2024年3月25日月曜日

“死に体”岸田首相の悪あがき…4月国賓訪米で「日本売り」が加速する

 日刊ゲンダイが掲題の記事を出しました。
 4月の岸田首相訪米などは殆どの国民の念頭にありません。ところが「国賓」での招待ということなので本人は大いに高揚し、それに政権浮揚をかけているということです。
 一体それがどうしたというのでしょうか。NHKなどはさぞや大騒ぎして持ち上げるかも知れませんが、物価高に打ちのめされている国民生活の実情を見れば、最早そんなことで支持率が上がることはありません。
 問題はその際に米国の歓心を買うために岸田首相が何を差し出すのかです。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏によると、事前調整で来日したキャンベル国務副長官白人の軍事同盟であるAUKUS米英豪3カ国の安全保障枠組みへの協力を求めてきたということです。
 米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは英国(アングロサクソン系)を母国として派生した国であり、英国を加えた5ヵ国は「ファイブアイズ」と呼ばれ、いわば独特の団結力を持っている国々です。
 まさかそんな根本的に場違いな同盟に参加はしないと思いますが、米国がロシアを敵国として組織した軍事同盟:NATOへの渇望!?を隠さなかった岸田氏なので、大喜びで参加してしまう可能性もあります。そうなれば歴史に残る愚挙になるでしょう。
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“死に体”岸田首相の悪あがき…4月国賓訪米で「日本売り」が加速する
                          日刊ゲンダイ 2024/03/24
 自民党の裏金事件で国民に見放された岸田首相が政権浮揚をかけるのが4月の訪米だ。米国隷従だった安倍元首相が受けた「国賓級」を超える「国賓」での招待に、高ぶっているのは想像に難くない。前回は訪米直前に安保関連3文書を改定し、防衛費倍増を手土産に向かった。死に体となった今、政権にお墨付きを与えてくれる米国にどこまで差し出すか分かったもんじゃない
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 岸田首相の訪米日程は4月9~14日。10日はバイデン大統領との日米首脳会談がセットされている。11日にはフィリピンのマルコス大統領が加わり、初の日米比首脳会談が行われる予定だ。
 東・南シナ海で覇権主義的な行動を強める中国を念頭に、海洋安全保障を含めた防衛分野での連携強化を協議するという。中国や北朝鮮をにらんだ日米韓の結束に続く動きだ。米国を盟主とするインド太平洋地域の軍事同盟にズルズルと引きずり込まれようとしているのである。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう指摘する。
「日米比首脳会談の事前調整で来日したキャンベル国務副長官が、いわゆる白人の軍事同盟であるAUKUS(オーカス=米英豪3カ国の安全保障枠組み)への協力をあけっぴろげに求めてきたのにはア然です。共通の価値観を土台とするQUAD(クアッド=日米豪印4カ国による協力枠組み)とは質が全く異なりますし、伝統的に非同盟・全方位外交を貫き『NO』と言えるインドがいる限り、米国の思い通りにはならないからです。AUKUSの枠組みにおいては、日米同盟は劣後となるリスクもあります」

倒錯で9条改憲
 そうでなくても、岸田首相は手土産の準備に余念がない。米国のお眼鏡にかなうよう武器輸出ルールの緩和を進め、武器購入の予算面の歯止めも取っ払おうとしている。連立を組む公明党が難色を示していた防衛装備移転三原則の骨抜きは、26日に閣議決定する見通し。武器購入に関する長期契約恒久化法案は19日に衆院を通過。米国製などの高額兵器を最長10年ローンで購入することを永続的に認める内容だ。防衛費増加の目くらましである。
このまま突っ走れば、憲法9条を改憲しなければつじつまが合わない倒錯に陥ってしまう。岸田政権はふらふらではありますが、かといって野党が支持を高めているわけでもない。政権交代前夜の2008年ごろの野党支持率は合わせて2割を超えましたが、足元では1割前後でしかない。岸田政権にとって脅威となっていないのも大問題です」(五野井郁夫氏)

 岸田首相は11日に米連邦議会上下両院合同会議で演説する予定で、日本の首相として初めてスピーチした安倍元首相に次いで2人目となる。安倍元首相は「希望の同盟へ」と題した演説で「自衛隊と米軍の協力関係を強化する」と2回も口にし、国会提出前の安保法制について「この夏までに成就する」と“国際公約”。米国にすり寄った。岸田首相が前のめりで臨むのは間違いない

 帰国直後の16日に衆院3補選が告示される(28日投開票)。売国を成果とすり替える大ボラにだまされてはいけない。