2016年4月9日土曜日

円急騰は安倍首相の“自爆”発言が原因 アベノミクスに自らが幕引き!!

 安倍首相がアベノミクスを有効であるかのごとく豪語できたのは、ひとえに円を大量に発行して円安を誘導した結果「株高」が演出されたせいでした。
 逆に「円高」になると株は下がり、輸出依存企業の業績は急落するので全巻の終わりです。1ドルが110円になった時点で虚妄のアベノミクスはスタート前の状態に逆戻りしたとされましたが、110円の壁も軽く突破して105円に向かう勢いです。そうなれば市場は阿鼻叫喚になると言われています。
 
 1ドルが107円まで上がったのは、実は米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の6日付けのインタビュー記事で、安倍首相が通貨安競争は絶対に避けなければならない」「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」などと発言したため、市場は「円が急騰しても日本政府は介入しない」と受け止め、さらなる「買い」を誘発したためということです。
 自分たちが演出してきたことと真反対のことを口にしたため、いまさら掌を返すわけにもいかず・・・アベノミクスの末路は自分の口害・自爆で幕を引くという恰好になりました。
 
 円安操作以外には何もやってこなかったのに、米紙のインタビューで恰好をつけたかったのでしょうか?
 いずれにしてもトップにある人間が考えなしの発言をして、わざわざ自らの手を縛るとは絶句ものです。
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発言裏目で円急騰 安倍首相“自爆”が招くアベノミクス終焉
日刊ゲンダイ 2016年4月8日
 加速する円高、株安に安倍政権は真っ青だ。7日の円は一時、1ドル=108円台まで買われ、同日の日経平均は34円48銭高とはいえ、前日までは約3年5カ月ぶりに7営業日続落。この間の下げ幅は1400円超で、6日の終値1万5715円36銭は約2カ月ぶりの安値水準だった。もっとも、拍車を掛けたのは当の安倍首相だから、泣くに泣けない展開である。
 
 市場が反応したのは、6日に掲載された米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビュー。本人は伊勢志摩サミット前の国際PRのつもりでいたのだろう。5日午後4時過ぎに取材を受けた安倍首相は、「通貨安競争は絶対に避けなければならない」「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」などと発言したのだ。
 市場は「円が急騰しても介入しない」と受け止め、さらなる「買い」を誘発。円安株高が生命線のアベノミクスを自らの手で幕引きした格好なのだから、マヌケな話だ。
 
■マーケットが“無視”
 経済評論家の山崎元氏は、「取材当日は円高が進んでいる最中でしたから、WSJが質問を投げるのは当然の流れ。それに、安倍首相は“原則論”で応じてしまった」とこう続ける。
「為替操作が疑われる中国や韓国が念頭にあり、先進国メンバーとしてスタンスの違いを打ち出したかったのでしょうが、〈相場が急変した場合は、その限りではない〉とか、ひと言あってもよさそうなもの。マーケットの動向に敏感な安倍首相なら、なおさらです。海外の投機筋は、どこまで円高に振れるか試しているので、あと5円程度は円高に動いてもおかしくありません
 
 5日には日銀、財務省、金融庁の幹部が顔をそろえ、国際金融資本市場について意見交換する定期会合を開いた。円高を牽制するもくろみだったが、安倍首相の口が災いしてすべてパー。日銀の黒田総裁はマイナス金利による円安効果を盛んに強調しているが、マーケットから無視されている。
 3月の日銀短観によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は2四半期ぶりに悪化。大企業製造業の2016年度の想定為替レートは1ドル=117円46銭で、このままでは業績の下方修正は避けられない。保守的なトヨタは115円の設定だが、1円のブレで営業利益が200億円も吹き飛んでしまう。
 このところの安倍首相は、やることなすこと裏目だ。待機児童問題を突き放したことで子育て世代の反感を買った。「どうせ消費増税を再延期するなら、今年の春闘前に発表しておけばベアはもっと期待できた」(市場関係者)との声も上がる。完全に策に溺れている。