2015年7月17日金曜日

日弁連が「強行採決に抗議」の決議 映画人も反対アピール

 16日、衆議院本会議において安保法案が強行採決・可決されたことに対して、日弁連理事会が「採決の強行に抗議する」決議を行いました。
 「衆議院において採決が強行されたことは、世論調査にも示されている民意を踏みにじるものであり、到底容認できない」としています
 
 それとは別に、映画監督の高畑勲さん、降旗康男さんら映画関係者10人が呼びかけ人となり16日、安全保障関連法案に反対するアピールを発表しました。
 「『戦争する国』が作られれば基本的人権や言論表現・報道の自由、愛する映画も大きく規制される。違憲の法案に対し、反対の声を上げる」としています
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日弁連「採決強行に抗議」と決議
NHK NEWS WEB 2015年7月16日
16日に衆議院本会議で可決された安全保障関連法案について、日弁連=日本弁護士連合会は「採決の強行に抗議する」という決議をしました。
 
決議では、「憲法学者の指摘をきっかけに法案が憲法に違反していることが一層明らかになりつつあり、世論調査でも政府の説明が不十分で今国会での成立に反対という意見が多数を占めている。安全保障関連法案は平和国家としての日本の在り方を根本から変えてしまう内容で、さらに十分な説明と徹底した議論が必要不可欠だ。衆議院で採決が強行されたことは民意を踏みにじるもので到底容認できない」としています。 
 
(日弁連理事会決議)
安全保障法制改定法案に反対し、衆議院本会議における
採決の強行に抗議する理事会決議 
2015年7月16日
日本弁護士連合会
本日、衆議院本会議において、平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案(以下併せて「本法案」という。)の採決が強行され、可決された。
 
当連合会は、本法案が、集団的自衛権行使の容認をはじめ、その多くの内容において、日本国憲法が定める立憲主義の基本理念、恒久平和主義及び国民主権の基本原理に違反していることを繰り返し指摘し、反対してきた。
 
本年6月4日の衆議院憲法審査会における与党推薦者を含む参考人3名の憲法学者の指摘が契機となり、これまでの国会審議を通じて、本法案の違憲性が一層明らかになりつつある。また、報道機関の世論調査においても、国会における政府の説明は不十分であり、今国会での成立に反対であるとの意見が多数を占めている。
 
本法案は、戦後70年間維持してきた平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えてしまう内容であり、これまでの審議時間を踏まえてもなお、更に十分な説明と徹底した議論が必要不可欠である。本日、衆議院において採決が強行されたことは、世論調査にも示されている民意を踏みにじるものであり、到底容認できない。
 
よって、当連合会は、本法案の採決の強行に対し強く抗議するとともに、本法案が成立することのないよう、今後も引き続き、国民と共に全力を挙げて取り組む所存である。
 
 
安保法案:映画関係者も反対アピール
毎日新聞 2015年07月16日
 映画監督の高畑勲さん、降旗康男さんら映画関係者10人が呼びかけ人となり16日、安全保障関連法案に反対するアピールを発表した。「『戦争する国』が作られれば基本的人権や言論表現・報道の自由、愛する映画も大きく規制される。違憲の法案に対し、反対の声を上げる」としている。
 
 高畑さんらは先月12日に呼びかけを始め、16日現在、監督や俳優ら436人がアピールに賛同しているという。
 この日、文部科学省内で記者会見した高畑さんは「日本には『ずるずる体質』があることを自覚すべきだ。問題があろうとなかろうと、走っていって破局に至り、誰も責任を取らない。憲法の縛りがあるからこそ工夫して外交努力などをする。憲法に縛られることに意味がある」と述べた。山田洋次さん、周防正行さん、是枝裕和さんら呼びかけ人・賛同者から寄せられた「民主主義の否定、危機」などのメッセージも披露された。
 今後、さらに賛同を呼びかけ、戦争の実態を描いた過去の映画作品を紹介するなどして、廃案を世論に訴える。【最上聡】