日本世論調査会が9月末に行った全国面接世論調査で、来年10月に予定されている消費税率10%への再増税に反対する人が72%に上り、賛成の25%を大きく上回りました。
税率8%への増税が決まる直前の昨年9月に実施した共同通信社の電話世論調査では、賛否がほぼ並んでいたということで、それに比べると再増税への反対論は格段に広がりました。
消費税は生活に余裕のない人たちからでもいくらでも徴税できる、悪魔の法制といわれています。従ってその税率を上げるときには、そうしないと国が大変なことになるからと必ず言いますが、財政再建などは単なる口実であって一旦実施されればその分法人税率を下げるのが常で、その一方で放漫な国家予算を切り詰めるようなことは決して行いません。この調子で行けばいずれは消費税率は20数%まで上がりかねません。国民が反対するのは当然のことです。
法人税率は勿論のこと、下げ続けてきた所得税の累進課税率をこそ見直すべきでしょう。
その他の項目では、日本経済の先行きに対する不安を「大いに感じている」「ある程度感じている」とした人が合わせて89%、原発の再稼働に関しては反対が61%(賛成は34%)などでした。
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消費税再増税反対72% 「12月の判断先送りを」
東京新聞 2014年10月5日
本社加盟の日本世論調査会が九月二十七、二十八日に実施した全国面接世論調査で、来年十月に予定されている消費税率10%への再増税に反対する人が72%に上り、賛成の25%を大きく上回ったことが分かった。安倍晋三首相は予定通り再増税するかどうかをことし十二月に決めるが、景気に配慮して判断時期を先送りするよう求める声も出ている。
四月に税率が8%に上がった後、家計のやりくりが厳しくなったと感じている人は「ある程度感じている」を含めて82%に達した。財政再建の必要性に一定の理解を示す意見もあるが、再増税でさらに負担が増すことへの懸念が強い。
税率8%への増税が決まる直前の昨年九月に実施した共同通信社の電話世論調査では、賛否がほぼ並んでいた。これと比べて再増税への反対論は広がっており、消費低迷も続く中、首相は難しい判断を迫られている。
再増税に反対するのは、男性が68%だったのに対し女性は77%で、主婦などが家計の厳しさをより強く感じているようだ。大都市よりも小都市や郡部で反対が多いとの傾向も出ている。
反対する理由は「低所得者の負担が重くなり過ぎる」が49%で最も多く、「景気に悪影響を与える」が19%で続いた。賛成する理由は「年金・医療などの社会保障制度を維持するため」が52%と最も多かった。
反対した人に政府がどうするべきか聞くと「十二月には判断せず、景気動向を見極める」が46%で最多だった。一方「再増税は実施しない」は26%にとどまり、将来的な再増税の必要性を感じている人も多いようだ。
四月の増税前と比べて「消費を控えている」と答えた人は41%だった。再増税時の負担軽減策では、生活必需品の消費税率を低くする「軽減税率」の導入が60%でトップだった。
日本経済の先行きに対する不安を「大いに感じている」「ある程度感じている」とした人は計89%に上る。その理由は「少子化と人口減少が進む」が53%を占めた。
原発の再稼働に関しては賛成が34%、反対は61%だった。
環太平洋連携協定(TPP)交渉で政府が年内の大筋合意を目指していることに対しては、「妥当」との見方と「急ぎ過ぎ」との意見が拮抗(きっこう)している。
【注】小数点一位を四捨五入した。