2014年10月12日日曜日

「9条に平和賞を」実行委が記者会見

 今年のノーベル平和賞委員会は、女性や子どもの抑圧に立ち向かい彼らの権利を訴えてきたインドのカイラシュ・サトヤルティさんと、パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴えていたマララ・ユスフザイさんの二人に決まりました。ガンジーにならうサトヤルティさんとマララさんの命懸けの活動に敬意を表し心から祝福したいと思います。
 
 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会の共同代表の石垣さん、鷹巣さんらは、10日に記者会見を行い、賛同署名は44万筆を超え、その7割以上が7月の閣議決定以降のもので、国民の危機感を表していると報告しました。
 そして「九条の存在を知らしめることができた」とし、「日本国憲法の理念を世界中で共有するため」、心新たに今後もこの運動を継続していくと述べました。
               ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ノーベル平和賞「9条、知らしめた」 
 東京新聞 2014年10月11日
 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・相模原市)が推薦した、「憲法九条を保持している日本国民」は十日、受賞を逃した。ただ、安倍政権が集団的自衛権行使を容認する閣議決定をした七月以降、取り組みに賛同する署名の数は急増。十日現在で四十四万筆を超えた。実行委は「日本国憲法の理念を世界中で共有するため、心新たに運動を続けていく」とあらためて誓った。 (寺岡秀樹、小沢慧一)
 
 十日の会見で、共同代表の石垣義昭さん(73)=相模原市=は「九条の存在を知らしめることができた」と、活動の意義に言及。安倍政権の動きについて「九条の不戦の誓いが徐々に崩されている。改憲から国民が憲法を守りきったとき、平和賞に値すると認められる」と述べ、道半ばであることを強調した。
 活動を発案した主婦鷹巣直美さん(37)=座間市=はマイクを両手で握り締めながら「一歩でも二歩でも戦争がなくなるよう、世界中の人がそれぞれの立場で考え、平和を願う大きな力にしてもらいたい」とひと言ひと言に力を込めた。
 
 四十四万筆以上の署名の実に七割以上は、七月の閣議決定以降のもの。共同代表の落合正行さん(81)=座間市=は「国民の危機感の表れと感じた」と受け止めていた。署名に添えられた文章には、震える文字で「過去の戦争を思い出し、最近は不安な気持ちだ。九条を世界の人に理解してもらいたい」と書かれたものがあった。
 
 平和賞の候補になったことで集団的自衛権行使に正面から反対を訴える「声」の存在が世界に広まった。山口大副学長の纐纈(こうけつ)厚教授(政治学)は「安倍晋三首相の『積極的平和主義』とは異なる本物の平和主義が日本にあることや、平和憲法の存在を国際社会に知らしめることができた。集団的自衛権の行使容認や、日米軍事共同体制の強化を進め、軍事的緊張を高めつつある政権への大きなけん制になるだろう」と述べた。