2015年7月24日金曜日

海外メディアも安倍政権を批判

 20日の米紙ニューヨークタイムズ(NYT)が社説で、安保法案を衆院で強行採決した安倍政権に対して批判したことは、日本の各メディアで紹介されました。NYTは、1万人の学者が法案に反対し、数万人の人たちが国会前で抗議をしていることにも注目しています。
 
 その他の海外メディアも、「9条違反の法案」、「政権は思い上がり」、「傲慢」、「安倍首相独断的に軍事化」、「国会前に10万人が集まり抗議」、「平和という名前を用いた戦争法案」などと、国民の多数が反対しするなか政権が戦争が出来る法案の成立に邁進していることを批判的に報じています。
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米紙社説 戦争法案強行可決が大きな不安を引き起こす
しんぶん赤旗 2015年7月22日
 【ワシントン=洞口昇幸】 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、安倍晋三政権が戦争法案を衆院で強行可決したことを社説で取り上げ、強行可決が「戦後日本の平和主義への深い約束を安倍首相が守るのかどうかについて、(日本国民の間に)大きな不安を引き起こした」と述べています。
 
 同社説は、安倍政権が集団的自衛権の行使は可能と従来の憲法解釈を変えて、戦争法案の成立を目指すことは、国民投票など通常の改憲の手続きを回避するものだが、「憲法の核心に触れるものであり、(手続きを)省くにはあまりに重大だ」と指摘しています。
 戦争法案をめぐり、学者・文化人の約1万人が反対声明に名を連ねたこと、数万人がデモに参加し、世論調査も反対が多数であることを紹介。多くの日本国民には、安倍首相が「前に進めるための正しい方法を選んだようには見えていない」と述べています。
 
 
戦争法案 海外メディアが批判
「国民不支持多数の法制」「安倍政権の思い上がり」
しんぶん赤旗 2015年7月23日
 国民世論の半数以上が「違憲」と声をあげる戦争法案が衆院で強行採決されたことに対して、海外メディアでも批判的な論調が目立っています。(記事はいずれも電子版)
 
 英紙ガーディアン(15日付)では「戦後初めて海外での戦闘を許容する法案が衆院可決」と紹介し、「(戦争法案は)日本国憲法9条違反であり、世界で起こる米国主導の戦争に日本がまきこまれる可能性がある」といった法案に批判的な声を取り上げました。同紙は「支持を得られていない法案」と伝え、米大学教授の「安倍政権は多大な思い上がりと傲慢(ごうまん)さがあり、彼の首相生命は長くないだろう」と指摘する批判を紹介しました。
 
 米CNNテレビは16日付報道で「国民不支持多数の安保法制が衆院可決」と伝えています。「安倍首相は日本を独断的に軍事化しようとしている」と批判。さらに「多くの日本人は一連の軍備増強を憂慮し、日本が戦争にまきこまれ、自衛隊や市民が危険な立場におかれることを懸念している」と指摘しています。
 
 英BBCテレビも16日付報道で戦争法案を「物議をかもす法案」と表現。世論調査で国民の半数以上が法案に反対する現状や、衆院を通過した15日に国会前に10万人が集まり抗議の声をあげたことを紹介。国会前行動に参加した学生の安倍政権に対する怒りや「憲法守れ」の声など、国民の声を積極的に取り上げています。
 
 中国共産党機関紙・人民日報(16日付)は「この法案は『平和』という名前を用いた『戦争法案』だ」とする中国人学者の指摘を紹介。また韓国の国防相が「なぜ日本は憲法を解釈改憲し、(憲法9条の平和主義を捨てた)普通の国になるのか」と嘆くコメントも掲載しています。