政府は、米国など他国の軍を後方支援するために、自衛隊の海外派遣についての恒久法を新たに制定する方向で、自民、公明両党と調整に入るということです。
これまでは後方支援・復興支援・平和維持活動(PKO)などでの自衛隊の海外派遣は、その都度国会で審議し特別措置法を作って行って来ました。
恒久法が制定されればそうしたことは不要となり、いつでも海外派遣が出来ることになります。
政府は7月に集団的自衛権の行使を容認し、10月には日米ガイドライン改定で周辺事態法を葬る方向を明らかにしました。ここでさらに海外派遣を可能にする恒久法を制定すれば、あとの障害は「交戦権を持たない」ことのみになります。
これらはいずれも憲法9条の下では許されないことなのですが、現実にはこうしたファッショ政治が進行しています。
昨年7月の参院選のときに何故かマスメディアが一斉に「ねじれ解消」を叫び出し、その結果現与党が大勝を納めてから、丁度1年目の7月に例の行使容認の閣議決定が行われました。その後はこのありさまです。
マスメディアはこの「結果責任」について考えて見たことがあるのでしょうか。
少しでも良心が残っているのであれば、マスコミ本来の使命に基づく行動を取って欲しいものです。
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自衛隊派遣で恒久法 外国軍支援、政府が方針
北海道新聞 2014年10月18日
自衛隊の海外派遣に関し、政府が米国など他国の軍を後方支援するための恒久法を新たに制定する方向で自民、公明両党と調整に入ることが18日分かった。米軍や各国の軍の支援を想定した海外派遣はこれまで、必要に応じ特別措置法を整備し対応してきたが、恒久法整備により機動的な派遣を可能にする。派遣を日本周辺に事実上限定してきた周辺事態法の廃止も視野に入れており、自衛隊の海外活動が大きな転機を迎える可能性がある。
複数の政府関係者が明らかにした。一連の安全保障法制見直しの一環で、早ければ11月にも骨格を与党側に提示する。想定している支援は、戦闘が起きている地域外での食料・燃料の補給や輸送。自衛隊による直接の武力行使は行わない。政府内では「支援対象は米軍に限らない」(首相周辺)との声が強まっており、多国籍軍や英国軍、オーストラリア軍などへの支援も視野に入れている。
これまで憲法解釈で禁じる「他国の武力行使との一体化」につながる恐れがあるとして行ってこなかった他国軍への武器・弾薬の提供も、国際貢献の観点から可能にしたい考えだ。