憲法公布記念日に当たる「文化の日」(11月3日)をはさんで、憲法を考える催しが京都市内で相次いで行われます。
29日夕方には、市内の弁護士事務所が若者たちに集団的自衛権行使の賛否をシールで答えてもらいました。
憲法関連本を集めて陳列する書店は、昨年関連本の売り上げが前年より14%増えました。今年も憲法そのものを紹介する本が人気で、主に若者や主婦が購入しています。
11月3日には、「生かそう憲法、守ろう9条」の集会があり、戦没者遺族らが戦争への思いを語ります。
16日には、「憲法と人権を考える集い」が開かれ、「憲法の大原則-立憲主義を考える」をテーマに意見を交わします。
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今こそ憲法を学ぼう 公布の11月3日合わせ、京都で催し多彩
京都新聞 2014年10月30日
集団的自衛権の行使容認の閣議決定を受け、憲法が公布された「文化の日」(11月3日)に合わせて憲法を考える催しが京都市内で相次ぐ。憲法を分かりやすく紹介した本の売り上げが伸びるなか、政治に無関心とされる若者向けの「シール投票」も行われている。
29日夕方、中京区三条河原町の繁華街で、市内の弁護士事務所が、若者たちに集団的自衛権行使の賛否をシールで答えてもらった。「賛成」「反対」「分からない」の三択の意思表示を求め、集団的自衛権行使の意味を知らない人には「同盟国が攻撃されたら、直接攻撃を受けなくても一緒に戦うこと」と説明した。一時間で285人が投票し、約7割の207人が反対。分からない50人、賛成28人だった。
反対の洛水高3年内屋敷美絵さん(18)は「自衛隊員を含めて死ぬ人が増えるのは嫌だから」、分からないを選んだ同志社大3年加藤剛志さん(21)は「米国との関係悪化を考えると単純に反対とも言えず、判断は難しい」と話した。投票結果について、企画に携わった小笠原伸児弁護士は「戦争社会につながると何となく不安を感じている人が多いのでは」とみる。
憲法関連本を集めて陳列する書店もある。大垣書店イオンモールKYOTO店(南区)では、昨年の関連本の売り上げが一昨年より14%増えた。今年も、著者の主張が前面に出ている本より憲法そのものを紹介する本が人気で、主に若者や主婦が購入している。梅垣直茂店長(43)は「知らないと恥ずかしいから買うという人が多い」と言う。
11月3日午後1時から、円山野外音楽堂(東山区)で「生かそう憲法、守ろう9条」があり、戦没者遺族らが戦争への思いを語る。キャンパスプラザ京都(下京区)では15日午後6時40分、憲法学者による講演会(参加費500円)が催され、解釈変更の閣議決定の意味を考える。
京都弁護士会は16日午後1時から京都産業会館(下京区)で「憲法と人権を考える集い」を開く。第1次安倍政権下で内閣法制局長官だった宮崎礼壹・法政大教授らを招き、「憲法の大原則-立憲主義を考える」をテーマに意見を交わす。