2024年3月16日土曜日

ガザ食料配給施設を攻撃 イスラエル軍の国際法違反が常態化

 悪逆にして獰猛と言うしかないイスラエル軍は、ガザの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の食料配給施設を攻撃し職員を殺害しました。
 UNRWAによると、昨年10月の戦闘開始以降、150以上の施設が攻撃され、少なくとも職員165人が殺害されました。イスラエルに拘束され、虐待された職員もいるということです。
 ラザリニ事務局長は「攻撃は食料が底をつき、飢餓が広がり、飢饉となっている地域もあるなかで行われた」と指摘した上で「国連とその人員、敷地、資産は常に保護されなければならない」と述べ、「国際人道法をあからさまに無視した国連施設、筆列、人員への攻撃が常態化している」と批判しました。
 同は支援物資を待つ住民も標的にしていて、12日夕も北部ガザ市で物資到着を待って集まった人ぴとに発砲して6人を殺害し少なくとも83人を負傷させました。

 人権団体など25のNGOは12日、イスラエルヘの米国の軍事支援に「深い懸念」を表明し、「ガザでの人道大惨事への支持をやめよ」と求め共同書簡バイデン大統領に送りました。そして米国の対外援助法は、米国の人道支援をその政府が妨害していると認識した時点で米国が軍事援助を行うことを禁じているとして、イスラエルへの援助が法令違反であると指摘しました。

 南米チリの法律家620人が11日、イスラエル「人道に反する重大犯罪、戦争犯罪、ジェノサイド罪」を犯していると主張し、ネタニヤフ首相、ガラント国防相、軍幹部の逮捕状の発行を国際刑事裁判所要請しました。

 米国サンフランシスコ国際空港で13日、ガザ地区での恒久的な停戦を求めて市民数百人が「自国の政府が残虐行為の共犯者になっている時に黙ってはいられない」として、「今こそ恒久的な停戦を」「来国はイスラエルヘの武器売却をやめろ」などと書いたプラカードや横断幕を掲げました,

 しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
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ガザ食料配給施設を攻撃 イスラエル軍 国際法違反が常態化
                     しんぶん赤旗 2024年3月15日
【カイロ=秋山豊】パレスチナ自治区ガザで人道支援の中核を担っている国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は13日、南部ラファで食料と救命物資を保管する施設がイスラエル軍に攻撃されたと発表し、繰り返される国際人道法違反を批判しました。

 少なくとも職員1人を含む5人が死亡し、22人が負傷しました。SNSに投稿された動画には、ガザに残る数少ないUNRWAの食料配給施設の床に血が広がる状況が映し出されています。イスラエル軍はイスラム組織ハマスの司令官を殺害したと主張しました。
 ガザはイスラエルの軍事攻撃と封鎖で食料をはじめ住民の死活に関わる物資が圧倒的に不足し、人道的大惨事に陥っています
 UNRWAのラザリニ事務局長は「攻撃は食料が底をつき、飢餓が広がり、飢饉(ききん)となっている地域もあるなかで行われた」と指摘した上で「国連とその人員、敷地、資産は常に保護されなければならない」と述べ、「国際人道法をあからさまに無視した国連施設、筆列、人員への攻撃が常態化している」と批判しました。
 UNRWAによると、昨年10月の戦闘開始以降、150以上の施設が攻撃され、少なくとも職員165人が殺害されましたイスラエルに拘束され、虐待された職員もいると伝えられます。
 同は支援物資を待つ住民も標的にしています。パレスチナ通信によると12日夕も北部ガザ市で物資到着を待って集まった人ぴとに発砲して6人を殺害し、少なくとも83人を負傷させました
 イスラエルはハマスによる昨年10月の奇襲にUNRWA職員が関与したと主張。米国や日本などが資金拠出を停止し、UNRWAの人道活動が危機に陥っています。
 イスラエルのネタニヤフ首相は13日、オランダのルッテ首相と会談してガザからUNRWAを排除する意思を示し、オランダの資金拠出停止に謝意を述べました。


イスラエル支援は違法 25人権団体ら米大統領に書簡
                     しんぶん赤旗 2024年3月15日
【ワシントン=石黒みずほ」イスラエルがパレスチナ自治区ガザヘの支援物資の搬入を制限・遮断している問題をめぐり、米人権団体など25のNGOは12日、バイデン米大統領に対し共同書簡を送りました。NGOは、イスラエルヘの米国の軍事支援に「深い懸念」を表明し、「ガザでの人道大惨事への支持をやめよ」と求めました
 書簡は、他国に軍事支援を行う米国の対外援助法について、米国の人道支援をその政府が妨害していると認識した時点で、米国が軍事援助を行うことを禁じていると指摘しました。現在、深刻な食料不足の状態にあるガザに対し、米軍が空中からの支援物資を投下し、バイデン大統領が一般教書演説(7日)で、食料や医薬品などを遅ぶ輸送蛤を受け入れる仮設桟橋の設置を米軍に指示したことに言及。これらの措置は、人道団体が訴えてきた通り、イスラエル政府が人道支援を妨害し、パレスチナ人を飢えさせていることを「公に認めいるものだ」と表明しまた。また米国の支援物資が遮断され、米国NGOのスタッフも攻撃で犠牲になっていることもあげ、イスラエルヘの軍事支援は同法に「明らかに違反」していると述べました。
 書簡には、米アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウッチ、米オックスファム、クインシー研究所などが名を連ねています。

 戦闘参加の国民に「帰時逮捕」明言 南ア外相
 南アフリカ共和国のパンドール外相は10日にプレトリアで与党アフリカ民族会議(ANC)が開いたパレスチナ連帯の会合で演説し、イスラエル軍に入隊して戦闘任務に就いている南アフリカ国民に対して、「われわれは用意ができている。帰国すれば、あなた方を逮捕する」と述べました。
 南アフリカは昨年12月に、国際司法裁判所(ICJ)に対し、イスラエルによるガザ攻撃がジェノサイド(集団殺害)条約違反だと心て提訴。それに先立ち、政府は、南アフリカとイスラエルの二重国籍者がイスラエル軍に入隊するか、入隊を検討しているとの報道を受けて、「このような行動は、国際法の違反や、さらなる国際犯罪を実行することになるため、南アで訴追を受ける可能性がある」と警告。南アフリカに帰化して国籍を取得した市民が、「南アが支持や同意できない」戦争に参加した場合には、国籍をはく奪する可能性があるとしていました。
 パンドール外相は演説の中で、参加者がそれぞれパレスチナと連帯する行動に立ち上がるよう呼ぴかけ。その一例として、エルアル・イスラエル航空に乗るのをやめることを挙げました。


イスラエル首相らを告訴 I CCにチリ法律家620人逮捕要請も
                     しんぶん赤旗 2024年3月15日
 南米チリの法律家620人が、パレスチナ自治区ガザで攻撃を続けるイスラエルのネタニヤフ首相らをジェノサイド(集団殺害)の罪で訴え、逮捕を求める告発状を国際刑事裁判所 I CC)に提出しまレだ。スペインメディアなどが13日報じました。
 報道によると、共同の告発状には、弁護士、外交官、国会議員らが名を連ねました。ネルソン・ハダド元駐ヨルダン大使ら代表者が11日、オランダ・ハーグのICC本部に告発状を直接提出しました。
 告発状は、ガザやヨルダン川西岸など占領地でのイスラエルの行動について、「人道に反する重大犯罪、戦争犯罪、ジェノサイド罪」を犯していると主張し、ネタニヤフ首相、ガラント国防相、軍幹部の逮捕状の発行を要請しています。
 ハダド氏は13日、メディアの取材に対し、ガザで行われているのは「非人道的で下劣な、残酷でいまわしい犯罪」であり、「無処罰であってはなない」と強調。イスラエルの基本的な目標は「全体であれ一部であれ、住民を一掃すること」、「自決権を持つ(パレスチナの)人々の民族的アイデンティティーを破壊することだ」と非難しました。
 ハダド氏はまた、昨年12月の国連総会では153カ国が即時の人道的停戦を求める決議に賛成したことに言及。決議に反対し、国連安保理の即時停戦決議案にも拒否権を行使した米国の態度を「不当だ」と指摘しました。
 チリには、パレスチナ系住民が50万人近く居住しているといわれます。ポリッチ政権はイスラエルのガザ攻撃を厳しく批判し、1月にはメキシコと共にCCに国際人道法違反の捜査を正式に要請。また、4月に首都サンティアゴで開催される国際航空宇宙フェアにイスラエルの軍事企業の参加を認めない決定を行っています


黙っていられない 米サンフランシスコ ガザ停戦行動
                     しんぶん赤旗 2024年3月15日
 【ワシントン=島田峰隆】米西部カリフォルニア州のサンフランシスコ国際空港で13日、イスラエルが軍事侵攻を続けるパレスチナのガザ地区での恒久的な停戦を求めて市民数百人が宣伝行動に取り組みました,米メディアによると、市民らは空港の入り口やターミナルに集まり、「今こそ恒久的な停戦を」「来国はイスラエルヘの武器売却をやめろ」などと書いたプラカードや横断幕を掲げました。
 参加者の一人はABCテレビに対し「イスラエルがガザに対して行う戦争を世界は非難しているのに、米国の政治家は戦争を激化させ、ジェノサイド(集団殺害)に資金を出している」とバイデン政権を批判。「自国の政府が残虐行為の共犯者になっている時に黙ってはいられない。永続する停戦が必要だ」と語りました