2022年6月24日金曜日

核兵器禁止条約 第1回締約国会議開幕 新日本婦人の会が声明

 オーストリアのウィーンで21日、核兵器禁止条約第1回締約国会議が始まりました。23日までの日程です。日本政府は核兵器禁止条約に調印せず、せめて締約国会議にオブザーバーとして参加することを海外からも勧められていましたが、それにも応じませんでした。

 新日本婦人の会が、第1 回締約国会議にむけて声明を出しました。
 しんぶん赤旗の記事と併せて紹介します。
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第1回締約国会議開幕 核兵器禁止条約 「ますます重要に」新たに3カ国批准
                       しんぶん赤旗 2022年6月22日
 【ウィーン=島田峰隆】オーストリアの首都ウィーンで21日、核兵器禁止条約第1回締約国会議が始まりました。23日までの日程です。議長に選出されたオーストリア外務省のアレクサンダー・クメント軍縮局長は「核兵器禁止条約そのものと人類全体の願いである核兵器のない世界に向けて強力なメッセージを送れると確信している」と話しました。
 クメント氏は、軍拡競争の激化や核兵器使用の威嚇に懸念を示し、「禁止条約はますます重要で貴重なものになっている。今ほどこの条約が求められているときはない。締約国会議の機会にこの若い条約を強化しよう」と強調しました。
 国連のグテレス事務総長がビデオメッセージを寄せて「核兵器がわれわれを絶滅させる前に核兵器を廃絶しよう」と会議の成功に期待を表明しました。
 締約国のほか、署名だけを済ませた国など約30カ国がオブザーバー参加しています。20日にカボベルデ、グレナダ、東ティモールの3カ国が条約を批准し、締約国は65カ国となりました。
 会議には日本共産党から笠井亮衆院議員が党代表として参加しています。


核抑止論 通用せず 条約会議 各国次々訴え
                       しんぶん赤旗 2022年6月23日
 【ウィーン=島田峰隆】オーストリアの首都ウィーンで21日に開幕した核兵器禁止条約第1回締約国会議で、各国による発言が始まりました。多くの国が、ウクライナ侵略を続けるロシアによる核兵器使用の威嚇を念頭に、核抑止力論は通用しないと強調し、核兵器禁止条約の実践にこそ危機打開の道があると訴えています。
 20日に締約国になったばかりの東ティモールのマグノ外相は「核保有国による最近の核の脅しが地域の緊張を高めている。このことは、私たちがいかにもろい安全保障環境の中で暮らしているかを示した」と指摘しました。核使用の威嚇は他の国が抑止を理由に核兵器を持つことを正当化することになる」と批判。東ティモールは核軍縮に向けた外交的努力を強めると強調し、禁止条約に未参加の国々に署名や批准を呼び掛けました。
 オーストリアのシャレンベルク外相は「核兵器が安全を保障するという論理は基本的に誤っている。抑止とは核兵器を実際に使う準備があるということだ」と述べました。「新たな道を示しているのが禁止条約であり、その力を信頼している」と語り、核兵器廃棄の道筋や被害者援助など条約の具体化を進めようと訴えました。
 ニュージーランドのトワイフォード軍縮・軍備管理相は「ロシアのプーチン大統領の威嚇は核兵器による破滅の瀬戸際に私たちを追いやっている」と批判。「私たちは人類と法の支配を守らねばならない。核兵器禁止条約はその方向に向けた重要な一歩だ」と語り、署名・批准国を増やすことを呼び掛けました。


核兵器禁止条約第1 回締約国会議への声明
                                2022 年6 月
                                新日本婦人の会
         今こそ、核兵器の禁止から廃絶へ行動を

 新日本婦人の会(新婦人)は 1962 年に創立、国連経済社会理事会の特別協議資格を持つ非政府組織(NGO)として、平和と核兵器廃絶、女性の権利とジェンダー平等をめざして活動しています。目的の第一に核戦争阻止を掲げ、被爆者とともに運動を続けてきた会として、核兵器禁止条約第1 回締約国会議の開催を歓迎します。

核兵器使用を許さない
 第1 回締約国会議は、ロシアによる国連憲章違反のウクライナ侵略が続き、核兵器使用の危険が現実のものとなる中で開催されています。世界各地で市民が「戦争反対」「ロシア軍は撤退を」「核兵器を使うな」と行動し、ロシア国内からも声が上がっている一方で、軍事費増や軍備増強の動きも起こっており、平和と人権を守り、持続可能な世界の実現へと国際社会が積み重ねてきた努力が壊されかねない事態となっています。この締約国会議は、核兵器の使用やその威嚇は絶対に許されず、軍事ではなく国連憲章にもとづく解決をと世界に発信する、極めて重要な場です。
 唯一の戦争被爆国である日本の政府は、核抑止は必要との立場から 2017 年の核兵器禁止条約交渉会議に出席すらしませんでした。条約採択後、私たちは日本政府に条約参加をはたらきかけてきましたが、いまだにその意思はないという姿勢です。この重要な第1 回締約国会議にも、せめてオブザーバー参加をとの被爆者や多くの市民の要請にもかかわらず、出席していません。「戦争しない」と誓った憲法9 条に反して先制攻撃を可能にするような検討や軍事費倍増の計画を表明し、一部には「核の共有」の議論さえ行われています。被爆国であってはならないことです。
 核兵器禁止条約は前文で、「核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道上の帰結を深く憂慮し、その結果として核兵器が完全に廃絶されることが必要であり、これがいかなる場合にも核兵器が決して再び使用されないことを保証する唯一の方法であり続けている」として、核兵器を違法としました。ロシアによる核使用の威嚇が核戦争の危険を高めている今こそ、全世界が核兵器廃絶へとすすむときです。

被爆国の女性からの訴え
 新日本婦人の会は創立以来 60 年間、広島と長崎の被爆の実相を普及しながら、核兵器の廃絶を求める署名を集め、草の根から世論を高めてきました。1978 年の第1 回国連軍縮特別総会以降、核兵器禁止条約の締結を求める署名を国連に届け、その数は1657 万人分にのぼります。2017 年6 月の核兵器禁止条約交渉会議では、市民社会の代表として発言し、政府は出席していなくても、圧倒的多数の被爆国の女性、市民は条約ができ、歴史的な1 歩を踏みだすことを願っていると述べました。今、私たちは日本政府に条約参加を求める署名にとりくんでいますが、どこでも「日本が参加しないのはおかしい」とたくさんの人が署名しています。核兵器がこれまで使われずにきたのは、こうした署名に示された市民の意思、世論の力だと確信します。
 新日本婦人の会は一貫して、軍事費削って暮らし、福祉、教育にと運動を続けてきました。地球の存続さえ危ぶまれる気候危機、新型コロナウィルスのパンデミックに加えて物価高騰に直面する今、「命と暮らしを守れ」と行動を強めています。人類と地球の未来のために、国際社会が力を合わせて解決にあたらなければならないときに、戦争や軍備増強、核兵器の開発や製造にお金と時間を費やしている余裕はありません。
 新日本婦人の会は、この締約国会議が、ロシアによる核使用を許さず。すべての国に対して「核抑止」の幻想から脱却して核兵器禁止条約に加盟し廃絶へと踏み出すよう、力強いメッセージを発信することを願います。私たちは、条約に反対を続ける核保有国やその同盟国、核依存国の市民と連帯し、核兵器禁止条約の加盟国を増やす努力を続けていきます。何より、唯一の戦争被爆国として条約に参加し「核兵器のない世界」実現へのリーダーシップをとるよう、日本政府に求めていく決意です。

 この第1 回締約国会議に向けて、被爆地の広島、長崎両県本部からメッセージを届けます。

広島からのメッセージ
 広島の被爆女性たちは1962 年の新日本婦人の会の創立で、「やっと日本中の女性たちがつながって核兵器廃絶の運動ができる」と喜びました。そして「再び被爆者をつくらせてはならない」と、被爆体験集『木の葉のように焼かれて』をつくり始めます。まだ被爆者への差別があり、体験を話すことは勇気のいることでしたが、女性たちは涙を流しながらお互いの体験を語り、記録に残していきました。1964 年から発行し続け、今年第56 集になります。体験を子どもたちに伝え、さらに英語版の普及で世界中に核兵器の非人道性を伝え続けてきました。被爆者の体験や思いに心動かされた人々が、核兵器廃絶の行動に参加していきました。こうした地道な運動が核兵器禁止条約に結実したと思います。岸田首相は広島出身であることをアピールしています。それならば、何よりも日本政府こそが一日も早く核兵器禁止条約に署名、批准するべきです。私たちは岸田首相に「第1 回締約国会議に参加せよ」と要請しました。被爆者に残された時間はあとわずかですが、私たちは被爆者とともに「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」と訴え続け、行動し続けます。

長崎からのメッセージ
 締約国会議に際し、長崎の被爆者横山照子さんはこう述べています。「喜びと感謝と期待で第 1 回会議を見守ります。また、唯一の戦争被爆国の日本政府が、この席にいることを心の底から願っています。これこそがロシアの核脅威に、毅然と立ち向かう姿勢でもあると思うのです。ロシアの核による恫喝で、77 年前の原爆を思い出させ、胸が苦しくなります。だからこそ、核兵器は即時廃絶させなければと心が急かされます。地球を破壊し、人類を危機に導く核兵器は廃絶以外にありません。私にはこの『条約』が未来に向かって、光り輝いて見えます。」
 新婦人長崎県本部は各地で毎月の9 の日行動、お花見や新茶祭りでと班や小組のまわりで署名を広げています。若い世代に戦争の現実を知ってほしいと原爆写真展・広島の高校生の絵展で折り鶴・メッセージコーナーを設置し、多くの親子連れや中・高校生が署名してくれました。日本政府が条約を署名・批准するまで行動を強めていきます