東京大空襲から69年の10日、東京の下町地域では各地で平和を願う催しが開かれました。
墨田区役所では、区民と全国から寄せられた折り鶴約9万羽を使って、区出身の浮世絵師、葛飾北斎の「赤富士」を描いた巨大壁画が披露されました。
墨田区の東京スカイツリーは10日夜、鎮魂の思いを込めて白色にライトアップされました。
台東区の隅田公園では、東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会の追悼集会があり、約140人が参加しました。
また江戸川区では、犠牲者追悼式が開かれたほか、焼け残った区の旧文書庫が一般公開されました。
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大空襲69年「忘れない」 各地で追悼行事
東京新聞 2014年3月11日
東京大空襲から六十九年となる十日、大きな被害を受けた東京の下町地域では各地で平和を願う催しが開かれた。墨田区役所では、区民と全国から寄せられた折り鶴約九万羽を使って、区出身の浮世絵師、葛飾北斎の「赤富士」を描いた巨大壁画が披露された。
壁画は縦一三・四メートル、横七・五メートルの大きさ。この日は壁画前で、新日本フィルハーモニー交響楽団が「花」などを演奏し、百五十人が聞き入った。
壁画の展示場には、落語家の初代林家三平さん(故人)の妻で墨田区生まれのエッセイスト海老名香葉子さんや、名誉区民でプロ野球ソフトバンクホークス元監督の王貞治さんらのメッセージも並べられた。メッセージの展示は二十日まで。
また、台東区の隅田公園では、東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会の追悼集会があり、約百三十人が参加。江戸川区では、犠牲者追悼式が開かれたほか、焼け残った区の旧文書庫が一般公開された。
墨田区の東京スカイツリーは十日夜、鎮魂の思いを込めて白色にライトアップされた。 (奥野斐)
悲劇風化させない 東京大空襲69年追悼集会 台東区
戦争しない9条守る
しんぶん赤旗 2014年3月11日
1945年の東京大空襲から69年の10日、犠牲者を追悼する集会が台東区の隅田公園にある追悼碑の前で開かれ、約140人が出席しました。主催は東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会で、同区も共催しました。
小池副委員長が出席しあいさつ
川杉元延実行委員長は大空襲の時、言問橋で避難する人がひしめく上を業火が走り、多くの人が一瞬のうちに焼け死んだと紹介。「二度と戦争をしないため憲法9条を守り、世界に輝かせたい。戦争の残虐さ、悲劇を風化させず後世に伝えるため活動を続けたい」と語りました。
樋口清秀区教育委員長は「父は海軍を志願し、出撃命令を受けていた。終戦が1日遅かったら私の存在自体なかった。この悲劇を絶対忘れてはならないし、子や孫たちに絶対に伝えていきたい」とあいさつしました。
東京大空襲を体験した男性2人が証言。文京区の男性(75)は、兄と2人で言問橋の下に逃げたとして、「夜が明けると、まわりの人たちはほとんど亡くなっていた。隅田公園にも累々と遺体があった」と振り返りました。
日本共産党の小池晃副委員長・参院議員と台東区議団が出席しました。小池氏は「あの惨禍を伝えるため全力を尽くす」と強調。安倍首相が解釈改憲で集団的自衛権の行使容認に踏み出そうとしていることを批判し「憲法9条を守り、解釈改憲の無法を許さないため全力で頑張り、犠牲者の心にこたえたい」と表明しました。