2014年10月5日日曜日

円安による物価上昇が急ピッチ そして増税

 アベノミクスによる急激な円安により、物価が急上昇しています。
 9月中旬の東京都の食料品の上昇率は下表のとおりです。(日刊ゲンダイ3日付)



 物価上昇の最大の理由は急ピッチで進む円安で、電気代やガソリン代・灯油代などが跳ね上がったためです。
 円安はいま1ドル110円近くまで進み、「110円までは、円安による輸入資材などの値上がり分を、企業が負担するケースが多かったが、110円を超えると、価格転嫁せざるを得なくなる」ということで、これからも雪崩を打って物価の値上げが進むものと見られています。
 
 政府は円安にはプラスもマイナスもある」というだけで、庶民の生活からは完全に遊離しています。消費税率10%への「増税を中止する」という声も聞かれません。
 
 円安に連動する株高の恩恵を受ける一部の富裕層や、輸出で大儲けをした上に消費税分の戻し(戻し税)を受けられる大企業は別にして、一般庶民には「家計の破綻」が約束されています。
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円安&増税のWパンチ…家計負担「年34万円増」の驚愕試算 
日刊ゲンダイ 2014年10月3日
 秋の値上げラッシュが始まった。1日、スターバックスは10円程度、「餃子の王将」はメニューの大半で5~10%値上げに踏み切っている。「十勝のむヨーグルト」は6~12円アップだ。
 10月以前にも牛乳やチーズ、ハム、かまぼこ、小麦粉、バターなど食料品が相次いで値上がりしている。
 
 総務省が9月26日に公表した東京都区部の9月消費者物価指数(中旬速報値)は、前年同月比で2・9%の上昇だった。物価上昇の最大の理由は、急ピッチで進む円安だ。電気代やガソリン代は跳ね上がり、漁船の燃料費も高騰。たこ(上昇率22.8%)、さけ(同18.2%)、えび(同17.9%)など軒並み値上がりした(別表参照)。
 
 円相場は、きのう一時、1ドル=110円台に乗せた。「節目を突破したことで、この先、円安に歯止めが利かなくなる」(市場関係者)という見方も台頭してきた。
 「次の節目は110.64円で、その次は111.60円です。こうした水準を簡単に超え、流れが変わらないようだと、大きな節目である120・10円を目指すことになるでしょう」(マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリスト)
 
 120円という水準は、これまでの円安とケタ違いの物価上昇をもたらすという。
 
 「110円までは、円安による輸入資材などの値上がり分を、企業が負担するケースが多かった。ところが、110円を超えると、価格転嫁せざるを得なくなるでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)
 
 日本商工会議所が9月中旬に実施した「経営上望ましい為替水準」によると、「1ドル=100~105円未満」が38.8%と最多だった。「110~115円未満」は2.5%、「115~120円未満」は1.6%に過ぎない。企業経営にとって110円がギリギリの円安ラインだということが分かる。
 何とか円安によるコスト高を自社で吸収してきた多くの企業が、110円超えをきっかけに、雪崩を打って値上げ表明する可能性が高いのだ。
 
 一方、サラリーマンの実質賃金(8月)は2.6%減。14カ月連続のマイナスだ。さらなる円安進行で、サラリーマンは地獄の生活を強いられるというのに、日銀の黒田東彦総裁は「円安は問題ない」とのんきに構え、安倍首相は「プラスもマイナスもある」と“口先介入”するだけ。水準是正へ動く気などさらさらない。
 
 静岡大学名誉教授の土居英二氏(経済統計学)の「円安・消費増税が家計に与える影響」をベースに、1ドル=120円でどうなるかを試算した。
 
 2人以上の平均的世帯(年収599万円)では、安倍政権が発足する前の12年9月に比べ、円安による負担増は18万8000円、消費増税分(5→10%)は15万3000円。トータルで何と34万1000円の負担増だ。
 
 “アベクロコンビの円安誘導は、庶民の家計を破綻させる。