2014年10月16日木曜日

アベノミクスで高齢者が困窮

 65歳に達してようやく年金が満額受給できるようになったと一安心したところに、高額な介護保険料の請求が舞い込むので、高齢者たちは驚きます。その65歳以上の人が支払う介護保険料の滞納が急増しているということですこのままでは将来介護サービスを使えずに困窮する高齢者が続出してしまいます。
 
 NHKスペシャル「老後破産の現実」によると、独居老人600万人の半数が、年120万円未満の年金で暮らしています。日本全国65歳以上の高齢者は3200万人いますが、その10人に1人が120万円未満の年金で暮らしているわけです。
 安倍政権による消費税増税とベノミクス=円安起因の物価高騰が、そうした低所得層に容赦なく襲い掛かったため“貧困高齢者”が急増したのでした
 
 勿論困窮しているのは高齢者に限りません。安倍政権は消費税率10%、年金カット、保険料アップなど、弱者に負担を強いる政策を次々に打ち出しています
 一方で高齢者の中にも富裕層は確かに存在し、6人に1人は4000万円以上の金融資産を持っているということですが、それは要するに貧富の二極化が拡大していることの顕れに他なりません。
 弱者への目配りのない政治のもとでは、貧困はますます進行して行くことになります。
 
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。 
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アベノミクスで加速 10人に1人が「老後破産」の深刻事態 
日刊ゲンダイ 2014年10月15日
 高齢者の“老後破産”が深刻な状況になっている。厚労省によると、65歳以上の人が支払う介護保険料の滞納が急増している。収入が低くて払いたくても払えない。2012年度に徴収できなかった額は、過去最悪の272億円と29%も増えたという。滞納額が29%も増えるのは異常だ。このままでは将来、介護サービスを使えずに困窮する高齢者が続出してしまう。
 とくにアベノミクス以降、収入は年金だけなのに、消費税増税と物価高騰によって生活が立ちゆかなくなる“貧困高齢者”が急増している。
 
 9月末に放送されたNHKスペシャル「老後破産の現実」によると、独居老人600万人の半数が、年120万円未満の年金で暮らしているそうだ。年収120万円は、生活保護水準以下の収入である。実際、この数年、貧困高齢者が膨れ上がっている。日本各地の高齢世帯を調査している明治学院大の河合克義教授がこう言う。
 「東京都港区と山形県の一人暮らし世帯を調査した結果、生活保護基準よりも低年収の高齢世帯は、どちらも56%でした。都心部も農業県も同じ割合だった。日本全国に低年収の高齢者は300万人いると推定しています」
 
■低所得者に目配りしない安倍首相
 65歳以上の高齢者は日本全国に3200万人。およそ10人に1人が「老後破産」の状態にある計算だ。
 恐ろしいのは、普通の人も「老後破産」と無縁でないことだ。NHKスペシャルが取り上げていたのも、ビール会社に正社員として勤務していた男性だった。
 「大企業に勤めていたサラリーマンも、ちょっとしたキッカケで“老後破産”に転落するケースが増えています。月18万円程度の厚生年金を受け取っている人が多いでしょうが、本人の病気、妻の病気、認知症になった老親の介護など予定外の出費を迫られたら、とても足りない。貯金があればいいが、退職金を住宅ローンの完済に使っていれば、貯金はほとんど残っていないでしょう。まして賃貸なら、家賃負担がのしかかる。かつては子どもに頼ることもできたが、いまは子どもが非正社員という場合も多い。老後破産に陥るリスクが高まっています」(都内のケアマネジャー)
 しかも、安倍政権は、消費税率10%、年金カット、保険料アップなど、高齢者に負担を強いる政策を次々に打ち出している。
 「一般的に高齢者は富裕層という印象が強いですが、実際には二極化が拡大している。総務省の調査によると6人に1人は4000万円以上の金融資産を持っているそうです。片方のデータしか見ていないのか、安倍政権は高齢者に対して厳しいが、低所得者に目配りしないと餓死者や自殺者が続出しかねませんよ」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
 安倍政権は「女性の管理職を増やす」などと、高齢者への福祉予算を削って、子育て世代に予算を回す方針だが、本当に大丈夫なのか。安倍首相は現実が分かっていないのではないか。