2015年3月28日土曜日

民放労連が「戦争立法」反対の声明

 民放労連は、自民・公明両党新たな安保法制の大枠を示した「共同文書」案に合意した320の翌日に日本を戦争に巻き込む戦争立法に断固反対する」との声明を発表しました。
 民放はNHKとともにTVニュースや番組を通じて国民に極めて大きな影響を及ぼしています。
 その一方で、やはりNHKと同じように上層部は政権や体制の側に牛耳られている面があります。
 
 公正な報道が行われるために民放労連の大いなる奮闘を期待します。
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[民放労連声明]
日本を戦争に巻き込む「戦争立法」に断固反対する
2015年3月21日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚 オホロ
 安倍政権は憲法の平和主義を否定し、日本が積極的に戦争へと参加する「戦争立法」作業に突き進もうとしている。
 
 自民・公明両党は、3月20日、新たな安保法制の大枠を示した「共同文書」案に合意し、昨年7月に閣議決定した他国を武力で守る集団的自衛権の行使を可能にする立法作業に入ることを明らかにした。2月中旬に与党協議が開始されてからわずか一か月、日本という国の行方を左右する重大な方針を国民的な議論がまったくないまま密室で決定しようとする民主主義のプロセスを無視した進め方には驚くほかない。戦後、私たち国民が守り抜き、歴代政権も脈々と受け継いできた日本の平和主義を根底から覆す憲法解釈の変更を一内閣の独断によっておこない、憲法とは国家権力を縛るものという立憲主義を否定して事実上の改憲立法を進めようとする政権与党の暴走に強い怒りを禁じえない。
 
 今回の与党合意で明らかになった最大の問題は、自衛隊を現に戦闘行為がおこなわれている「戦地」に派兵し、「殺し、殺される」戦闘活動に参加する可能性が一気に拡大されることだ。
 集団的自衛権の行使に関しては、先に行使容認を決めた閣議決定の「新三要件」を武力攻撃事態法に「過不足なく」盛り込むとしているが、どのような場合に集団的自衛権による武力行使が許されるのか、今回の合意では時の政権の判断次第で事実上、無制限となる。
 また、国際平和協力法の改定によって「国連が統括しない人道復興支援活動や安全確保活動等」にも参加し、武器使用も可能にするとされている。これでは国連決議によらないイラク戦争などのケースでも多国籍軍に自衛隊を派遣し、「安全確保活動」に参加することが可能となる。
 日本の安全確保を目的とした他国軍への戦闘支援では周辺事態法の目的規定を見直し、「周辺事態」の考え方を撤廃し、自衛隊を世界中のどこへでも派遣できるようにする抜本改正を検討するとしている。安倍総理は日本が輸入する原油輸入が停まることは日本の「存立危機」にあたるとして、たとえ戦闘中であってもホルムズ海峡での機雷掃海作業への自衛隊派遣は可能だと繰り返している。
 
 今回の与党合意は自衛隊の海外での武力行使の拡大や解禁の方向で貫かれており、こうした「戦争法案」がそのまま具体化すれば、自衛隊の本質が根本から変容し、安倍総理が意図する「国防軍」、すなわち普通の軍隊となることに道を開くものとなろう。政府はこれらの法案を条文化して5月の連休明けには国会に提出し、開催中の国会で成立をはかる考えだという。
 今回示された「戦争法案」がそのまま成立すれば、日本の進路を大きく変えるものとなる。安倍総理の「戦争をする国づくり」への暴走をこのまま許してはならない。放送など、メディアはこの安保法制の重大な問題点を国民にわかりやすく提示し、国民の議論を大きく巻き起こしていく責任がある。
 
 私たち民放労連は、日本を戦争に巻き込む「戦争立法」に断固として反対し、日本の平和主義を守り抜くために全力をあげる。
以 上