2016年4月4日月曜日

04- 参院選 野党一本化はまだ15選挙区/しのはら民進党議員が野党共闘呼掛け

 毎日新聞が、3日、参院選における野党一本化の現状と見通しを載せました。
 現時点では1人区32のうち15選挙区で一本化が確実になり、10選挙区でも民・共の協議が進んでいるということです。
 逆に協議が難航している7選挙区では、民進党や連合の県組織に共産党への強いアレルギーがあることが障害になっているとしています。
 野党共闘の最大のネックは間違いなく民進党で、特に衆院選に関しては、岡田代表も枝野幹事長も共に野党共闘を目指さないとしています。
 民進党結党時の支持率は15.6%(ANN調査)と合併前の両党の合計を下回っているほど国民からは何も期待されていないというのに、一体結党によって図体が大きくなったことで何か政権取りガ出来るかのような言い方をしています。一体何を考えているのでしょうか。
 
 ところで民進党のしのはら孝衆院議員が、注目すべきブログを公表しています。
 同氏は13年「民主党の再生は野田首相の議員辞職と党名変更から始まる」ブログに書いていました。今回その党名変更が実現したのを機に、更なる野党大結集が必要社民・生活・無所属へ呼びかけて(趣旨)」とするブログを公表したものです。
 既に13年の参院選のときに、しのはら氏は、民主と維新、みんなが統合すれば13勝18敗、生活、社民まで含めた統合なら25勝6敗になるという試算をして、民主党首脳に野党との統合を訴えたという実績があるので、此度のブログも一読の価値があります。
 なお しのはら氏は、TPP協定に関しても交渉の各段階において問題点を詳細に分析してブログに公表して来ました。
 
 毎日新聞と しのはら孝議員のブログを紹介します。
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参院選  野党一本化、15選挙区…32の1人区 本紙調査
毎日新聞 2016年4月3日
 夏の参院選に向け、全国で32の「1人区」(改選数1)のうち15選挙区で民進党と共産党を中心にした野党の候補者一本化が確実になったことが分かった。両党による協議が進んでいる選挙区も10あり、「統一候補」はさらに増える可能性が高い。参院選では1人区の勝敗が選挙戦全体の結果を左右する傾向が強く、2013年の前回参院選で「自民党1強」を選んだ民意が変わるかどうかが注目される。【葛西大博、門田陽介】 
 
 毎日新聞が2日現在で1人区の情勢をまとめた。民進、共産、生活、社民4党が候補者の一本化で合意(大筋合意も含む)した15選挙区の立候補予定者は無所属が9人、民進党が5人、生活の党が1人。市民団体などが推す無所属の立候補予定者を各党が相乗りで支援する形が広がっていることが分かる。 
 単純には比較できないが、13年参院選の結果を基に試算すると、15選挙区のうち宮城、山形、栃木、新潟、山梨、長野の6選挙区で野党の合計得票数が自民党を上回る。 
 
 民進党結成前の野党5党は3月25日、青森、徳島・高知、宮崎など7選挙区で統一候補を支援する方針を確認したが、県レベルでは合意がさらに進んでいる。 
 逆に協議が難航しているのは7選挙区。民進党や連合の県組織に共産党へのアレルギーが強いのが主な原因だ。奈良では民進、共産両党が協力を探っているものの、おおさか維新の会が候補者を擁立するため、野党票が分散する。一方、愛媛では今後、民進党の元衆院議員擁立で野党がまとまる余地がある。 
 
 民進党の岡田克也代表は参院選に向け、統一候補を新党結成と並ぶ「車の両輪」と位置付けている。共産党の志位和夫委員長は3月31日の記者会見で「1人区の共闘態勢を作るのに全力を挙げる」と重ねて強調した。 
 
 13年参院選の1人区(当時は31選挙区)で29勝2敗と圧勝した自民党は、野党の動きに警戒を強めている。麻生太郎副総理兼財務相は2日、福岡市で開かれた党県連大会で「自民党は参院(定数242)で単独過半数を持っていない。自民党で過半数を得たい」と、非改選を含めて参院の122議席(現在115議席)以上を目指す考えを示した。目標を高く設定し、引き締めを図ったとみられる。3月31日の同党額賀派の会合では「東北を中心に1人区は厳しくなってきた」との意見が出た。安倍晋三首相が最近、「自公」対「民共」を繰り返し強調するのも、危機感のあらわれといえる。
 
 
民進党結成で快進撃 野党結集を拡大し、
小沢・亀井に援軍を頼み、政権奪取を目指す 
しのはら孝(民進党衆院議員)2016年03月31日
<3年越しの党名変更>
 3月27日、やっと民主党から新しい名前の党・民進党が誕生した。私は13年2月5日のブログ「民主党の再生は野田首相の議員辞職と党名変更から始まる」で党名変更を言い出したが、多分1番最初に言い出したと思っている。
 前者はまだ実現していないが、後者は3年かかってやっと実現した。長くかかったが、民主党の再建、政権復帰の第一歩が遅ればせながらやっとスタートしたのだ。遅れた分、今後は脱兎のごとく快進撃を続けなければならない。国民もそれを切望しているはずである。
 
<誰も見向きもしなかった13年参院選の野党共闘>
 12年末総選挙では民主党への失望はあったが、国民・有権者は自民党に戻ったわけではなかった。比例区の票の流れでみると、民主が09年の2984万票から3分の1の968万票と2016万票も減らした。そしてそのほぼ同数の2093万票が、みんな(525万)、維新(1226万)、未来(342万)の3野党に向かっただけだった。この結果をみれば国民は自民党に飽き足らず、政権を担えるきちんとした野党の出現を望んでいることは明らかである。それには、野党統合し、新党で出直すことが政権奪還の一番の早道である。
 
 私は2013年の参院選に向けて、例によって提案ペーパーを書き、31の1人区を5野党統合して闘えば、いくらでも勝てることを表で示して関係者に当たった。民主と維新、みんなが統合すれば13勝18敗。生活、社民まで含めた統合なら25勝6敗であった。ところが、幹部が動かず実現できず、その結果1人区は、民主0、非自民が岩手の平野達男と沖縄の糸数慶子の2人だけ、比例区でも7人という、大惨敗を喫した。なぜ3年前に今の野党統合なり野党共闘ができなかったのかという悔しい思いが先に立つが、3年経ってやっとここまできたかという思いもある。
 
<野党共闘・野党統合に否定だった岡田代表>
 その後14年末の総選挙に際しても維新との統合でどれだけ勝てるか、また11ブロックで共闘したら8~9議席増えることも示した。私は後で知ったが、私の提案ペーパーを持って細野豪志議員他3人が、海江田代表に野党共闘を直談判したが聞き入れられなかった。その時の国政選挙担当は代表代行岡田であり、その後の代表選の討論会では維新と統合しようとしたとして細野を攻撃(口撃?)したのである。
 民主党議員の大半が野党共闘ないし野党統合を模索しているのに頑なに拒否していたのが岡田代表であることを考えると、その後1年余り、よくここまでこれたというのが実感である。しかし、もっと早ければ、すなわち13年参院選前や14年衆院選前なら、もう野党新党は政権復帰していたかもしれないのだ。もっとよく先を見据えてやってほしいというのが私の切なる願いである。
 
<第一に代表選で人心一新  ×新鮮味のない新党体制>
 民主党はいつもToo Lateなのだ。また、失敗をひきずらないために、このメルマガ・ブログで露骨な提案を続けることになる。なぜなら時間がそれほど残されていないからだ。
 野党統合を国民に理解してもらうためには、維新と民主の統合だけでは足りない。ワクワク感を持ってもらわないと参院選の勝利、その後の総選挙での政権交代には結びつかない。そのためには党名や綱領を新しく変えるだけでも足りない。やはり、執行部の陣容を一新し、変わったぞということを国民にわかってもらわなければならない。つまり常識的には代表選が一番である。しかし、岡田‐松野両代表が代表は岡田さんでいき、代表選は参院選後ということを確認事項の6番目で決めている。
 3月27日にはそれに従って、岡田克也民進党初代代表が選出され、新党の人事は、山尾志桜里政調会長が目新しいだけの平凡なものに終わった。 代表代行と目されていた松野頼久前維新代表は一切役職には就かず、江田憲司代表代行となり、民進党は長妻昭、蓮舫と3人の代表代行を抱えることになった。こんな時に大幅に入れ替えなくてもいいと思うが、もう少し工夫したほうがいいというのが一般的だろう。
 
<第二に更なる野党大結集が必要 → 社民・生活・無所属への呼びかけ>
 世論調査では、民進党には6〜7割の国民は期待しないと答えている。3年3ヶ月の政治運営があまりにもひどかったからであり、そう簡単に不信は拭い去れない。しかし、政党支持率が10%に満たないのだから残りの3割が期待してくれていると前向きにとらえてもよいような気がする。 国民はやはり正直である。民進党に「ワクワク感」がないからである。民進党は参院選に向けて大きく変わったということを示していかないとならない。
 人心一新ができないとなると、次は、維新(その分派 改革結集)だけでなく、生活、社民、その他多くの無所属議員にも統合を呼びかけることだ。党内議論の中で岡田代表は、維新以外の党にも広く結集を呼びかけると約束したが、どうも腰がひけている。民進党には小沢元代表への拒否反応があるからである。
 
<政権交代の大功労者は小沢一郎>
 2007年の参院選、小沢代表は1人区を農業者戸別所得補償を引っさげて田舎だけを回り、29の1人区で23勝6敗となり、大勝利をあげた。私は当時ネクスト農林水産大臣として小沢の選挙戦術を垣間見るにつけ、舌を巻いた。
 私は3日間抵抗し続けたが、農業者戸別所得補償と自ら命名し、参院選の目玉政策として位置付けた。そして田や畑を背景にビール箱の上に乗って、農家のおじさん、おばさんを前にしてマイクを握る小沢代表の姿がいつもTVに映し出された。これにより農民に民主党の農政の目玉がすっかり焼きつけられた。こんなことが出来るのは小沢しかいない。今反TPPで32の1人区を徹底的に回れば、07年以上の勝利が可能となるというのに、小沢と同じ感度のいい幹部はいない。
 この大勝利、逆にいうと自民党の大敗北により安倍首相は、秋の臨時国会冒頭で腹痛を理由に突然辞任した。そしてこの勝利をきっかけに、ねじれ国会となり、2009年8月の総選挙で政権交代が実現した。ところが、政権交代に多大な貢献をした小沢の大恩を忘れ、社会保障と税の一体改革を巡り、小沢グループを追い出してしまった
 
<第三に乱世には経験と知恵ある参謀が必要  小沢と亀井に民進党への参画を要請>
 新聞報道によると野党選挙協力のリーダーシップをとり続ける志位和夫共産党委員長も、小沢と亀井静香のアドバイスを受けているという。亀井も自社さきがけ政権を演出した政界再編・政権交代の仕掛け人である。2人と縁もなく考え方も違う志位委員長のほうが素直に耳を傾け、同じ自民党だった岡田代表が2人を遠避けているのは、もったいない話である。社会党左派と組むという大胆な仕掛けを造った亀井、いわゆる農林族でもないのに農業者戸別所得補償の有用性を理解し、それを引っ下げて選挙に臨むという政治勘を持つ小沢の2人は、日本の政界にとって貴重な存在である。
 民進党は、今幸運にも野党側にいる小沢と亀井に頭を下げて参画してもらうことである。かつて野中広務自民党幹事長は小沢・自由党との連携に「悪魔にひれ伏してでも・・」と有名な言葉を残したが、今は2人は多分扉を開けて待っているはずである。そして小沢と亀井を恐れているのは他ならぬ自民党である。岡田新代表が「政権交代のラストチャンス」というなら、自民党を困らすことが必要である。
 
<民主党の名前だけでなく、元幹部も拒否される>
 我々が、野党統合について両院議員懇談会を開いた3月3日同日、野田前首相が「一番足を引っ張った元代表(小沢一郎)さえ来なければいい」「一番ごちゃごちゃ言ったのは元代表でした」と、それこそごちゃごちゃ発言していた。
 私は既に民主党の再生には野田首相の議員辞職が必要と述べた。なぜなら野田前首相こそ羽田元首相の「政権交代後の第1回目の総選挙を勝ち抜き、自民党を10年近く野党の立場に追いやり、日本の政治を変える」という重要な使命を、強引な政権運営と愚かな解散で打ち砕いた張本人だからだ。私は、羽田元首相からこの援軍を頼まれて政界に入り、今もその目的を完遂すべく汗をかいている。
 小沢を民進党に入れるべきでないというのなら、野田はそれ以上に新・民進党にいてもらいたくない政治家である。民主党の名前がいかに嫌われているか、新名称の世論調査で知ったはずである。しかし、それ以上に政権交代を無にした民主党の幹部に対する拒否感が強いこと肝に銘じなければならない。
 最近週刊朝日(4月1日号)で室井佑月が、小沢を民進党に入れないと発言した野田に対し「ゴチャゴチャいってるのは、あんただがね」と反撃し、野田前首相を、バッサリ切ってしまったらいいと切って捨てた。これが大方の国民の声である。
(後 略)