10日、G7=主要7か国の外相会合が広島市で開幕し、核軍縮に向けた取り組みをはじめ、テロや難民問題への対応、それに東アジアの安全保障環境を巡っても意見が交わされる見通しですですが、それと並行して市民たちが、核兵器廃絶を求める活動に取り組んでいます。
海外の多くのメディアの集まる広島国際会議場では、被曝体験伝承者が講和を行うスペースが設けられたり、広島と長崎の原爆写真の展示や原爆に関わるDVDも上映されています。
また、核兵器の廃絶を訴えるNGOが広島市でシンポジウムを開き、広島や長崎の被爆者や高校生など、およそ100人が参加しました。
そして最後に核兵器禁止条約の早期実現を求める共同声明を採択しました。共同声明は10日付けで外務省をはじめ、日本にある各国の大使館やニューヨークの国連本部に送られたということです。
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広島市内で市民ら核廃絶の活動
TBSニュース 2016年4月10日
被爆地・広島市では初の開催となるG7外相会合に合わせて、市民たちが核兵器廃絶を求める活動に取り組んでいます。
国内外から多くのメディアが集まる広島国際会議場では、被爆者や広島市が養成している被爆体験伝承者が講話をするスペースが設けられています。ここでは、広島と長崎の原爆写真の展示や原爆に関わるDVDも上映されています。
「自分たちの国で習ったことと実態は違うじゃないかと感じて帰っていただく。非常に意味のある活動だと思う」(伝承者 辻靖司さん)
これまでに海外メディアの3人が講話を受けたということで、伝承者は熱心に講話を受けてくれて被爆の実態への理解が深まったように感じたと話していました。
「G7が先進主要国だと称するのなら、この地球上から核兵器をなくすための先頭に立つべきだと被爆者は思います」(広島の被爆者)
市内では、被爆者らが参加して核兵器禁止条約の制定を求めるシンポジウムも開かれました。
核兵器禁止条約の早期実現を G7外相会合に合わせシンポ
NHK NEWS WEB 2016年4月10日
10日始まったG7=主要7か国の外相会合に合わせて、核兵器の廃絶を訴えるNGOが広島市でシンポジウムを開き、核兵器禁止条約の早期実現を求める共同声明を採択しました。
シンポジウムはG7外相会合に合わせて、核兵器の廃絶を訴えるNGOが広島市で開き、広島や長崎の被爆者や高校生など、およそ100人が参加しました。
はじめに日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の事務局次長で、1歳の時に広島で被爆した藤森俊希さん(72)が講演し、「G7が世界の先進7か国というなら、核兵器の廃絶でも世界の先頭に立つべきだ」と述べました。
このあと行われた議論ではG7の各国に対して、核兵器に依存した安全保障政策から決別すべきとか、核兵器の非人道性について認識をはっきり示すべきといった意見が出されました。
そして、最後に核兵器の製造や保有を全面的に禁止する核兵器禁止条約の交渉開始に向けた議論に積極的に参加することを求める共同声明を全会一致で採択しました。共同声明は10日付けで外務省をはじめ、日本にある各国の大使館やニューヨークの国連本部に送られたということです。
藤森さんは「各国の外相は被爆地の思いをしっかりと重く受け止めて、今回の会合を核兵器の廃絶につなげるきっかけにしてほしい」と話していました。