場で追及することで、とても強い追及力を生んでいる。
「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」―「しんぶん赤旗」日曜版に投稿された川柳が評判です。
「パー券収入 脱法的隠ぺい 2500万円分不記載 岸田派など主要5派閥」―日曜版が自民党主要派閥の政治資金パーティー券の不記載問題をスクープしたのは、2022年11月のことです。上脇博之神戸学院大学教授の告発によって、検察が動き出し、自民党ぐるみの裏金づくりという組織的犯罪行為を暴きだし、政界を揺るがす一大疑獄事件に発展してきたことは周知の事実、いまや国民的常識です。
裏返せば、「赤旗」のスクープがなければ「裏金」はいまも「裏金」のままだっただろうし、政治倫理審査会での「知らぬ存ぜぬ」の態度が国民的批判を浴びている「安倍派5人衆」らも政権中枢に居座ったままだったでしょう。すべては闇の中だったのです。
機関紙だからこそ
裏金事件は、新聞、テレビ、雑誌、インターネットなど、あらゆる媒体で取り上げられましたが、どのメディアも、「きっかけは『赤旗』のスクープだった」と、触れざるをえなくなっています。同時に、メディアから寄せられる質問、関心は「スクープはなぜ、大手メディアでなく、日本共産党の機関紙『赤旗』だったのか」です。
山本豊彦・日曜版編集長が、1月の第29回党大会で次のように述べています。
「いまや(パーティー収入は)自民党の派閥の収入の8割を占めています。パーティー券を含む企業・団体献金の禁止を一貫して主張している日本共産党の機関紙だからこそ、政治資金パーティーの闇に迫ることができたのです。
党は政党助成金や企業・団体献金を受け取っていません。党費と『赤旗』の購読料と国民のみなさんの寄付で党を運営しています。今回のスクープは、歯を食いしばりながら自前で党の財政をつくってきた全党の力によるものだと思っています」
「しんぶん赤旗」と日本共産党の力を前進させることこそ、自民党政治をさらに追い詰め、日本の政治を変える最大の力です。
自民党 日曜版に戦々恐々
「しんぶん赤旗」日曜版の政治資金パーティー収入の不記載をあばいたスクープは、自民党をおびえさせました。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、四国新聞のコラム(2023年12月17日付)で「今回の政治資金パーティーを巡る疑惑がいずれ噴き出すことは知る人ぞ知る話だった。昨年(22年)11月、『しんぶん赤旗』日曜版が報じて以来、自民党本部事務方トップは警戒感を抱き、岸田に早期解散を進言していた」と書きました。
毎日新聞(23年12月23日付)は、「法令違反の指摘を受けたのは22年11月、共産党の機関紙『しんぶん赤旗』が安倍派を含む自民5派閥についてパーティー券収入が過少に記載されている疑惑を報道した後、自民のコンプライアンス担当の弁護士が、安倍派側に対して法令違反の疑いを指摘したという」と報じました。
これらは、自民党内では、検察が動きだす前から違法性を認識し、問題が大きくなることにおびえていたことを示しています。
しかし、自民党の各派閥が対応したのは、日曜版が指摘した不記載分を訂正することだけでした。
「しんぶん赤旗」威力と魅力(2)
「なぜ?」に応える国際報道 米の「二つの害悪」告発
しんぶん赤旗 2024年3月24日
ロシアによるウクライナ侵略から2年、どうしたらこの無法をやめさせることができるのか。一般紙が社説などで主張したのは、おしなべてロシア軍の撤退を求めることと、ウクライナへの軍事支援の継続を呼びかけることでした。
国連憲章守れ
これに対して「赤旗」は2月25日付3面の外信部長論評で「国連憲章を守れ」の一点で「ロシアの蛮行を止める結束を」と主張。それを妨げている米国の「二つの害悪」を明らかにしました。一つは世界を「民主主義対専制主義」のスローガンで分断したこと、もう一つはロシアの無法は非難するが、イスラエルのパレスチナ・ガザへの攻撃は擁護するという「二重基準」です。こうした視点を提示したのは「赤旗」だけでした。
ここには、「国連憲章に基づく平和の国際秩序」を一貫して求める党綱領と大会決定の立場が示されています。
(写真)ロシアのウクライナ侵略2年の外信部長論評(左)と、バイデン米大統領の一般教書演説について報じる国際面の記事
核心的な問題
7日のバイデン米大統領の一般教書演説でも、一般紙は、「トランプ氏に対決色」(「毎日」)、「バイデン氏、トランプ氏批判」(「朝日」)といった見出しで、大統領選に向けた両候補の対決に注目した記事が大半でした。
一方、「赤旗」は、同演説がガザへのイスラエルの軍事侵攻を擁護し、「即時の人道的停戦」にも触れなかったことに焦点を当てました。ここに米政権の核心的な問題があると批判したのは「赤旗」だけでした。
国民の「なぜ?」に応えて世界をどうみるかを示す、ここに「赤旗」の国際報道の魅力があります。
「しんぶん赤旗」威力と魅力(3)
一般紙も後追いする特報 自衛隊の靖国集団参拝
しんぶん赤旗 2024年3月25日
(写真)小林弘樹陸上幕僚副長ら陸自幹部が公用車を利用して靖国神社に集団参拝したことを報じた1月10日付の「赤旗」紙面
陸上自衛隊ナンバー2の小林弘樹陸上幕僚副長らが、公用車を利用して靖国神社を1月9日に集団参拝していたことを、本紙取材班は現場で確認・撮影し、特報(同10日付)しました。
取材班は参拝の直後、小林副長を直撃。同氏は自衛隊の参拝が「毎年の恒例なので」と答え、集団参拝が恒例行事となっていたことを示唆しました。
公用での参拝は憲法20条が定める政教分離の原則に反します。宗教施設への部隊や組織的な参拝を禁じた防衛省の事務次官通達(1974年)にも抵触します。
本紙の報道を受け、防衛省はこの通達に反する可能性があるとして経緯を調査。公用車使用は不適切だったとして同氏ら3人を訓戒処分としました。
本紙の特報後、「朝日」「毎日」が陸自の集団参拝について報道しました。
集団参拝は陸自だけではありません。本紙は海上自衛隊練習艦隊司令官・今野泰樹海将補と一般幹部候補生課程を修了した初級幹部ら165人が、昨年5月17日に「正式参拝した」と同神社の社報「靖国」が紹介していることを報道(2月17日付)。さらに少なくとも1998年からほぼ毎年、制服での集団参拝を続けていたと社報をもとに報じました(2月26日付)。
靖国神社は戦前、旧陸海軍両省が管理し、国民を戦争に動員する軍国主義の精神的支柱でした。現在も侵略戦争を“正義の戦争だった”と正当化しています。自衛隊の集団参拝は、侵略戦争を美化する同神社の歴史観の肯定にもつながります。
「しんぶん赤旗」威力と魅力(4)
財界・大企業優遇にメス 半導体巨額支援を告発
しんぶん赤旗 2024年3月26日
(写真)「しんぶん赤旗」1月23日付1面
岸田文雄政権は「経済安全保障の推進」の掛け声で半導体の特定大企業へ“青天井”に支援しています。日本共産党と「しんぶん赤旗」は、暮らしを守り、格差を是正する税・財政の本来の役割を掲げて大企業優遇をただしています。
半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場には1兆2000億円を補助します。「赤旗」は2月25日付で「TSMC支援 中小企業予算の7倍以上/特定企業に異常な投入」と批判しました。
現地では地下水の汚染や枯渇、交通渋滞、農業、地域経済への不安が高まっています。「赤旗」は2月21日付で熊本県党が情報と対策の公開を知事に要請したことや、「地下水を守る熊本の会」が結成されたことなどを報じています。
次世代半導体の国内量産化を目指すラピダスの北海道工場にも国は3300億円を支援します。「赤旗」は、経済産業省と米国防総省の担当者の会談で同社製品の米軍兵器への使用が検討されたことを告発(2023年9月30日付)。党道議団などと連携し、同社製半導体の軍事転用に警鐘を鳴らしました。
発がん性が指摘され、国際的に規制強化が進む有機フッ素化合物(PFAS)の半導体工場からの排出も重大です。国が929億円を補助する半導体大手キオクシアの三重県工場の排水からは、市民の調査で当時の国の暫定指針値の2・6倍のPFASを検出。「赤旗」は1月23日付で同社が調査を開始したことを報じるとともに、税金を投じる国と県の責任を追及しました。