2016年4月16日土曜日

退職強要をした人材会社 徹底調査を

 14日の参院厚生労働委員会理事会で、人材ビジネス会社が大企業と結託して国の助成金を得ながら事実上の退職強要を行っている問題について厚生労働省から報告がありました。
 同省は、人材会社が退職勧奨を企業に提案したり、退職勧奨を直接行うことは「違法であり許されない」とする職業安定局長の通知を人材会社16社に出し啓発指導を行ったものの、各社とも違法な退職勧奨はしていないという回答であったと説明しました。
 
 厚労省がこのように各社に「禁止事項」の通知を出すなどの指導を行ったのは、野党の追及によるものですが、共産党の小池晃議員は、「退職勧奨をしなかったというのは労働者から聞いている実態と違うし、あり得ないことだ」として、徹底調査を求めました
 
 これまで野党側は、パソナの子会社「日本雇用創出機構」×田辺三菱製薬王子ホールディングス×テンプスタッフキャリアコンサルティングによる退職強要の例を挙げて追及しています。
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退職強要 徹底調査を 小池氏 「現場の実態と違う」
しんぶん赤旗 2016年4月15日
 日本共産党の小池晃議員は14日の参院厚生労働委員会理事会で、人材ビジネス会社が大企業と一緒になって国の助成金を使って労働者に退職強要を行っている問題で、厚生労働省から報告を受け、徹底調査を求めました。
 
 理事会で同省は、人材会社が退職勧奨を企業に提案したり、退職勧奨を直接行うことは「違法であり許されない」とする職業安定局長の通知を出し、人材会社16社に啓発指導を行ったと報告。ただし、違法な退職勧奨については各社とも「実績はないとの回答だった」と説明しました。
 こうした厚労省の一連の対応は、深刻な実態にもとづく野党の追及によるものです。
 理事会で小池氏は、「『退職勧奨がない』というのはありえないことだ。労働者から聞いている実態とも違う。この報告では納得できない」と主張しました。
 
 小池氏が国会質問で取り上げた、人材会社最大手パソナの子会社「日本雇用創出機構」による大企業のリストラ支援問題で厚労省がパソナを指導しました。田辺三菱製薬では、パソナに出向させられ、退職勧奨を受けていた労働者に対する「辞めさせ出向」を撤回したことが明らかになっています。
 《啓発指導を受けた16社》 アビリティセンター、インテリジェンス、NTTヒューマンソリューションズ、キャリアバンク、クラレテクノ、シグマスタッフ、テンプスタッフキャリアコンサルティング、日本雇用創出機構、日本マンパワー、パソナ、ヒューマンリソーシス・コンサルティング、マイナビ、マンパワーグループ、三井業際ヒューマンアセット、リクルートキャリアコンサルティング、ランスタッド
 
 
首切り支援は違法 厚労省通知16社を指導 野党共闘が政治動かす
しんぶん赤旗 2016年4月15日
 人材ビジネス会社が大企業と一緒になって国の助成金を使い、労働者に退職を強要している問題で、厚生労働省が「違法であり許されない」とする通知を出し、人材会社16社に啓発指導を行っていたことが14日、明らかになりました。同日の参院厚労委理事会に同省が報告。日本共産党、民進党など野党の連続追及の成果であり、野党共闘が政治を動かす力であることを示しています。
 
 これは、安倍内閣が「失業なき労働移動」の名で支給した「労働移動支援助成金」を使って、大企業が人材会社にリストラを委託しているもの。労働者を「リストラ部屋」に入れるなど退職強要をしている問題です。
 
 厚労省は3月14日付で、日本人材紹介事業協会と全国民営紹介事業協会に対して、「自由な意思決定を妨げる退職強要は違法行為であり許されない」「企業に退職勧奨を提案したり、直接、退職勧奨を実施することは不適切」とする職業安定局長通知を出しました。同28日には、こうした場合は助成金を支給しないことを通知しました。
 
 厚労省は4月6日までにパソナ、リクルートコンサルティング、日本マンパワーなど16社を呼び、退職強要は違法だとする最高裁判例も示して啓発指導を行いました。こうした対応はこれまでなかったことです。
 今国会で日本共産党の高橋千鶴子衆院議員や小池晃参院議員が追及。小池氏は、パソナ子会社が、各社からリストラ対象者を出向で受け入れて退職強要している問題を取り上げ、「“辞めさせ出向”とも言うべき手法だ。大企業リストラのシステムがつくられ、国の労働移動支援助成金が出されているのは大問題だ」とただしました。
 
 民進党は、大西健介衆院議員や津田弥太郎、川田龍平(同党会派)両参院議員らが追及。大西氏は、王子ホールディングスとテンプスタッフキャリアコンサルティングによる退職強要を取り上げ、「“首切りビジネス”だ。失業なき労働移動とは名ばかりだ」と批判していました。