2015年7月27日月曜日

琉球新報がTPP交渉で脱退も辞すなと

 TPPは売国の協定というべきものです。それなのに何故かマスメディアは決して反対の論陣を張りません。やはり基本が米国追随ということなのでしょうか
 それにしても国益が重大に毀損されることが明らかなのに、ただただ沈黙を続けているのは理解出来ません。
 
 琉球新報が主に農産品保護の立場から、米国に追従するだけの日本の姿勢はどう考えてもおかしいとして、脱退も辞さない構えで交渉すべきだとする社説を掲げました。
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社説 TPP交渉ヤマ場 脱退も辞さない覚悟を
琉球新報 2015年7月26日
 日本や米国、オーストラリアなど、アジア太平洋地域の12カ国で自由貿易圏をつくる環太平洋連携協定(TPP)の交渉が大詰めを迎えている。12カ国は米ハワイ州マウイ島で首席交渉官会合を開いた。28日からの閣僚会合で大筋合意を目指すという。
 しかし、農業分野の重要5品目の行方や、食品添加物表示の撤廃の懸念、食の安全・安心の課題はいまだに払拭(ふっしょく)されていない。課題を積み残したまま、妥結を急ぐ米国に追従することは許されない。脱退も辞さない構えで交渉すべきだ。
 交渉に当たり日本は(1)コメ(2)麦(3)牛・豚肉(4)乳製品(5)サトウキビなどの甘味資源作物-を重要5品目と位置付け、関税撤廃の例外扱いを求めている。
 自民党は総選挙で「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対」との公約を掲げ、国会は2013年、重要5品目を「聖域」と位置付けて「守られない場合は交渉からの脱退も辞さない」と決議した。当然、決議は順守しなければならない。
 
 国民生活や農業に重大な影響を及ぼすにもかかわらず、TPP交渉の内容は非公開だ。政府が交渉状況を示さず、一部の交渉担当者だけしか知らないまま妥結しようとしている状況は、民主主義の原則を軽視している。
 甘利明TPP担当相は記者会見で、閣僚会合での交渉妥結に向け「どうしても準備が間に合わない国は、(妥結後に)後から参加してもらうという選択肢もある」と述べた。米国は鶏肉や乳製品の市場開放で譲歩しないカナダに不満を募らせているとされ、甘利氏の発言は、カナダを指すとみられる。米国に追従する日本の姿勢はどう考えてもおかしい
 
 米国との交渉の中で、牛・豚肉の関税は大幅な削減を受け入れる見通しだという。これでは県内の畜産農家はひとたまりもない。サトウキビは県内の離島の経済を支える基幹作物である。市場開放すれば打撃は計り知れない。むしろ日本は、乳製品など重要品目が重なるカナダと連携して、交渉を有利に進めるべきだ。
 
 自民党議員の3分の2が所属するTPPに関する議員連盟は、安倍晋三首相に国会決議を順守するよう申し入れた。農家の切実な声や国会、党内の主張を顧みず、妥協を重ねて合意することは、将来に禍根を残す