2016年4月8日金曜日

安倍首相のガソリン代 毎年「地球10~13周分」こそ不可解

 待機児童問題追及などで若手論客として人気の高まっている民進党の山尾志桜里衆院議員について週刊新潮がガソリンの使用量が“地球5周分”に値するなどと報じたために、「高額すぎるガソリン代」問題が突然降りかかりました。一部メディアも「不自然」、「ウラ金」などと取り上げました。
 
 それに対して山尾議員は6日、記者会見を開いて「ガソリンのプリペイドカードを大量に購入したというような事実はない。したがって大量のプリペイドカードが換金をされたとか、カードが関係者や有権者に配布をされたとかいうた事実はない」、と否定しました。
 そしてガソリン代を月別に調べたところ、月に30万円を超えたのは疑惑の期間とかぶる11年8月から12年5月の期間だけであり、これは、山尾氏の事務所に在籍した会計担当の元公設秘書の在職期間とほぼ合致しているとして、「多額のガソリン代金の支出にこの秘書が関与している蓋然性が相当に高いと判断をしている」「今後、必要な法的処置をとる」と述べたました
 “辞めた秘書による使い込み”の蓋然性が高いということです
 因みに山尾議員の支部ガソリン代は、13,14年分は80万円台に止まっているということです。
 
 ところが首相を筆頭に安倍内閣の閣僚の方こそ、もっと“不自然に”高額なガソリン代を計上していたことが、日刊ゲンダイの調べで明らかになりました。
 まず安倍首相の「ガソリン代」11年分は592円、12年分は573万円13年は555万円、14年分は500万円(万円未満は四捨五入 以下同)、毎年毎年地球を10周~13周していることが分かりました。
 問題は台数ですが自動車保険額からはたった1台と推定されるということです。
 他にも馳文科相が代表を務める政党支部も、11~14年に毎年200万~300万円菅官房長官はは14年分こそ約79万円だが、11~13年は毎年約200万円でした。
 
 山尾議員は安倍首相の天敵として有名だったので、官邸は必死にアラ探しをしていると言われていました。この週刊新潮による報道の件にも官邸が絡んでいることは十分に考えられます。しかし結果的に自分たちの墓穴を掘りました。 
 日刊ゲンダイは、「メディア若手野党議員を攻める前に最高権力者こそ追及すべきじゃないか」としています
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これこそ不可解  安倍首相のガソリン代は「地球13周分」
日刊ゲンダイ 2016年4月6日
 待機児童問題で一躍脚光を浴びた民進党の山尾志桜里衆院議員(41)に突然降りかかった「高額すぎるガソリン代」問題。山尾議員の政党支部が2012年の政治資金収支報告書で「ガソリン代」として支出した230万円が、“地球5周分”に値すると週刊新潮が報道し、「不自然」「裏金では」と一部メディアに叩かれている。ところが、本紙が調べたところ、首相を筆頭に安倍内閣の閣僚こそ、もっと“不自然に”ガソリンを給油していた実態が明らかになった。
 
■毎年500万円を巨額計上
「選挙がある年は、秘書や職員の移動が頻繁になる。複数の車を使い、ガソリン代が数百万円になることはそう珍しいケースではない」――こう話すのは、野党のベテラン国会議員だ。週刊新潮の報道によると、山尾議員の政党支部が12年に「ガソリン代」として支出した金額が約230万円なのに対し、13、14年分は80万円台にとどまる。12年の衆院選の際に特別に費用がかさんだとみるのが自然だ。
 ところが、安倍内閣の閣僚は選挙の有無などお構いなし。毎年毎年、不自然過ぎるほどにジャブジャブとガソリン代を計上しまくっているのだ。
 
 安倍首相が代表を務める「自民党山口県第4選挙区支部」の収支報告書(11~14年分)に記載された「ガソリン代」をチェックすると、11年分は591万7362円だった。山尾議員の政党支部の支出の2.5倍超に当たり、単純計算でナント、地球13周分に相当。距離にして約54万キロに及ぶ。衆院選があった12年分は573万2858円で、やはり約13周も地球をグルリと回れる計算になるのだ。13年は554万6613円、14年も499万6215円とガソリンを湯水のごとく使っていたことが分かる。
 
 総理大臣の事務所となれば大勢のスタッフと何台もの車を抱えているのかもしれないと、14年の収支報告書を精査すると、11月26日に「自動車保険」代金として10万6340円支出していることが分かる
「自損、他損事故にかかわらず広く補償が利く自動車保険は、高級車になるほど保険料が高くなる。一般的には1台当たり5万円程度だが、政治家が所有する車なら1台当たり10万円程度が妥当でしょう」(自動車保険に詳しい中古車販売業者)
 仮にたった1台の車なら、1年間に54万キロも走行できるとは到底思えない。安倍首相のガソリン代はどう見ても不可解である。
 
■馳文科相も、菅官房長官も…
 ガソリン代が“高額過ぎる”閣僚は、他にもいる。
 馳文科相が代表を務める政党支部も、11~14年に毎年200万~300万円もガソリン代を支出している。さらに怪しいのは菅官房長官。14年分こそ約79万円だが、11~13年は毎年約200万円だ。安倍首相の選挙区の面積が約1000平方キロで、馳大臣が470平方キロなのに対し、菅官房長官の選挙区はわずか40平方キロ。そんなに狭い選挙区内でセコセコと動き回ることが可能なのか。疑惑は膨らむばかりだ。
 政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大教授はこう言う。
 
「安倍首相と菅官房長官、馳大臣は、山尾議員のケースとは違って、選挙がないにもかかわらず、毎年高額なガソリン代を計上しています。特に安倍首相は山尾議員の2倍以上の金額です。“使途不明金”の疑惑は山尾議員以上に深いと言わざるを得ません。最低でも自らの政党支部が支出したガソリン代の中身について、明確に説明する責任があります」
 
 日刊ゲンダイ本紙の問いに、安倍、菅、馳各事務所は一様に「政治資金規正法にのっとり適正に処理している」と返答した。
 メディアも若手野党議員を攻める前に最高権力者を追及すべきじゃないか