2015年7月18日土曜日

国民の安倍政権への怒りは拡大の一途

 16日に衆院本会議でも強行採決して安保法案を通過させた安倍官邸は、「3連休を挟めば、国民は忘れる」などとうそぶいているそうですが、それは的外れの希望的観測に過ぎません。
 
 いまデモに参加している人たちは、労組など組織的な動員ではなく、“普通の人”が自らの意思で来ているので、運動体としては強固安保法案が成立してもやまず、次の選挙まで続くといわれています。
 学生団体「シールズ」も毎週金曜の抗議行動を、会期末の9月末まで続けると言っています
 
 安倍首相が応援メッセージを読んで“精神安定剤”としていたフェイスブックにも異変が起きていて、最近のコメント欄には批判があふれ、ネット上では「あたまオカシい」「低学歴カス」などの罵詈雑言が並んでいるということです。
 
 そういえば安倍首相が強引に申請させた「明治産業革命遺産」が何とか通ったときにも、世界遺産センターから日本に情報センターを設置するなどの条件を付けられたことに対して、応援団であった筈のネット右翼から「国辱もの」、「慰安婦の問題にも波及する」など抗議が官邸のフェイスブックなどに殺到して炎上したということでした。
 
 もともと官邸の権力でいわゆる「B層」を応援団に仕立てただけなのを、首相は一般国民の声だと勘違いしていたようなので、逆回転のショックもさぞや大きいことでしょう。(^○^)
 
 いうまでもないことですが支持率はこの先は低下する一方です。今後国民の怒りは拡大する一途であることに政府は早く気づくべきです。
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国民を愚弄しすぎた安倍政権反対運動の怒りは拡大の一途へ
日刊ゲンダイ 2015年7月17日
 衆院の特別委員会で安保法案が強行採決された15日、国会周辺は一日中、騒然としていた。数十台の警察車両が国会を取り囲み、防護柵で進路がふさがれる中、夜になっても抗議のプラカードを手にした人が続々と集まる。国会前は歩道から人があふれるほどの熱気で、「戦争法案、今すぐ廃案」「国民なめんな、勝手に決めるな」などの声が響き渡る。その数は2万5000人を超えた。
 
「戦争は嫌だ」という世論の悲痛な声をマトモに受け止めることなく、法案成立を急ぐ安倍政権に対し、国民の怒りは沸点に達している。金沢や広島、那覇など全国各地で、国会前と同様の抗議行動が繰り広げられた。ペテン首相の説明を聞けば聞くほど、国民は不安になるのだから当然だ。
 
 だが、安倍官邸は「3連休を挟めば、国民は忘れる」などとうそぶいているという。怒りの行動はこの先、しぼんでしまうのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、こう言って官邸の見方を否定する。
「3・11後の原発反対デモから、国民の抗議行動は様変わりしています。労働組合など組織的な動員ではなく、“普通の人”が国会前に集まっている。お仕着せではなく、自らの意思で来ているので、運動体としては強固です。動員なら強行採決で運動がしぼんでしまうが、個人の自立した行動なので、これからも続く。安保法案が成立してもやまず、次の選挙まで続くと思います」
 
 確かに、15日夜の国会前には、子連れの母親や制服を着た高校生の姿もあった。高校生のひとりは「戦争への不安を感じ、声を上げなければと思った」と言った。市民の抗議行動は、来週、再来週も予定されている。学生団体「SEALDs」は毎週金曜の抗議行動を、会期末の9月末まで続けると言っている。
 
 憲法学者や知識人も諦めてはいない。
 チンピラ政権によって言論弾圧を受けた元経産官僚の古賀茂明氏は、「改革はするが戦争はしない」運動を全国に広める活動を続け、60年安保闘争を超える「30万人デモ」を呼びかけている。
 憲法学者の小林節慶大名誉教授も「強行すれば、参院選はつまずく。いや、つまずかせる。違憲訴訟も準備しています」と闘争継続を宣言している。
 安倍政権は国民をナメ過ぎた。必ず鉄槌を食らうことになる。
 
 
世論の怒りの渦で起こり得る安倍首相2度目の政権放り投げ
日刊ゲンダイ 2015年7月17日
 安倍首相がどんなパフォーマンスをしようが、もう支持率が回復することはないだろう。安保法案に対する国民の憤りは尋常ではない。「潮目」は完全に変わった。
 
 となると、もう一度、安倍首相が政権をぶん投げることも十分考えられる。
 8年前、参院選で大敗した安倍は、ストレスが原因で持病の「潰瘍性大腸炎」を悪化させ、退陣している。支持率の下落が続いたら、またストレスを募らせ、持病を悪化させてもおかしくない。
 
 現に“健康不安”説が相当広がっている。恐らく、体に変調を来しているのだろう。6月下旬から頻繁に歯医者に通い、13日(月)も診療を受けている。15日、法案を通過させた後、記者団の前に姿を現した安倍の顔色は悪く、肩にはフケが落ちていた。ストレスを発散させるためか、この1カ月間、5週のうち4回、週末にスパに通っている。
 しかも、唯一の“精神安定剤”だったフェイスブックにも異変が出てきた。コメント欄には批判があふれ、ネット上では「あたまオカシい」「低学歴カス」などの罵詈雑言が並び、本人は相当悩んでいるという
 安保法制について採決を急いだのも、余裕を失っているからだ。
 
 政治評論家の野上忠興氏は言う。
 「今や、やることなすこと全て裏目です。最大の頼みの支持率も下がる一方で、ますます精神的に追い込まれている。70年談話のこともあるし、今後は参院の委員会で、縛り付けられる日が多くなる。先のことを考えると頭が痛いでしょう。途中で放り投げる可能性はゼロではありません」
 こうなったら、もう一度、退陣に追い込むしかない。