芥川賞作家の目取真俊(めどるま・しゅん)さんが4月1日、辺野古基地周辺で在日アメリカ軍の警備員に身柄を拘束されました。
集団でカヌーに乗って基地建設への抗議活動をしていたとき、カヌーをフロートの中に入れて乗ろうとしていたメンバー1人を軍警備員が拘束しようとしたのを、目取真さんが止めに入ったところ拘束されました。
目取真俊さんは沖縄県の出身で辺野古基地の建設への抗議活動を続けており、それらのことをご自分のブログ「海鳴りの島から」に精力的に発表しています。
3月31日の同ブログも併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目取真俊さんをアメリカ軍が拘束 辺野古で抗議の芥川賞作家
ハフィントンポスト 2016年04月01日
芥川賞作家の目取真俊(めどるま・しゅん)さんが4月1日、辺野古基地の予定地周辺で在日アメリカ軍の警備員に身柄を拘束された。集団でカヌーに乗って基地建設への抗議活動をしていたとき、フロート内のアメリカ軍提供水域の中に入った刑事特別法違反の疑いとみられる。沖縄タイムスなどが報じた。
同紙によると辺野古基地に反対するカヌー隊が、アメリカ軍側に身柄拘束されるのは初めて。カヌーをフロートの中に入れて乗ろうとしていたメンバー1人を、アメリカ軍警備員が拘束しようとしたため、目取真さんが止めに入ったところ、警備員は目取真さんを拘束したという。
■目取真俊さんとは?
コトバンクによると、目取真俊さんの本名は島袋正。1960年、沖縄県に生まれる。同県で高校の国語教師を務めたのち文筆に専念。沖縄の風土と戦争を描き続け、評論も多い。1997年の「水滴」で第117会芥川賞を受賞した。他に小説「魂込め(まぶいぐみ)」「虹の鳥」、評論「沖縄『戦後』ゼロ年」などがある。
目取真さんは辺野古基地の建設への抗議活動を続けており、「新基地の建設は、米軍が行う戦争のさらなる継続を意味します」と週刊朝日に話していた。
高江のヘリパッド建設阻止に向け集会に参加。
海鳴りの島から 目取真俊 2016年3月31日
31日は所用のためカヌーの活動は休み、午後から高江のN1ゲート前で開かれた集会に参加した。前日、沖縄防衛局の職員がやってきて、N1とN4のゲート前に置かれた車両の撤去に向けた動きを見せている。辺野古の工事が中断している間に、高江のヘリパッド建設再開をもくろみ、翁長県政を揺さぶろうという魂胆である。
現地で監視活動を行っている皆さんを中心に、沖縄防衛局の策動を許さないで追い返したとのことで、31日はさっそくN1の現場で集会を開き、何かあればすぐに駆け付けて阻止行動をとるという意思を示した。
集会のあと新緑を眺めた。辺野古の海の青と高江の森の緑。どれも心が洗われる。人の手では作り出せない自然の美しさと豊かさを実感する。こういうヤンバルの自然が軍事基地建設のために破壊される。考えただけで怒りが湧くが、実際に阻止するためには現場で体を張らなければならない。やりたいこともできず、自分の時間が失われるが、誰かがやらなければならない。
N4の近くに自生していたカクチョウランを見に行ったのだが、根こそぎ取られていた。代わりにコモウセンゴケの群落を見に行った(写真説明)。
N4のゲート近くに設置された2基の監視カメラ(写真説明)。N4のヘリパッドは完成されたが、ゲートを車両で封鎖することによって、米軍の演習は制約を受ける。車両が撤去されれば、N4で野営訓練などが行われ、ヘリパッドの使用頻度が増すのは明らかだ。
住民には自分たちの生活を守る権利がある。MV22オスプレイの沖縄配備は沖縄県民を欺き、県内の圧倒的な反対意見を無視して強行された。そのオスプレイが使用するヘリパッドの建設を強行したこともまた許されないことだ。
沖縄は米軍が好き勝手に使える軍事植民地ではない。監視カメラを設置して脅し、反対運動を萎縮させようというのが沖縄防衛局の狙いだろう。どこまでも米軍にこびへつらう御用機関である。
高江の共同売店が閉店する。N4のヘリパッド建設阻止行動に通っている間、毎日お世話になった。残念でならないが、深く感謝したい。最後に買い物をして、高江を後にした。