2014年10月23日木曜日

貿易赤字5.4兆円に 上半期では過去最大

 財務省が22日発表した2014年度上半期の貿易統計によると、貿易収支は4271億円の赤字で、1979年以降、上半期としては過去最大の赤字額となりました
 
 輸出は前年同期比1・7%増で、自動車はじめ製造業が生産拠点を海外に移しているため円安誘導だけでは輸出の増加につながりにくくなっています。
 その一方で、輸入は、円安でLNGの輸入額が8・7%えるなどしたために全体で2・5%増えました
 
 金融緩和で円安を呼び込み輸出を拡大させようとした安倍晋三政権の経済政策の誤算が鮮明になりました
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貿易赤字5.4兆円 上半期で過去最大 14年度
東京新聞 2014年10月22日
 財務省が二十二日発表した二〇一四年度上半期の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は五兆四千二百七十一億円の赤字だった。統計で比較可能な一九七九年以降、上半期としては過去最大の赤字額となった。原材料や燃料の輸入が円安のために金額面で大きく膨らんだ半面、輸出が想定より伸び悩んだことなどが影響した。
 
 日銀の大規模な金融緩和で円安を呼び込み、輸出を拡大させようとした安倍晋三政権の経済政策の誤算が鮮明になった。
 輸出は前年同期比1・7%増の三十五兆八千九百六十九億円。半期ベースで三期連続で増加したが緩やかな伸びにとどまった。自動車が2・6%増。米国向けの自動車は8・9%減だった。自動車はじめ製造業が生産拠点を海外に移しており、円安誘導だけでは輸出の増加につながりにくくなっている。
 一方、輸入は2・5%増の四十一兆三千二百四十億円で九期連続で増加した。豪州などからの液化天然ガス(LNG)の輸入額が8・7%増。LNGの輸入数量は3・7%増だったが、円安で金額が膨らんだ。
 国別では、米国向け輸出が0・1%減の六兆五千五百四億円で、半期ベースで六期ぶりに減少に転じた。
 
 同時に発表した一四年九月の貿易収支は九千五百八十三億円の赤字だった。貿易赤字は二十七カ月連続で、戦後最長の連続赤字を更新した。
 
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