NHK NEWS WEB 2015年7月2日
海外で人道支援活動を続けている日本のNGOが、現地での活動に影響が出かねないとして、安全保障関連法案に反対するグループを発足させました。
発足した「NGO非戦ネット」は、イラクで医療支援を行う民間団体など、人道支援活動を続ける国内の17のNGOの代表が、安全保障関連法案への反対を呼びかけ、設立しました。
設立に合わせ2日夜、関係者などおよそ120人が都内の会場に集まり、意見を交換しました。この中で、呼びかけ人の1人で、国際的な人権保護に取り組む弁護士の伊藤和子さんは、「日本のNGOは憲法9条を誇りに活動してきた。武力は憎しみの連鎖を生むだけで平和にはつながらないという、私たちが見てきた現実を、社会に発信していくべきだ」と訴えました。
また、都内のNGOの事務所で働く28歳の女性は、「安全保障関連法案で自衛隊の活動範囲が広がれば、中立的な支援に徹する国だという日本の信頼が崩れ、現地での活動にも影響が出かねない」と懸念を示しました。
会合では、安全保障関連法案に反対し、NGOとして、戦争をしないという理念に立った平和づくりに取り組むとする誓いを読み上げ、今後、ほかのNGOにも参加を呼びかけていくことにしています。