自民党が各都道府県連に、憲法改正の早期実現を求める意見書を地方議会で採択するよう文書で要請していて、富山、香川、愛媛の各県議会などが意見書を可決しているなかで、長野県では県内77市町村議会のうち、計23議会が集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈の変更に反対する意見書を可決したことが分かりました。
また、特定秘密保護法の廃止を求める意見書を可決した市町村議会も、16に増加しました。
安倍政権の政治姿勢に対する地方議会の懸念が強まっているわけで、自民党の戦略に対抗する意味でも、こうした議会の意思表示は重要です。
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集団的自衛権めぐる憲法解釈変更 県内23議会、反対意見書
信濃毎日新聞 2014年3月27日
県内77市町村議会のうち、23議会が集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈の変更に反対する意見書を、3月定例会などで可決したことが26日、信濃毎日新聞の取材で分かった。一方、特定秘密保護法の廃止を求める意見書を可決した市町村議会も、昨年12月20日時点で本紙がまとめた7から16に増加。安倍政権の政治姿勢に対する地方議会の懸念が強まっていることが浮き彫りになった。
下伊那郡阿智村議会は26日、集団的自衛権に関する憲法解釈を変更しないよう求める意見書を可決した。「その時々の政府の判断で閣議決定により解釈を変更することはあってはならない」と厳しく指摘。強引な解釈変更は「国会のあり方をも形骸化させる」などと訴えた。
同村議会と同様の意見書を可決したのは、ほかに中野市、佐久市、南佐久郡小海町、小県郡長和町、諏訪郡下諏訪町、富士見町など22議会。このほか、東筑摩郡生坂村と北安曇郡松川村の両議会は解釈変更に慎重な協議や審議を求める意見書を可決し、同郡池田町議会は解釈変更に反対する請願を趣旨採択している。
解釈変更に反対する請願や陳情を継続審査とし、対応を決めていないのは長野市や駒ケ根市など11市町村議会。解釈変更に反対する意見書を否決したのは松本市など5市村議会。請願や陳情を採択しなかったのは岡谷市、小諸市、大町市など8市町村議会。県議会は昨年の9月定例会で、集団的自衛権の行使に関する意見書を否決している。集団的自衛権行使に関して、意見書可決などの対応をしていないのは27議会。
一方、昨年末以降、中野市、佐久市など9市町村議会が新たに特定秘密保護法の廃止を求める意見書を可決した。それぞれ十分な審議がなく強行採決が行われたと批判しているほか、「国民の知る権利や言論の自由など、民主主義の根幹を揺るがす」(佐久市議会)などと同法の問題点を指摘している。
同法の慎重な運用を求める意見書を可決するなどした議会を合わせると、同法そのものや運用などに懸念を示したのは、県議会と53市町村議会に上る。