2024年3月2日土曜日

ビキニ環礁水爆被災70年 3・1ビキニデー原水協全国集会に1000人

 1954年3月1日、ビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で、現地島民や周辺海域で操業していた日本の多くの漁船が被爆したビキニ被災事件から1日で70年になります。

 被爆で亡くなった久保山愛吉さんが乗っていた第五福竜丸以外にも沢山の被災がありましたが、日本では何故かそれらは隠蔽されたままになっていて、被災の全容解明と被害者救済が急がれます。
 2月28日から核兵器廃絶を訴える「3・1ビキニデー」の諸行事が静岡市内で始まり29日には「3・1ビキニデー原水爆禁止日本協議会全国集会・全体集会」が静岡市とオンラインを結んで開かれました。全国から約1000人が参加しました。
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きょうビキニ水爆被災70年
                        しんぶん赤旗 2024年3月1日
 南太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験によるビキニ被災事件から1日で70年。事件を機に、日本国民は原水爆禁止を求めて立ち上がり、以来、世界の人びとや非核保有国の政府と連帯して世論と運動を広げ、核兵器禁止条約を発効させました。
 1954年3月1日未明のブラボー水爆実験で、現地島民や周辺海域で操業していた日本の多くの漁船が被ばくしました。第五福竜丸の無線長、久保山愛吉さんが犠牲となったことに国民の怒りが広がり、原水爆禁止運動が発展。一方、第五福竜丸以外の船舶の被ばくは隠蔽(いんぺい)され、被災者は放置されたまま。被災の全容解明と被害者救済が急がれます。
 原水爆禁止日本協議会は、日本政府に禁止条約の参加を求める「非核日本キャンペーン」に取り組みます。

3・1ビキニデー 原水協集会開く 
核兵器ない世界ただちに 
 「ストップ戦争、核兵器のない世界をただちに」「大軍拡・戦争国家づくりNO、日本政府は核兵器禁止条約に参加を」などをテーマに29日、3・1ビキニデー原水爆禁止日本協議会全国集会・全体集会が静岡市とオンラインを結んで開かれました。全国から約1000人が参加しました
 主催者あいさつした全国商工団体連合会の太田義郎会長は「3・1ビキニデーは反核・平和運動の原点であり、禁止条約へとつながっている」と指摘し「わが国が核兵器禁止条約に署名しなくていいのか」と訴えました。
 日本原水協の安井正和事務局長は基調報告で、日本の禁止条約参加を求める圧倒的な世論を草の根から築こうと語り、「非核日本キャンペーンに踏み出そう」と呼ぴかけました。
 日本政府に禁止条約への参加を求める署名の共同よぴかけ人から、上智大学の中野晃一教授と東京都杉並区の岸本聡子区長が連帯あいさつしました。
 オーストリアのアレクサンダー・クメント大使はメッセージで「禁止条約は貴重で欠くことのできない『一条の希望の光』」と強調。米国、リトアニアの団体代表が発言しました。
 石川・能登半島地震の被災地から訴え。禁止条約第2回締約国会議に参加した日本共産党の笠井亮衆院議員と、れいわ新選組の櫛淵万里衆院議員が、青年と語り合いました。日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳代表黍員がビキニ被災当時の署名活働の経験を語り、「非核日本キャンペーン」成功に向け運動を交流しました。


ビキニ 隠された被害 静岡 70年シンポで告発
                       しんぶん赤旗 2024年2月29日
 米国が南太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験の被災から70年を前にした28日、核兵器廃絶を訴える「3・1ビキニデー」の諸行事が静岡市内で始まりました。初日は「ビキニ水爆被災70年シンポジウム」が開かれ、被害の全容解明と被害者救済、被害根絶をテーマに報告が行われました。
 原水爆禁止日本協議会事務局長の安井正和さんは開会あいさつで、被害の全容解明と被害者救済、核兵器廃絶の世論喚起の機会にしようと呼びかけました。
 奈良大学教授の高橋博子さんは、日本政府が米国に対し、ビキニ事件の決着と日本の戦犯解放を取引し、その文書を隠し続けていると告発。核兵器廃絶を世界中に訴えるのが日本政府の役割だとして、核被害の事実を明らかにさせようと訴えました。
 高知のビキニ被ばく船員訴訟を支援する会の橋元陽一さんは、被災船員は「70年間、国に見捨てられてきた」と主張し、現在も続く裁判のたたかいを報告しました。
 マーシャル諸島共和国元上院議員でロンゲラップ島民代表のアバッカ・アンジャイン・マディソンさんは、島民はいまだ島に帰れず、存命の被災者は10人を切ったと発言。「私たちの物語は将来に語り継がれなければならない」として、教育の重要性を訴えました。
 原水爆禁止世界大会実行委員会運営委員会共同代表の野口邦和さんは、ビキニ事件を受け日本各地で巻き起こった怒りが、全国的な原水爆禁止署名運動に発展した経過を語りました。
 ビキニ事件当時、汚染マグロが水揚げされた港がある静岡、宮城、神奈川、千葉、和歌山から関連報告がありました。
 主催は原水爆禁止世界大会実行委員会です。