2015年7月17日金曜日

16日夜 国会前に2万人 野党は廃案に追い込むと一斉批判

 16日夜、国会前には2万人以上が集まって、日中に行われた安保法案の衆院本会議での強行採決に抗議しました。日中も2千人以上の人たちが国会前に集まりました。
 
 野党の党首たちは、16日、強行採決し可決させた与党に対し「国民は納得せず、断固認められない。廃案に追い込む」などと一斉に批判を強めました。参院でも連携し、安保法案は憲法違反だと政府、与党を追及する方針です。
 
 国会近くにある「憲政記念館」では、午後、大学教授や弁護士らが参加して、安全保障関連法案に反対する集会が開かれおよそ400人が参加しました。
 
 元自民党副総裁の山崎拓氏民主党政権で財務大臣などを務めた藤井裕久氏、元さきがけ代表の武村正義氏、元国民新党代表の亀井静香衆議院議員らが国会内で記者会見し、安全保障関連法案を巡る安倍政権の対応を批判しました。
 
 安倍首相の地元・山口県でも、安全保障関連法案に反対する声が上がりました。
 山口市で開かれた抗議集会には市民ら約80人が参加し、「戦争法案NO」と書いたのぼりなどを掲げながら市内をデモ行進しました。
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国会前 安保法案反対の人たちが抗議活動
NHK NEWS WEB 2015年7月16日
国会前では、安全保障関連法案に反対する人たちが、夜も抗議活動を続けています。
 
国会前では、衆議院本会議での採決に合わせ、主催者の発表で、日中も2000人以上が集会に参加し、「戦争させるな」などと、抗議の声を上げました。
そして、午後2時すぎ、衆議院本会議で法案が可決されたと伝えられると、集まった人たちから「がっかりした」といった失望の声が上がりました。
国会前での抗議活動は夜も続いていて、午後6時半からは、仕事帰りの人や学校の授業を終えた学生も加わり、参加者は主催者の発表で2万人以上となっています。
集まった人たちは「戦争法案は廃案」や「憲法9条を守れ」などと訴えています。
仕事を終えて参加したという40歳の女性は、「生まれたばかりの娘がいるので子どもたちの世代が戦争に巻き込まれることのないよう集会に参加しました。廃案になるまで抗議を続けていきたい」と話していました。
また、21歳の男子大学生は、「集団的自衛権の行使が必要であれば憲法を改正すべきで、多くの学者が違憲だと指摘しているにもかかわらず強引に法案を可決したことは大きな問題だと思います」と話していました。 
 
 
廃案に追い込む―野党が一斉批判 参院で連携
東京新聞 2015年7月16日
 野党は16日、衆院本会議で安全保障関連法案の採決を強行し可決させた与党に対し「国民は納得せず、断固認められない。廃案に追い込む」(岡田克也民主党代表)などと一斉に批判を強めた。参院でも連携し、集団的自衛権の行使を可能とする安保法案は憲法違反だとして政府、与党を追及する方針だ。
 岡田氏は参院議員会館前での集会で「審議すればするほど新たな問題が出てきた」と指摘。併せて「今回の採決は追い込まれての強行だ。議論の場は参院に移るが、憲法違反の法案を廃案に追い込もう」と呼び掛けた。
 維新の党の松野頼久代表は記者会見で、同党が提出した対案の審議が不十分だと不満をあらわにした上で「採決の強行を止められなかったのは残念だ。(参院で)野党が一つになる必要がある」と述べた。
 共産党の志位和夫委員長は記者団に「法案の危険性、憲法違反の本質を参院での論戦でさらに突っ込み、明らかにする。野党が結束し、必ず廃案にする」と強調した。
 社民党の又市征治幹事長は「何回議論しても、憲法違反のものが合憲になるわけがない。絶対に許せない」と非難。廃案に向け、他の野党と協力する考えを示した。
 生活の党の小沢一郎共同代表は会見で「国民と国の将来にとって非常に危うい法案だ。(成立を)阻止するため、もっと積極的に行動を起こしたい」と訴えた。
 一方、法案採決で賛成した次世代の党の松沢成文幹事長は、採決に応じなかった他の野党について記者団に「責任放棄だ」と主張した。 (共同)
 
 
安保法案 大学教授や弁護士らが反対集会
NHK NEWS WEB 2015年7月16日
国会近くにある「憲政記念館」では、大学教授や弁護士らが参加して、安全保障関連法案に反対する集会が開かれました。
 
午後、憲政記念館で開かれた集会には、主催者の発表でおよそ400人が参加しました。
この中で、法案に反対する学者らで作るグループの呼びかけ人で、立教大学大学院の西谷修教授は、「賛同する研究者は1万人を超え、教え子を戦場に送り出したかつての過ちを繰り返してはならないという思いで活動する人も多い。若者と共にこれからも諦めずに抗議を続けたい」と訴えました。
また、法案に抗議するため、赤い服などを身に着け国会を取り囲む活動を続けている女性グループの杉浦ひとみ弁護士は、「ことし1月、初めて国会を取り囲んだときは心細かったが、回を重ねるごとに参加者が増えている。強行採決に対する今の憤りの気持ちを忘れないようにしたい」と述べました。
 
 
山崎氏・亀井氏らが安倍政権の対応を批判
NHK NEWS WEB 2015年7月16日
元自民党副総裁の山崎拓氏や元国民新党代表の亀井静香衆議院議員らが国会内で記者会見し、安全保障関連法案を巡る安倍政権の対応を批判しました。
 
記者会見には、元自民党副総裁の山崎拓氏、民主党政権で財務大臣などを務めた藤井裕久氏、元さきがけ代表の武村正義氏、元国民新党代表の亀井静香衆議院議員の4人が出席しました。
この中で山崎氏は「集団的自衛権の行使容認は憲法改正に匹敵するものだ。安倍総理大臣は、安保法制に論点を絞って衆議院の解散・総選挙で民意を問うべきであり、それをもって憲法改正に準ずる行為とすべきだ」と指摘しました。
藤井氏は「審議をすればするほど、どんどん法案のボロが出るので、政府・与党は強行採決に踏み切ったのではないか。安倍総理大臣は、悪名高き総理大臣として、歴史に残るだろうというのが私の結論だ」と批判しました。
武村氏は「堂々と憲法改正の手続きを踏まえるならば、1つの立派な手法だと思うが、ある日突然、閣議で大転換を決めたことは非常識だ。多数の国民の意見を聞き入れない安倍総理大臣の考え方は普通ではない」と述べました。
亀井氏は「日米の軍事協力の中身の在り方を従来と変えるのであれば、日米安全保障条約を改定すべきだ。そういうことを一切せずに、一国会で行け行けどんどんで日本の今後を決めていくことは許しがたい」と述べ、安倍政権の対応を批判しました。 
 
 
首相お膝元でも反安保デモ=「安倍政権にストップを」-山口
時事通信 2015年7月16日
 安倍晋三首相の地元・山口県でも、安全保障関連法案に反対する声が上がった。山口市で開かれた抗議集会には市民ら約80人が参加。「戦争法案NO」と書いたのぼりなどを掲げながら市内をデモ行進した。
 空襲を経験した兄から戦争体験を聞いた山口市の無職藤原重孝さん(71)は「首相のお膝元である山口から声を上げて、戦争に向かう安倍政権にストップをかけていかなければならない」ときっぱり。同法案が与党などの賛成多数で衆院通過したことについて「数の力による強行採決は許せない。民主主義に反している」と批判した。