辺野古への新基地建設阻止に向け結成された「『沖縄建白書』を実現し未来を拓く オール沖縄 那覇の会」は20日、2016年度総会と講演会を開きました。
小林節慶大名誉教授は講演で、辺野古新基地建設について、「国策のために特定の自治体に新基地建設の負担を掛けるときは憲法95条の精神により住民の承認が必要なのに、それをしないで強行するのは露骨な憲法違反だ」と訴えました。
憲法学者の木村草太氏も、雑誌「世界」6月号(「講演録 住民投票なくして『辺野古新基地建設』はあり得ない」)で、他国の軍の基地を新設することは国政の重要事項なのだから、設置根拠となる法律を作ることが必要で、憲法95条に基づいて、特定の地方公共団体にだけ適用される特別法は「住民投票」での同意を得なければ制定できないと述べています。
憲法95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。
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辺野古新基地は「露骨な違憲」 小林氏、95条抵触と指摘
琉球新報 2016年4月21日
名護市辺野古への新基地建設阻止に向け結成された「『沖縄建白書』を実現し未来を拓く オール沖縄 那覇の会」は20日、那覇市のパレット市民劇場で2016年度総会と講演会を開いた。講演には憲法学者の小林節慶応大名誉教授が登壇し、新基地建設について「露骨な憲法違反だ」と訴えた。約430人(主催者発表)が集まった。
地方特別法を制定する場合に住民投票で賛成を得る必要性を求める憲法95条をひもときながら「国策のため特定の自治体に負担を掛ける時は住民による承認が必要。すなわち(住民には)拒否権がある。『95条の話ではない』と政府は開き直っているが、95条の精神によれば立派な憲法問題だ」と指摘した。
野党共闘などの動きを紹介しながら「オール沖縄の成功が勇気を与えている」と述べ、沖縄の取り組みが全国的に影響を与えていることを強調した。
また「安倍政権はわれわれから自由を奪っている。議論を封鎖した民主主義は存続しない。必ず勝てる。次世代に公正で幸福な時代を伝えよう」と訴えた。
翁長雄志知事もあいさつで登壇し「これからあらためて力強く活動できることをうれしく思う。県民の力を一つにすれば壁を打ち壊すことができる」と述べた。
講演に先立ち開かれた第1回総会では2015年度に引き続き、城間幹子那覇市長など7人の共同代表を再任した。