2015年7月23日木曜日

安全保障関連法案に反対する学者の会が抗議声明

 「安全保障関連法案に反対する学者の会」は、20日に「学者100人の記者会見」を行い、衆議院特別委員会と本会議での強行採決に対する抗議声明を発表しました。
 以下に紹介します。
 
 なお6月15日に同会が出したアピールへの署名数は、22日9:00現在で、学者・研究者分は11,980人に達しています。
 
 早稲田大学有志のアピールも併せて紹介します。
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安全保障関連法案の衆議院特別委員会と本会議での強行採決
に対する抗議声明
 
 7月15日衆議院特別委員会、翌16日本会議で、集団的自衛権の行使を容認することを中心とした安全保障関連法案が強行採決されたことに、私たちは強い怒りをこめて抗議します。
 各種世論調査では、戦争法制としての本質をもつ安全保障関連法案に反対が多数となり、8割を超える大多数が今国会での成立は不必要としていた状況の中での強行採決は、主権者としての国民の意思を踏みにじる立憲主義と民主主義の破壊です。
 首相自身が、法案に対する「国民の理解が進んでいない」ことを認めた直後の委員会採決強行は、現政権が国民世論を無視した独裁政治であることを明確に示しています。
 衆議院憲法調査会で3人の憲法学者全員が安全保障関連法案は「違憲」だとし、全国のほとんどの憲法学者が同じ見解を表明しているにもかかわらず、今回の強行採決が行われたことは、現政権が学問と理性、そして知的な思考そのものを無視していることのあらわれです。
 戦後日本は憲法九条の下で、平和国家として存在しつづけてきました。政府の言う「安全保障環境の変化」を口実に、武力行使ができるようにしようとしていますが、戦後日本が一貫してきた、隣国との対話による外交に基づく信頼関係こそが、脅威を取り除いてきたのです。
 
 私たちが6月15日に表明した見解は、多くの学者、大学人に共有され、いくつもの大学で、学生と教職員が一体となった取り組みが行われました。私たちは参議院での審議を注意深く見定めながら、立憲主義と民主主義を守り、この法案を廃案にするために、国民とともに可能なあらゆる行動をしていきます。
 
2015年7月20日
 安全保障関連法案に反対する学者の会


安倍政権による憲法無視・国民無視の暴走に抗議し、安全保障関連法案の廃案を求めます
 
 戦後日本は、戦争の惨禍を踏まえ、戦争放棄を掲げた憲法のもと、平和国家としての歩みを重ねてきました。それから70年目の今、安倍政権は数の力をかりて、日本を戦争する国に変えようとしています。安倍首相は国内合意よりもアメリカに対する約束を優先し、国民の強い反対や懸念を無視・黙殺して暴走をつづけています。
 
 早稲田大学の前身、東京専門学校は、「学問の独立」を掲げて開校しました。
 
一国の独立は国民の独立に基いし、国民の独立はその精神の独立に根ざす。而して国民精神の独立は実に学問の独立に由るものなれば、その国を独立せしめんと欲せば、必らず先ずその民を独立せしめざるを得ず。その民を独立せしめんと欲せば、必らず先ずその精神を独立せしめざるを得ず。而してその精神を独立せしめんと欲せば、必らず先ずその学問を独立せしめざるを得ず。
 
 この建学の精神を生かし、校歌に謳われている「進取の精神」と「学問の独立」を掲げ、「久遠の理想」を実現するためにも、私たちは、安倍政権による憲法無視・国民無視の暴走に抗議し、安全保障関連法案の廃案を強く求めます。
 
安全保障関連法案の廃案を求める早稲田大学有志の会