2022年2月13日日曜日

米軍が無人攻撃機の鹿屋基地配備を計画 多数の民間人殺傷した「死神」

 無人攻撃機はブッシュ大統領時代に開発され、オバマ大統領になってからテロ対策として、主として中東で積極的に使用されるようになりました。特にパキスタンでは、アフガン国境から侵入する武装勢力を駆逐するためと称して大々的に用いられ、オバマ大統領就任以降2012年1月までの期間に延べ260回使用し、民間人約540人(うち60人以上は子供)が犠牲になりました。
 その手法は、軍人ではないCIA職員が米本国の遠隔操縦施設で無人機から送られてくるTV画面を見ながらミサイルの発射ボタンを押して殺害行為を行うという違法なもので、これまでミサイルの爆撃では周囲の民間人を多数巻き添えにしてきました。
 2013年に入ってようやく国連のメスが入り、国連の潘基文事務総長は8月13日、パキスタンの首都で講演し、米国によるパキスタン領内での無人機攻撃は「国際人道法に従って行われるべきだ」と語り、米政府の運用方法を批判しました。
 しかし国民に厭戦気分が蔓延している米国は、無人機攻撃であれば国民から直接反対を受けることなく実行できるという理由から自制しませんでした。

 海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)への米空軍MQ9無人攻撃機の配備計画が浮上し、市民に不安が広がっています。
 防衛省九州防衛局は9日、鹿屋市への説明資料で、鹿児島沖などでの中国軍の活動の活発化などをあげ、「海洋における情報収集活動」を念頭に、鹿屋基地へのMQ9の「一時展開」を検討しているとしました。しかし情報収集のために無人攻撃機を配備するというのはおかしな話で、中国を念頭に置いた米軍の攻撃態勢強化であることは明らかです。
 しんぶん赤旗が報じました。

 無人機による違法な攻撃については、当ブルグではこれまで数えきれないほど取り上げてきました。初期の頃の記事を5点紹介します。
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「死に神」無人機 米軍が鹿屋基地配備計画
中東で再三誤爆 多数の民間人殺傷 「米軍基地化せず」の協定にも違反
                       しんぶん赤旗 2022年2月12日
 海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)への米空軍MQ9無人攻撃機の配備計画が浮上し、市民に不安が広がっています。同機の通称「リーパー」は「死に神」を意味します。米軍主導の「対テロ」戦争に投入され、多くの民間人の命を奪ってきた殺りく兵器です。
 防衛省九州防衛局は9日、鹿屋市への説明資料で、鹿児島沖や沖縄近海での中国軍の活動の活発化などをあげ、「我が国周辺地域における情報収集態勢の強化」が「喫緊課題」だと強調。「海洋における情報収集活動」を念頭に、鹿屋基地へのMQ9の「一時展開」を検討しているとしました。中国を念頭に置いた米軍の態勢強化であることは明らかです。
 今月下旬以降、米軍と防衛省・自衛隊による合同現地調査を行う方針。地元紙は7機、米兵100人程度の配備が検討されていると報じています。
 米空軍の資料は、MQ9の主要任務として、情報収集に加え、「精密打撃」をあげています。戦車などを破壊する空対地ミサイル・ヘルファイアなど、最大8基のレーザー誘導兵器が搭載可能としています。米軍は2007年以降、同機をイラクとアフガニスタンに投入。多くの誤爆で一般市民を殺傷しています。昨年8月29日、米軍のアフガン撤退による混乱の中、カブール市内で民家を誤爆し、子ども7人を含む10人の民間人を殺害したのも、MQ9でした。
 九州防衛局は鹿屋への「一時配備」にあたり、「武器は搭載しない」と説明していますが、その担保は何ら示されていません。米軍はどのような武器を搭載するかを含め、日米安保条約の下で運用の自由が全面的に保証されており、日本側に米軍の装備を点検する権限はありません。
 かつて、旧日本軍の特攻隊の出撃基地だった鹿屋基地。現在は海自哨戒機の拠点です。在日米軍再編計画に伴い、KC130空中給油機のローテーション展開が決定されましたが、市と防衛局が16年にかわした協定書は、「訓練の拡大や米軍基地化は考えていない」と明記しています。
 しかし、18年には米海兵隊MV22オスプレイの展示飛行を実施。さらにMQ9の配備が強行されれば、文字通りの「米軍基地」となります。米中対立の中、鹿児島県が米軍の出撃拠点になり、同時に標的となる道を歩んではなりません。