2022年6月22日水曜日

杉並区長選で野党共闘が勝利 無名の市民派候補がオール与党の現職を破る

 19日投票の東京都杉並区長選が20日開票され、野党が一致して推薦した「住民思いの杉並区長をつくる会」の岸本聡子氏(47)が自民党・公明党議員らに推された現職の田中良氏(61)を187票差で破り初当選しました。
 岸本氏は「『自分の選挙』という支援の輪が多くの人に共有されたことが勝利につながった」と振り返りました。現区政の児童館・高齢者施設の廃止計画については、「これは一部の人の問題ではなく、区民の公共財として守り発展させたい」と強調し、公共サービス縮小や民営・民間委託化を、サービスの質や働く人を守る視点から検証すると表明しました。
 共産党の小池晃書記局長は20日、記者会見し、この結果について、野党が力を合わせてたたかい、現職の区長を下した意味は極めて大きい」と表明し、「岸本さんはすばらしい候補者だ。公共政策の研究者として、世界の公共政策、とくにイギリスなどでの行き過ぎた民営化を見直し、パブリック=公共を取り戻すということが世界の流れになってきていることを具体的にわかりやすく語った。それを杉並の区政に当てはめて政策を語ったことが大きな勝因になったのではないか」と述べました。
 岸本これまでTN I(非営利財団トランスナショナル・研究所、アムステルダム)などで活躍した人で、水道民営化に対抗する社会運動の支援と研究を経て、ここ10年は新自由主義に抗して『公共サービスを取り戻す』ための活動を行い、『水、再び公営化!』という著書を出しています。
 しんぶん赤旗とレイバーネット日本の記事を紹介します。
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共闘、自公系現職破る 東京・杉並区長選 岸本氏が初当選
                       しんぶん赤旗 2022年6月21日
 19日投票の東京都杉並区長選が20日開票され、「住民思いの杉並区長をつくる会」の岸本聡子氏(47)=無所属新、日本共産党・立憲民主党・社民党・れいわ新選組・生活者ネット・緑の党・新社会党推薦=が7万6743票(得票率44・41%)を獲得し、自民党・公明党議員らに推された現職の田中良氏(61)を187票差で破り初当選しました


写真 当選して支援者の声援に応える岸本氏(右から2人目)=20日午後0時半すぎ、東京都杉並区

 同区長選勝利は参院選公示目前という中で、自公政治への怒りと野党共闘の力を示しました。
 投票率は前回比5・50ポイント上がりました。20日午後0時半ごろ、岸本氏当選の知らせが事務所に届くと、集まっていた区民から「やったー」「おめでとう」との声や「聡子コール」が起こりました。
 岸本氏は「『自分の選挙』という支援の輪が多くの人に共有されたことが勝利につながった」と振り返りました。現区政の児童館・高齢者施設の廃止計画に触れ、「これは一部の人の問題ではなく、区民の公共財として守り発展させたい」と強調。公共サービス縮小や民営・民間委託化を、サービスの質や働く人を守る視点から検証すると表明しました。
 事務所に駆け付けた女性(51)は「みんなの街はみんなでつくろうと、市民一人ひとりが動き、支援の輪が広がった。みんなの勝利だ」と話していました。
 同時実施の区議補選(定数1)では日本共産党の増田さちえ氏(52)=新=が、及ばなかったものの2万5181票を獲得し2位となり、当選した自民党候補に約1700票差に迫りました。
 開票結果は次の通りです。 (投票率37・52%)
 (岸本 聡子47無新 76743
    田中  良61無現 76556
    田中裕太郎46無新 19487


東京・杉並区長選 岸本氏初当選 力合わせたたかい勝利 小池書記局長が会見
                       しんぶん赤旗 2022年6月21日
 日本共産党の小池晃書記局長は20日、国会内で記者会見し、東京都杉並区長選で新人の岸本聡子氏が当選した結果について問われ、「日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組、社民党、新社会党、緑の党、生活者ネットが力を合わせてたたかい、187票という僅差の勝利だが、現職の区長を下した意味は極めて大きい」と表明しました。
 小池氏は「私も現地に応援に行ったが、岸本さんはすばらしい候補者だ。公共政策の研究者として、世界の公共政策、とくにイギリスなどでの行き過ぎた民営化を見直し、パブリック=公共を取り戻すということが世界の流れになってきていることを具体的にわかりやすく語り、それを杉並の区政に当てはめて政策を語った。これがやはり大きな勝因になったのではないか」と強調しました。
 さらに、同時に行われた同区議補選(定数1)で、日本共産党の増田さちえ候補が、当選した自民党候補に肉薄する得票で第2位となったことにも言及し、「引き続く参院選での勝利に向けて、引き続き全力をつくしたい」と述べました。


渡部通信(6/20) : 杉並新時代。草の根から世界は変わる!
                      レイバーネット日本  2022-06-20
渡部通信(6/20) : 明けない夜はない(137)
<杉並新時代。草の根から世界は変わる!> 
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本日(6月20日)、杉並区長選・開票結果、岸本さとこ7万6743票、田中良7万6556票。187票差で岸本さとこさんが当選しました
当初、「住民思いの杉並区長をつくる会」は、区長立候補者がまったく見つからず途方に暮れていました。そうした中、これまでTN I(非営利財団トランスナショナル・研究所、アムステルダム)で活躍してこられた岸本さんが、私たちの要望に応え立候補を決意してくれました(3月末)。
4月10日に開かれた全体会で、岸本さんが紹介されましたが、その資料には次のように書かれていました。「水道民営化に対抗する社会運動の支援と研究を経て、ここ10年は新自由主義に抗して、『公共サービスを取り戻す』ための活動を世界の仲間としてきました]

その後「つくる会」の活動は一気に活性化しました。
・「杉並、新時代」、「みんなでつくるみんなのまち」、
・「変えよう。住民の声が届く杉並へ」、
・「環境・多様性・公共の力を育む先進自治体へ」、
・「杉並再生!女性の力で!!」、
・「杉並初の女性区長を」(区政90年、すべて男性区長だった)、
などのスローガンを次々打ち出し、
<みんなが自分自身の選挙として闘おう>という言葉を合言葉に、「つくる会」に参加する多数のボランティアの老若男女が、それぞれの多様性を生かし、SNSをも駆使し、全都・全国・世界からも応援を受け、最後の最後まで手を抜かずに闘かった結果、勝利しました。
<みんなが自分自身の選挙として闘おう>は、17ある駅頭での「一人街宣」ともなりました。

今回の杉並区長選の争点は、新自由主義政策による公共施設等の統廃合や民営化で、公共の物であるべき施設や仕事が金儲けのためのものにされるということでした。その結果子どもや老人の公共の居場所がなくなり、そこで働く人たちは非正規に代えられる。また「防災」や「駅前再開発」の名のもとに、大きな不動産会社や建設会社などの利益の為に、商店街や環境が、住民の声を無視して強行されるということでした。
世界で新自由主義政策に抗してきた岸本さんは、こうした地域住民の声にこたえて立候補を決意してくれました。だから、住民たちは自らの問題として立ち上がり、選挙戦を闘い抜いたのです。

ところで、新自由主義政策に対する闘いは、全国のどこでも、また世界のどこでも起きています。そして「公共」を取り戻し、「格差拡大」に反対する運動が広がりつつあります
新自由主義政策は「格差の拡大」と「市場の狭隘化」をもたらし、新たな市場獲得の戦争を引き起こします。ロシアのウクライナ侵攻以来、どの国もそれを口実に軍拡に走り、世界平和が脅かされようとしています。日本も軍拡・改憲をしようとしています
こうした動きを食い止めるためには、新自由主義政策を食い止め、「公共サービス」を再生させることが大事です。今回の杉並区長選の勝利は、「杉並、新時代」を切り開く大きな第一歩になったばかりではなく、自由主義政策に反対し闘っている世界各地の人々の闘いにも励ましを与えたのではないでしょうか。

岸本さんの著『水、再び公営化!』の「おわりに~草の根から世界は変わる」の結びに文化人類学者・マーガレット・ミードの次のような言葉が紹介されていました。
「疑う余地はないのですよ、思慮深く、献身的な少数の市民たちが世界を変えうることを。まさにそれが今まで起こってきたことなのですから。」
まさに至言である。
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全都・全国・全世界の皆さん、
応援、大変ありがとうございました。
この力が、「格差拡大」・「世界戦争」を食い止め、
「格差縮小」・「世界平和」を作るる力になればと思います。
     (後 略)