2015年3月29日日曜日

米における戦争への策動と反戦運動への攻撃

 この記事の前半はPaul Craig Roberts氏がミシェル・チョスドフスキー教授最新刊について紹介したもので、戦争国家アメリカの現状を伝えるものです。
 
 ワシントンはオバマ時代に入ってから戦争をグローバル化させたとし、そ手段として核兵器先制第一撃で使用するように「格上げ」しました。勿論宣戦布告などなしに行うもので戦争のルールからの大変な逸脱ですが、相手から報復を受けないように第一撃で完璧に破壊してしまうという身勝手な考え方によるものです。
 
 対テロ戦争においては、強制収容所、標的暗殺と拷問部屋を公然の手段としていまや隠すこともなく、それによって‘欧米民主主義’を流布しようとしています。
 
 国内の反戦運動は、ワシントンや財団などが反対団体に資金提供をし、指導部取り込み、役職や報酬を与えることで結果として反対運動を破壊しています。
 環境保護団体についても同様です。
 
 その結果いまではアメリカの外交政策論議から反対意見は消滅しまし
 かつて9/11事件の公式説明を進歩派、左翼や反戦団体が“無批判に受け入れたことが、今日のワシントンによる戦争策動を許す基盤なっているということです。
 
 原題の「マニュファクチャリング・ディセント(原訳:反対派をでっち上げる)」は、ノーム・チョムスキー『マニュファクチャリング・コンセント(世論の製造)をもじったもので、直接的には「反対運動破壊の方法」というニュアンスを持っています。
 
 話がスティーブン・コーエン教授に言及するところからPaul Craig Roberts氏自身の意見開陳に入るようで、国内のネオコンによる対イラン戦争の策動や、ネオコンがイランとロシアとの戦争を推進するのをニューヨーク・タイムズ幇助していることなどに触れています。
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マニュファクチャリング・ディセント(反対派をでっち上げる)
 マスコミに載らない海外記事 2015年3月28日
Paul Craig Roberts 2015年3月26日
ここは皆様のサイトだ。皆様のご支援が必要だ。
 
ミシェル・チョスドフスキー教授は多数の重要な本を書いている。最新刊は、The Globalization of War: America’s Long War Against Humanity(戦争のグローバル化:人類に対する、アメリカの長き戦い)。チョスドフスキー教授は、ワシントンがアメリカ大統領を、ノーベル平和賞を獲得した世界の平和推進者として描きながら、戦争をグローバル化させたことを示している。ワシントンは軍隊を、150ヶ国に配備し、世界を6つのアメリカ軍司令管区に区分けし、宇宙作戦も含むグローバル攻撃計画をもっている。核兵器はグローバル攻撃計画の一環で、先制第一撃で使用するよう格上げされたが、冷戦における役割からの危険な逸脱だ。
 
アメリカの軍事化には、アメリカ国民に対し、そして、アメリカ経済帝国主義に成り代わって、主権国家の軍事的強制に使うための、地方警察向けの軍用兵器も含まれる。
 
一つの結果は、核戦争の可能性だ。もう一つの結果は、アメリカ外交政策の犯罪化だ。戦争犯罪が、その結果だ。こうしたものは、個々の、ならずもの連中による戦争犯罪ではなく、確立した指針や手順で制度化された戦争犯罪だ。“ブッシュ政権と、オバマ政権との違いは”“強制収容所、標的暗殺と拷問部屋が、いまやあからさまに、‘グローバル対テロ戦争’を維持し、‘欧米民主主義’の流布を支援するための介入用の正当手段と見なされていることだ”と、チョスドフスキーは書いている。
 
チョスドフスキーは、自分の国が軍国主義的警察国家に変貌することに対し、アメリカ国民が、抗議し、抵抗する能力は限られていると指摘している。ワシントンや従順な財団が、今や反対派の運動を支配するために資金提供している。彼はノーム・チョムスキーとエドワード・S・ハーマンの『マニュファクチャリング・コンセント』を引用している。彼は、エリートが、反対派に資金提供をすることで、草の根コミュニティー指導部が取り込まれる結果になっている様子を、ポール・キヴェル説明させている。同じことが環境保護団体でも起きている。黒人も、役職や報酬を与えられる、エリートの金と能力で、指導者を奪われてしまった。
 
チョスドフスキーは、進歩派、左翼や反戦団体が“対テロ戦争”を支持し、9/11事件の公式説明を無批判に受け入れたことが、ワシントンによる戦争の基盤となっていると指摘している。
ウソを受け入れたことで、抗議する基盤も失われた。それで、抗議が存在しないのだ。
 
スティーブン・コーエン教授が指摘している通り、アメリカの外交政策論議から、反対意見は消滅したのだ。反対意見のかわりに存在しているのは、更なる戦争への激励だ。その好例は、今日の(2015年3月26日) ジョージ・W・ブッシュ政権時代にアメリカ国連大使だったネオコン、ジョン・R・ボルトンによるニューヨーク・タイムズ論説だ。
 
ボルトンは、イラン爆撃を呼びかけている。イランへの軍事攻撃以外の方法は“非現実的雰囲気”しかなく、サウジアラビア、エジプトやトルコも、イランから自らを守る為、核兵器を開発することを確実にするだろうとボルトンは言う。ボルトンによれば、イスラエルとアメリカの核兵器備蓄は脅威ではないが、イランの核兵器備蓄は脅威になるのだ。
 
もちろん、イランが核兵器計画を持っている証拠は皆無だが、ボルトンは、ともあれ、そう断言している。しかも、イランと取り付けた、核兵器に必要なレベルよりずっと低いイランの核濃縮計画をやめる協定を、ボルトンは巧みに見過ごしている。イランは、もし原子力発電を許されれば、核兵器計画を隠しおおせるだろうというボルトンの考えは根拠がない。信じ難い主張にすぎないのだ。
 
ネオコンは戦争推進ロビーだ。ある戦争がうまくゆかないと、連中は次の戦争をやりたがるのだ。連中は、戦争リストを拡張し続けている。ネオコンは、イラク戦争は、わずか3週間の“朝飯前”で、経費700億ドルで、イラクの石油収入でまかなえる、と我々に約束した連中であることを想起願いたい。8年もの戦争の経費は、少なくとも3ドルで、アメリカ人納税者が支払っており、アメリカはあきらめ、撤退した。現在、聖戦戦士は、シリアとイラクの一部から新しい国を切り分けつつある。
 
ネオコン・ブッシュ政権のイラク戦争が、他のあらゆるネオコン戦争や、現在のロシアやイランとの戦争衝動と同様に、全くのウソに基づいていたことは周知の事実だ。ウソと失敗の実績にもかかわらず、いまだにネオコンはアメリカ外交政策を支配し、ネオコンのヌーランドは、旧ソ連共和国のアルメニア、キルギスタンやウズベキスタンにおける“カラー革命”やクーデターの醸成に勤しんでいる。
 
ニューヨーク・タイムズの応援がなければ、ネオコンは、イラク戦争を続けることはできなかったろう。現在、ネオコンには誠実だが、アメリカ国民には誠実ではないニューヨーク・タイムズは、ネオコンがイランとロシアとの戦争を推進するのを幇助している
 
友人として、いまだ、ニューヨーク・タイムズを読み、信じている大学学長が何人かいる。ニューヨーク・タイムズがあおっているイランやロシアとの戦争は、イラクやアフガニスタンとの戦争より遥かに危険だ。人類はそうした戦争で生き残れないかもしれない。
 
記事原文のurl:
 

TPP ISD条項 米でも問題に

 内部告発サイト「ウィキリークス」25日、TPP協定の「投資家・国家間紛争(ISD)条項」が盛り込まれた投資分野の条文案とする資料を公開しました
 
 ISD条項は、多国籍企業が投資先の政府によって不利益を被ったと考えた場合、政府を相手取って国際法廷に訴訟を起こす権利(投資家が国家を訴える権利)を認めるものです。
 しかもその国際法廷に当たるものは世銀の一室で3人かそこらのアメリカの弁護士で構成されるもので、そこから各国の政府に命令を発することになるので、日本国憲法第76条1項(司法)に反するものとして、日本でもTPPが話題になった時点から大問題にされてきました1
1  2013年7月30日 TPPのISD条項は憲法違反
 
 ウィキリークスによる公表を受けて、TPP反対運動を広げる米消費者団体パブリック・シチズン国際貿易担当のロリ・ワラック氏は25日、「米国の法律を超える特権を企業に与える条項だ」と撤回を求めました。
 26日付米紙ニューヨーク・タイムズは「米国の左派も右派も反発するだろう」と伝え与党議員からも懸念の声が上がっているということです
 
 一方、日本政府と与党は何故かISDについてもずっと沈黙を守ってきました。これもまた売国の行為です。他力本願になりますが、いまやアメリカの反対運動に期待するしかありません。
 
 なお、ロリ・ワラック氏2これまでTPPに関して、しばしば日本に重要な情報や連帯のメッセージを寄せ来日して各地で講演をしたこともあります(以前の記事ではローリー・ワラックと記述)
 
2 2013年10月3日 TPP:ローリー女史から日本国会議員にメッセージ
 
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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TPP条文案にISD(投資家・国家間紛争)条項
告発サイト公開 米でも懸念の声
しんぶん赤旗 2015年3月29日
 【ワシントン=島田峰隆】内部告発サイト「ウィキリークス」は25日、環太平洋連携協定(TPP)交渉の投資分野の条文案とする資料を公開しました。資料は1月20日付で全55ページ。多国籍企業が投資先の政府によって不利益を被ったと考えた場合、政府を相手取って国際法廷に訴訟を起こす権利を認めた「投資家・国家間紛争(ISD)条項」が盛り込まれています。
 
 TPP反対運動を広げる米消費者団体パブリック・シチズンは、暴露された文書は本物と確認できたと発表。国際貿易担当のロリ・ワラック氏は25日、「米国の法律を超える特権を企業に与える条項だ」と撤回を求めました。TPPが実施されると、米国内で活動する約9千の外国企業が米政府を訴える権利を持つといいます。
 
 米紙ニューヨーク・タイムズ26日付は「オバマ大統領が推進するTPPは、投資の“期待”を裏切る行為を米政府がとれば外国企業が政府を訴えることを認めている」「米国の左派も右派も反発するだろう」と伝えました。
 与党議員からも懸念の声が上がっています。シューマー上院議員(民主)は同紙に対し「たばこ規制など米政府がつくる幅広い法律に外国企業が訴訟を起こす可能性がある。極めて深刻だ」と指摘。ブラウン上院議員(同)も「米通商代表部(USTR)は、米国は訴訟に負けたことがないというかもしれないが、今後はもっと多くの訴訟が起こされる」と述べました。
 

安倍内閣は「わが軍」発言を訂正せず

 憲法9条に違反する集団的自衛権の行使を謳った昨年7月の「閣議決定」を根拠にして「安全保障法制」の立法化を狙っている安倍首相は、20日の参院予算委員会で、ついに自衛隊のことを「わが軍」と口にしました。
 
 自衛隊を専守防衛の組織から通常の軍隊に変えたくて仕方のない安倍氏の本心が暴露されたもので大変な問題です。当然、首相は発言の不適切さを認め、陳謝して撤回するものと思われましたが、菅官房長官は「自衛隊も軍隊の一つだ」と首相を擁護し、首相も27日の参院予算委で同じ認識を示して自らの非を認めようとはしませんでした。まことに驚くべき対応です。
 
 菅氏や首相が言うように「自衛隊も軍隊だ」というのは一面の真理であり、自衛隊は憲法違反ではないのかという意見は創設された当初からありました。
 それに対して「憲法の前文には国民の平和的生存権が謳われ、13条には同じく国民の生命・自由・幸福追求の権利が謳われている」のだから、「急迫不正の侵略」から国民の幸福を守るために、国が戦えないことはあり得ないということから、憲法9条と両立し得るというのが歴代の内閣法制局(および内閣)の見解でした。
 
 要するに「自衛隊は9条の制約によって通常の観念の軍隊とは異なる」というもので、逆に「急迫不正の侵略」に対する自衛権の範囲を一歩でも踏み越えることは許されていません。
 歴代の内閣はそれを厳格に守ってきたのですが、今度の内閣はそれらとは無縁の内閣というわけです。そうなればまさに「不条理」が現前しているということで、それ以外の表現は見つかりません。
 
 28日の沖縄タイムスは、(社説わが軍』『八紘一宇』 緊張欠く慢心発言次々」を、また信濃毎日新聞は(社説)「『わが軍発言』 憲法に照らし許されぬ」を掲げました。
 両紙の社説を紹介します。
 
  追記 北海道新聞も同趣旨の社説を出しましたが紙面の関係で割愛します。
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社説「わが軍」「八紘一宇」 緊張欠く慢心発言次々
沖縄タイムス 2015年3月28日
 安倍晋三首相が国会で、自衛隊を「わが軍」と表現した。菅義偉官房長官は「自衛隊が軍隊であるかどうかは、定義いかんによるものだ。誤りとの見解は全く当たらない」と弁護し、問題ないとの認識を示す。
 ということは、防衛相が「わが軍」だと言っても、何も問題ないということなのか。
 「わが軍」発言があったのは、20日の参院予算委員会。安倍首相は自衛隊と他国の軍隊との共同訓練に触れ、「わが軍の透明性を上げていくことに大きな成果を上げている」と言及した。
 憲法9条は第2項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定している。そのため政府は答弁書などで、戦力を保持する軍隊と区別し自衛隊を「自衛のための必要最小限度の実力組織」と位置付けてきた。
 案の定、野党からは「軍隊ではなく自衛隊、軍人ではなく自衛官だ。これが憲法の制約」「戦争する国づくりに一路まい進しているという本音だ」と批判が相次いでいる。
 佐藤栄作首相が「自衛隊を軍隊と呼称することはしない」(1967年3月、参院予算委員会)と答弁するなど、憲法上の厳しい制約から「自衛隊は通常の観念の軍隊とは異なる」というのが政府の見解であったはずだ。
 「自衛隊は事実上の軍隊であり、憲法に違反している」と主張するのは、ある意味で筋が通っている。しかし、首相や官房長官が公然と「自衛隊=軍隊」論をぶつのは、自ら憲法の制約を無視するようなものである。
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 かつて、中曽根内閣で官房長官を務めた後藤田正晴氏は、イラン・イラク戦争で自衛隊掃海艇のペルシャ湾派遣の話が浮上した際、職を賭して反対し、前のめりになる中曽根康弘首相にブレーキをかけた。
 安倍政権には、首相にブレーキをかける役割の政治家が見当たらない。 
 それは国会の中で堂々と「八紘(はっこう)一宇」が語られる「緩い空気」とつながっている。
 16日の参院予算委員会で自民党の三原じゅん子議員は「八紘一宇」を「日本が建国以来、大切にしてきた価値観だ」と訴え、今後の日本のあるべき姿として紹介した。
 八紘一宇には「世界を一つの家とする」という意味があるが、戦前・戦中にはアジアへの侵略を正当化するスローガンとして使われた。
 三原氏が「八紘一宇」を持ち出したのは、多国籍企業に対する課税問題を取り上げた時である。必然性のない、意味不明な言い回しだ。
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 安倍首相の歴史認識が問われる戦後70年談話がこの夏、発表される。
 統一地方選が終われば、安保法制の条文化作業も本格化する。安倍首相は日本をどこへ引っ張ろうとしているのだろう。
 自民党の党是として憲法改正を方針に掲げるのはいいが、安倍政権は憲法9条軽視があまりに露骨だ。
 憲法は99条で、国会議員は憲法を尊重し擁護する義務を負うと定めていることを忘れてはならない。
 
 
「わが軍」発言 憲法に照らし許されぬ
信濃毎日新聞 2015年3月28日
 どのような理由であれ認められない。
 安倍晋三首相が先日の国会答弁で、自衛隊を「わが軍」と表現した問題である。
 戦力不保持を規定した憲法9条との関係で、歴代の政権は自衛隊を「軍隊」と呼ぶことを避けてきた。
 9条を改定し、「国防軍」の創設を目指す首相が本音を漏らしたと思われても仕方ない。何より、憲法を守るべき首相自身が国の最高法規を軽んじていることを示したようなものだ。
 国会は首相の真意も含め、厳しく追及しなくてはならない。
 問題の発言は20日の参院予算委員会の場で飛び出した。自衛隊と他国の軍隊との共同訓練に触れた際、「わが軍の透明性を上げていくことについては大きな成果を上げている」と語った。
 ただ、その後は軍とは言わずに「自衛隊は規律がしっかりしている」と言い換えた。
 民主党の細野豪志政調会長は「これまで積み上げてきた議論をひっくり返すような話だ」と批判。維新の党の松野頼久幹事長も「不安をあおるような言い回しには気を付けるべきだ」と指摘するなど、野党は反発している。
 これに対し、菅義偉官房長官は「通常の観念で考えられる軍隊とは異なるが、自国防衛を主な任務とする組織を軍隊と呼ぶのであれば自衛隊も軍隊だ」などと首相発言を擁護し、さらに波紋を広げる結果を招いた。
 自衛隊が軍隊かどうかは、これまでも国会で議論になってきた。佐藤栄作首相が1967年に「自衛隊を今後とも軍隊と呼称することは致しません」と答弁して以降、政府が自衛隊を軍と呼ぶことはなくなったとされる。
 安倍首相自身も第1次政権のとき、自衛隊は「憲法上自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約を課されており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものと考えている」と答弁している。
 首相の今回の発言は、歴代の政府見解と異なるばかりか、自身の言葉とも矛盾するものだ。軍と表現したことと同時に、多くの人に国民のための自衛隊があたかも首相のものであるかのように思わせたことも問題である。
 新たな安全保障法制の骨格が先日、自民党と公明党の間で合意されたばかりである。法が整備されれば自衛隊の活動は質量ともに拡大する。自衛隊を「わが軍」と呼ぶ首相の手による法整備の行方にますます心配が募る。
 

2015年3月28日土曜日

民放労連が「戦争立法」反対の声明

 民放労連は、自民・公明両党新たな安保法制の大枠を示した「共同文書」案に合意した320の翌日に日本を戦争に巻き込む戦争立法に断固反対する」との声明を発表しました。
 民放はNHKとともにTVニュースや番組を通じて国民に極めて大きな影響を及ぼしています。
 その一方で、やはりNHKと同じように上層部は政権や体制の側に牛耳られている面があります。
 
 公正な報道が行われるために民放労連の大いなる奮闘を期待します。
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[民放労連声明]
日本を戦争に巻き込む「戦争立法」に断固反対する
2015年3月21日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚 オホロ
 安倍政権は憲法の平和主義を否定し、日本が積極的に戦争へと参加する「戦争立法」作業に突き進もうとしている。
 
 自民・公明両党は、3月20日、新たな安保法制の大枠を示した「共同文書」案に合意し、昨年7月に閣議決定した他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能にする立法作業に入ることを明らかにした。2月中旬に与党協議が開始されてからわずか一か月、日本という国の行方を左右する重大な方針を国民的な議論がまったくないまま密室で決定しようとする民主主義のプロセスを無視した進め方には驚くほかない。戦後、私たち国民が守り抜き、歴代政権も脈々と受け継いできた日本の平和主義を根底から覆す憲法解釈の変更を一内閣の独断によっておこない、憲法とは国家権力を縛るものという立憲主義を否定して事実上の改憲立法を進めようとする政権与党の暴走に強い怒りを禁じえない。
 
 今回の与党合意で明らかになった最大の問題は、自衛隊を現に戦闘行為がおこなわれている「戦地」に派兵し、「殺し、殺される」戦闘活動に参加する可能性が一気に拡大されることだ。
 集団的自衛権の行使に関しては、先に行使容認を決めた閣議決定の「新三要件」を武力攻撃事態法に「過不足なく」盛り込むとしているが、どのような場合に集団的自衛権による武力行使が許されるのか、今回の合意では時の政権の判断次第で事実上、無制限となる。
 また、国際平和協力法の改定によって「国連が統括しない人道復興支援活動や安全確保活動等」にも参加し、武器使用も可能にするとされている。これでは国連決議によらないイラク戦争などのケースでも多国籍軍に自衛隊を派遣し、「安全確保活動」に参加することが可能となる。
 日本の安全確保を目的とした他国軍への戦闘支援では周辺事態法の目的規定を見直し、「周辺事態」の考え方を撤廃し、自衛隊を世界中のどこへでも派遣できるようにする抜本改正を検討するとしている。安倍総理は日本が輸入する原油輸入が停まることは日本の「存立危機」にあたるとして、たとえ戦闘中であってもホルムズ海峡での機雷掃海作業への自衛隊派遣は可能だと繰り返している。
 
 今回の与党合意は自衛隊の海外での武力行使の拡大や解禁の方向で貫かれており、こうした「戦争法案」がそのまま具体化すれば、自衛隊の本質が根本から変容し、安倍総理が意図する「国防軍」、すなわち普通の軍隊となることに道を開くものとなろう。政府はこれらの法案を条文化して5月の連休明けには国会に提出し、開催中の国会で成立をはかる考えだという。
 今回示された「戦争法案」がそのまま成立すれば、日本の進路を大きく変えるものとなる。安倍総理の「戦争をする国づくり」への暴走をこのまま許してはならない。放送など、メディアはこの安保法制の重大な問題点を国民にわかりやすく提示し、国民の議論を大きく巻き起こしていく責任がある。
 
 私たち民放労連は、日本を戦争に巻き込む「戦争立法」に断固として反対し、日本の平和主義を守り抜くために全力をあげる。
以 上
 

袴田巌さん釈放1年、過酷取調べのテープが存在

 無実の死刑囚として拘置されていた元プロボクサーの袴田巌さん(7の再審請求がようやく静岡地裁で認められて48年ぶりに釈放されたのが昨年の3月27日でした。
 しかしながら再審の審理はいま高裁で続けられているので、袴田さんはいまも「確定死刑囚」のままです。
 
 JNN系のTBSが27日、警察署で取り調べを受けているときの音声記録(録音テープ)を独自に入手したとするスクープを報じました。
 その音声を聞くと、人権無視の過酷で暴力的な取調べであったことが分かります。
 
 袴田さんは連日最長17時間にも及ぶ暴力的取調べを受けて、ついに19日目に精魂尽き果てて警察の言うとおりに「自供」しました。
 容疑者を十分に眠らせないようにして暴行を加えるのは、疲労困憊させて警察の誘導に従い易くするための常套手段です。
 
 それがどれほど暴力的で酷い取調べであったのかについては、1年前の植草氏のブログが端的に説明しています。
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  (「袴田事件再審開始決定への検察即時抗告を糾弾す」
               植草一秀の「知られざる真実」 2014年3月30日より)      
 
     (前 略
袴田氏が獄中から子息に宛てた書簡に袴田氏の心境が端的に示されている。
 
 「……殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ、といっておどし罵声をあびせ棍棒で殴った。そして、連日二人一組になり三人一組のときもあった。
午前、午後、晩から11時、引続いて午前時まで交替で蹴ったり殴った。
それが取調べであった。
 
……息子よ、……必ず証明してあげよう。お前のチャンは決して人を殺していないし、一番それをよく知っているのが警察であって、一番申し訳なく思っているのが裁判官であることを。
 
チャンはこの鉄鎖を断ち切ってお前のいる所に帰っていくよ。」
 
本国憲法第36条に次の条文が置かれている。
第三十八条  何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 
 2  強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。 
 3  何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
 
そして、刑事訴訟法第336条は刑事裁判の判決について、次の規定を置いている。
(無罪の判決)
第336条 被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
 
自白を唯一の証拠とする場合には無罪としなければならないこと。
合理的な疑いを差し挟む余地のない程度にまで犯罪が証明されない場合には無罪の判決が言い渡されなければならないこと。
こうした刑事裁判に関する根本規定、法令が遵守されていたなら、袴田巌氏に死刑判決が言い渡される可能性は皆無であったはずだ。
しかし、現実には袴田巌氏に死刑判決が言い渡され、袴田氏は48年間の長期にわたって「鉄鎖」につながれてきたのである。
     (後 略
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 TBSニュースを紹介します。
 
追記 4人を殺害する犯行を1人で行うのはとても無理で、被害者の血縁者を首謀者(=昨年死亡)とする数人(ほぼ特定)の犯行とする有力な見方が早い時期からありました。
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袴田巌さん釈放1年、過酷取り調べテープの全容 
TBSニュース 2015年3月27日
 JNNのスクープです。事件から48年ぶりに釈放された袴田巖さん(79)は、あまりに過酷な取り調べを受けていました。刑事たちによる恫喝や誘導。初めて明らかになった音声記録です。
 
 【入手した音声記録】
 「なぜ言うことが無いんだ。なぜ言うことが無いんだ。てめえは本当に意気地のない野郎だな。意気地のない弱虫だな、てめえは」(警察)
 
 これはJNNが独自に入手した49年前の音声記録です。取り調べを受けているのは、1年前の3月27日、およそ半世紀にわたる拘束から釈放された袴田巖さん。48時間にも及ぶ録音テープは、去年10月、静岡県警の倉庫から発見されました。
 
【入手した音声記録】
 「どういう精神状態だ、お前は。自分で正常だと思っているのか?」(警察)
 「思ってるよ」(袴田さん)
 「誰がお前を正常だと言ってるんだ」(警察)
 「自分は思っている」(袴田さん)
 「自分だけじゃないか、正常だっていうのは」(警察)
 
 袴田さんは49年前、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして逮捕されました。
 
【入手した音声記録】
 「私はしてません・・・家でテレビ見てて」(袴田さん)
 
 逮捕直後、否認する袴田さんの取り調べを記録したテープは、半世紀近く、存在しないものとされてきました。
 
【入手した音声記録】
 「お前は人を4人殺した犯人だぞ。しかも、殺して火をつけた。4人殺して火をつけた犯人だ。墓前に持っていってやるよ。流した涙を墓前に持っていって『袴田がこういう風に泣いてます』と言ってやるよ」(警察)
 
 17時間にも及ぶ日もあった過酷な取り調べ。袴田さんは、逮捕から19日後に容疑を認め、その後、死刑が確定したのです。
 
 釈放後の袴田さんは家の中を歩き続けるなど、長年の拘束による「拘禁反応」が表れているといいます。
 
 そして1年が経った27日も・・・
 
 (Q.どんな一年でしたか?)
 「一年ぐらいはすぐ経つ。みんな思う通りに、いきはしない。政治が思う通りにやれない」(袴田巖さん)
 
 新たに見つかった当時の捜査記録。この再審をめぐる審理は現在も高裁で続いていて、袴田さんはいまも「確定死刑囚」のままです。