2014年3月20日木曜日

官邸がテレビニュースや番組に露骨に介入

 NHKのニュースは、籾井新会長が就任して以来野党の質問より安倍首相の答弁の時間が圧倒的に長くなり、なかには首相の答弁だけで構成されていた日もあるということです。
 民放も同様で、安倍政権側の言い分をストレートに垂れ流すことが多くなったといわれます。
 それは数字がちょっとでも違ったり、首相の発言のニュアンスの微妙な違いだけでも、「そういう言い方はしていないか、「なんでこの部分をカットしたのか」などと官邸サイドからクレームが入るからということです政権によるマスメディアの締め付けは以前からありましたが、ここまで露骨に介入してくるのは安倍政権が初めてではないでしょうか。まことに異常な政権です。
 
 この4月の番組改編でも反安倍政権の論客たちが番組から去ります。
 テレビ朝日系ワイド!スクランブル」のコメンテーターの古賀茂明氏(元官僚)なかにし礼氏や、ニュース番組コメンテーターの森永卓郎氏(経済評論家)などです。
 
 過去、電通などを通じてTV等への出演を拒否された反政府系の論客たちには、古くは森田実氏、植草一秀氏など少し前には鳥越俊太郎氏山本太郎氏(現参院議員)どがいます。
 こうして政府批判をする人たちが、次々と表舞台から去らされました。これでは言論の自由は死語に等しく、北朝鮮の体制と変わりがありません。
 
 政府やその意向を受けた広告業者(電通など)からの圧力に直ぐに屈していしまうメディアの姿勢も問題ですが、政府批判者のTV界などへの登場を禁止してしまうのは、政権による言論統制にほかなりません。憲法の保障している言論の自由の侵害です。
 マスメディアには団結して抵抗して欲しいものですが、世界にも例のない「記者クラブ」を作って裏で政府・官僚と癒着している彼らに、それを期待するのは無理なのかも知れません。
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反安倍首相の論客が干される TV局が官邸の監視にビビる現状
NEWSポストセブン 2014年3月18日
週刊ポスト2014年3月28日号 
 NHKについては、安倍晋三首相肝いりで籾井勝人・新会長が就任以来、番組内容が政権寄りに偏っていることが取り沙汰されてきた。最近のニュースでは、野党の質問より安倍首相の答弁の時間が圧倒的に長いのが定番化しており、なかには首相の答弁だけで構成されていた日もあった。
 森喜朗・元首相が浅田真央選手について「あの娘、大事な時には必ず転ぶんですよね」と発言したことをNHKだけが取り上げようとしなかったりといった、放送内容をめぐる「異変」も起きている。
 
 NHKが着実に「安倍色」に染まりつつあるなか、実は他の民放でも官邸の影響力は強まっている。その証拠に、ニュース番組やワイドショーから、反安倍派のコメンテーターが次々と外されているのだ。
 「テレビ朝日系『ワイド!スクランブル』では、この4月、古賀茂明氏やなかにし礼氏などの反安倍派の論客がレギュラーから外されることになった」(テレ朝関係者)
 古賀氏を直撃すると、「外されたのは事実だが、出演者は全員見直しだと聞いている」とのことだった。政府の原発再稼働などに反対する古賀氏のレギュラー出演は、関西ローカルの朝日放送だけになる。
 
 反安倍的な主張によってニュース番組から外された人はほかにもいる。経済アナリストの森永卓郎氏もそのひとりだ。
 「一部で、『森永卓郎はビビッてニュースやワイドショーに出ない』という指摘が出ていたんですが、それは事実ではなく、テレビの方が使ってくれないということなんです。バラエティ番組には出ているので、露出は減っていないのですが、間違いなく、ニュースやワイドショーには使ってもらえなくなっている。
 例えば今後の景気について私は、『4月から奈落の底になる』とずっと言い続けてきました。が、そうした見解は、テレビは一切取り上げてくれない。放送されているのを見ると、ベアが次々に行なわれているので、景気も明るい兆しが出ているというふうな内容にしたがっていることがよく分かります。
 
 結局、はっきりモノを言う人間を使わなくなったのでしょう。その結果、当たり障りのない人がコメンテーターに選ばれるようになったわけです」
 いまやどの番組を見ても、NHK同様、安倍政権側の言い分をストレートに垂れ流すだけ。しかし、それには事情があった。
 「数字がちょっとでも違ったり、首相の発言のニュアンスの微妙な違いだけでも『そういう言い方はしていない』と官邸サイドからクレームが入る。首相本人が話しているVTRでも、『なんでこの部分をカットしたのか』とまでいってくることも」(民放ディレクター)
 安倍官邸の監視の目にテレビ局側がビビッているわけだ。