2022年2月10日木曜日

10- 連合党に堕した立民の前途多難

 就任以来、繰り返し共産党嫌いを鮮明にしている芳野・連合会長は異常としか言いようがありませんが、それにも関わらず嬉々として従おうとしている立民党の泉代表もまた枝野前代表と同様に失格というしかありません。

 7月の参院選が徐々に近づく中、いまや連合の軍門に下った立民党はとても野党の中核とはなり得ません。ではどうすればいいのか。
 植草一秀氏は、「『れいわ+αをこれからの野党中核に位置付けるのが適正で、『れいわ共生党を創設してほしい述べました。
 日本政治刷新を求める分厚い主権者は戦争法制の廃止」、「原発の廃止」、「弱肉強食政策から共生政策への転換」、「消費税廃止・減税4つ基本政策を求めているとして、その意向を代表する政治勢力中核政党候補たりうるのは「れいわ+α」だと述べています。
 そして参院選までの時間的制約を考慮すると、「れいわ」の成長を待つのでは遅く「α」としては立民党から有志社会民主党との連帯考えられるとしています。
 いずれにしても確固たる中核野党を構築することで、分厚い主権者層支持を得て「連合バブル」を破裂させることが求められるとしています。
 以下に紹介します。
 併せて高野 猛氏の「永田町の裏を読む」の記事「なぎ(凪)のような政局のまま参院選を迎えたら野党はどうなるか」を紹介します。
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連合党に堕した立民の前途多難
                植草一秀の『知られざる真実』 2022年2月 9日
「れいわ+α」をこれからの野党中核に位置付けるのが適正だ。「れいわ共生党」を創設してほしいと考える。
立憲民主党に中核野党の役割を期待したが期待に応えなかった。立憲民主党は残念なことに連合の軍門に下った。
連合は「労働者の代表」、「政治刷新を求める市民の代表」でない。連合は「大資本の利害を代弁する存在」に堕している。
「大企業御用組合連合」と呼ぶのが適切な「六産別」が連合を支配している。「六産別」は電力、電機、自動車、鉄鋼、機械・金属、繊維・流通などの産業の大企業御用組合。
政策路線として、戦争法制容認、原発容認、消費税・弱肉強食政策容認 の色彩を色濃く持つ。自民党の支援母体になるのが適切な団体である。

実際、連合は自民党にすり寄る行動を示している。連合の支配下にあるのが国民民主党。
連合傘下の政党は国民民主党ひとつで十分過ぎるが、立憲民主党も連合傘下に移行してしまった。これでは、日本政治刷新を求める主権者は立憲民主党を支持できない。
昨年10月総選挙で主権者の立憲民主党離れが鮮明になった。総選挙後に立憲民主党は連合寄りのスタンスをさらに鮮明にした。ますます国民支持は低下することになるだろう

日本政治刷新を求める主権者は基本政策の転換を求めている。
  戦争法制の廃止
  原発の廃止
  弱肉強食政策から共生政策への転換
  消費税廃止・減税
の基本政策を求めている。この基本政策を共有する市民と政治勢力の連帯が必要不可欠。
これが「政策連合」の考え方。「政策連合」を構成する中核政党が必要不可欠だ。

立憲民主党が右旋回して、国民民主党や維新と区別がつかなくなった。
立憲民主党・維新・国民民主党・都民ファーストがひとつにまとまるのが良いのではないか。
自公に類似する「第二自公」が構築されるだろう。「第二自公」の特徴は「守旧勢力」であること。
自公と第二自公が主役の政治は「守旧政治の半永久化」を意味する。
日本の主権者がそれで良いと考えるなら、それは日本の主権者の選択ということになる。

しかし、現実には日本政治刷新を求める分厚い主権者層が存在する
この分厚い主権者層の意向を代表する政治勢力、中核政党が必要だ。
その候補になるのが「れいわ+α」だ。
「れいわ」は奮闘しているが、まだ中核野党の水準には到達していない。
「れいわ」を地道に中核野党に育て上げることも考えらえるが、長い時間を要してしまうことが懸念される。そこで「れいわ+α」のステップアップを試みることが検討されるべきだ。

立憲民主党内には改革派の議員、議員候補が存在する。立憲民主党から有志が離脱してれいわと連帯する。社会民主党との連帯も考えられる。
日本政治刷新の方向性を明確に示す中核野党が出現すれば分厚い主権者層がこの政党を強く支持することになる。

立憲民主党と国民民主党は「連合党」と化しているが、連合を支配する「六産別」加入労働者は労働者全体の6%しかいない。この6%の人々の一部は自民党支持者であることも考えられる。
連合の存在が過大に報じられているが連合の影響力は格段に低下している。連合加入労働者の4割は「非六産別」労働組合加入者。
真の中核野党を構築して膨張している「連合バブル」を破裂させることが求められる。

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永田町の裏を読む
凪のような政局のまま参院選を迎えたら野党はどうなるか
                      高野 猛 日刊ゲンダイ 2022/02/10
 どの世論調査を見ても、政党支持率での立憲民主党の凋落、日本維新の会の後塵を拝する野党第2党の座への定着がはっきりしてきて、このままでは夏の参院選では議席の面でも維新に猛追されることになるのは間違いない。
 読売・日本テレビの2月7日付調査では、岸田内閣の支持率は約3週間前の前回と比べて8ポイント減って58%まで下がったけれども、だからといって野党に支持が傾くわけではなく、政党支持率は自民40%(前回41%)に対して維新7(同6)、立憲5(5)、共産2(2)、国民1(2)、れいわ1(0)とほとんど動きがない。ベターッとした凪のような政局である。
 このまま何も目覚ましいことが起こらずに参院選を迎えるとどうなるか。ベテラン選挙プランナーの三浦博史が1月27日付の毎日新聞夕刊で予測を出していた。改選124議席のうち自民は現在54を占めるが結果は4議席増の58議席公明は改選14をそのまま維持するので、与党は非改選と合わせて140議席に達する。それに対して野党で伸びるのは維新で、改選数6を倍以上の14にまで飛躍させる。ところが立憲と共産と国民はいずれも1減で、野党全部を合わせても5増の48議席となり、非改選と合わせても94議席が精いっぱいというところ。まあ妥当な見通しだろう。
 その最大の要因は、立憲が先の総選挙での野党選挙協力の積極面の評価をきちんと打ち出すことができず連合労組の顔色ばかりうかがって「共産と組んだから保守票が逃げた」などと幼稚園レベルの総括しかできずに、オロオロしたぶざまな姿をさらしていることによる。
 野党第1党は常に斬り口鮮やかに遠慮ない言葉を発し、傷つくことを恐れずに突っ込んでいく野蛮さを持たなければ有権者に見向きもされないだろう。

高野  1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。