毎日新聞が8~9月に実施した「読書世論調査」で、広島の被爆体験を描いた漫画「はだしのゲン」を読んだことがある人は2人に1人に上り、そのうち9割超は小中学生が読むことを「問題ない」としており、戦争の悲惨さを伝える平和教育の教材として肯定的に受け止めていることが分かりました。
調査は全国の16歳以上の男女2406人から有効回答を得ました。
「はだしのゲン」は、松江市の教育委員会が、小・中学校の図書室で閉架扱いにしていたことが昨年8月に報道され、世論の反撃を受けました※。
社会的に問題にされたなかで、在特会が松江市の教育委員会に執拗にねじ込んだためということも分かり、8月末には同じような処置をしていた鳥取市も含めて、自由に閲覧できる状態に戻りました。
「はだしのゲン」は今、ロシア語や英語など沢山の言語に翻訳されて、世界中で愛読されています。
※ 当ブログでも、下記などで取り上げました。
2013年8月22日 「はだしのゲン」に平和を教わった人は多い
2013年8月25日 官に盲従は戦前と同じ 「はだしのゲン」閲覧制限
2013年8月27日 「はだしのゲン」 閲覧制限を撤回
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
読書世論調査:はだしのゲン、5割「読んだ」 9割肯定的
毎日新聞 2014年10月26日
毎日新聞が8~9月に実施した「第68回読書世論調査」で、広島の被爆体験を描いた漫画「はだしのゲン」を読んだことがある人は2人に1人に上ることが分かった。このうち9割超は小中学生が読むことを「問題ない」としており、戦争の悲惨さを伝える平和教育の教材として肯定的に受け止めていることがうかがえる。
「はだしのゲン」は故・中沢啓治さんの自伝的漫画。原爆で家族を亡くした少年が逆境に負けずたくましく成長するストーリー。1975年に単行本が発行され、80年代に全国の小中学校の教室や図書室に置かれるようになった。2013年8月、松江市教育委員会が「描写が過激」として市内の全小中学校に閲覧制限を求めていたことが発覚し、問題となった。
調査では、49%が読んだことが「ある」と答えた。特に学校で読んだことが推測される30代は年代別で最も多い73%が読んでいた。小中学生が読むことについては、全体で85%、読んだ人に限ると97%が「問題ない」と答えた。
調査は全国の16歳以上の男女3600人を対象に郵送方式で実施。2406人から有効回答を得た。【今村茜】