2026年7月27日月曜日

来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり/生活者無視の異常国会 ほか(日刊ゲンダイ)

 高市内閣が理解不能の高支持率を維持していた頃は、TVや一般商業紙は政権に迎合する記事しか出しませんでした。稀に見る最悪の政権であったにも拘わらずにです。
 さすがに「皇室典範改定案」に至っては、そのあまりのお粗末さと荒唐無稽さに、産経を除く殆ど全紙がそれを痛烈に批判する社説を、数次にわたり掲載するようになりましたが・・・
 そんな中で一貫して厳しい批判記事を出してきたのがご存知の通り「日刊ゲンダイ」でした。
 下掲の直近の3つの記事を降順に紹介します。
来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり 高市内閣支持率急落で野党にも一筋の光明07/26
生活者無視の異常国会…高市政権ユルユル放漫財政のツケで積み上がった財源不足は40兆円!07/25
やることなすこと全て裏目 ボロが出た高市内閣の限界と今後07/24)
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来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり 高市内閣支持率急落で野党にも一筋の光明
                        日刊ゲンダイ 2026/07/26
 国民有権者にとって、後味の悪い国会の幕切れだったろう。暮らし向きは悪くなる一方なのに、圧倒的多数を握る自民・維新の高市連立政権は愛子天皇の誕生を阻止するための皇室典範の改正やら国旗損壊処罰法やら大阪副首都構想やら、はっきり言って不要不急のことばかりに血眼になり、気づけば、衆院選で自民党を圧勝させてしまったことの後悔先に立たずの国会だった。強いて一筋の光明を見いだすとすれば、ここにきて高市内閣の支持率が予想外のスピードで大幅な値崩れを起こしたことだ。各社軒並み10ポイントほどの下落率である。その最大の要因が「愛子天皇」の誕生阻止をもくろむ皇室典範改正案の可決、成立への疑念や違和感にあったことは言うまでもない
 とはいえ、今回の皇室典範改正を自らの引退の花道とした自民党の麻生太郎副総裁にとっては、高市内閣の支持率がどうなろうと我関せずだ。
「本当にようやく成し遂げることができた。すべての関係者に敬意を表したい」
 23日、派閥の会合であいさつに立った麻生太郎はこう語った。言葉の謙虚さとは裏腹に、今回の改正で今上天皇の皇統を絶ち、自分の血筋に連なる天皇の誕生が視野に入れば、さすがに高揚感は隠し切れない。公布は24日、施行は3カ月後の10月24日となるが、話はこれで終わらない。

 麻生が皇室典範改正の今国会成立に強くこだわったのは、本欄既報どおり、9月24日に開催される男系男子皇統派の牙城ともいえる“日本会議・日本会議国会議員懇談会”の設立30周年パーティーに切りよく間に合わせたかったからだ。一方でこれに対抗してパーティー会場の周辺では、大規模な抗議デモが計画されてもいる。

どの世論調査でも、女性・女系天皇容認の声が断然多く、それが愛子天皇待望論となり今回の改正をきっかけに、麻生副総裁や高市政権への批判の拡大となっています。この批判の声がうまくまとまれば、高市政権にさらなるダメージとなるので、9月の抗議デモは注目ですし、これまで高市政権に手出しできなかった弱小野党がようやく息を吹き返し、来春の統一地方選に向けて対決姿勢を鮮明にしていくのは間違いありません」(全国紙デスク)
 その場合、愛子天皇の誕生を可能にする皇室典範の“再改正”を争点化すれば、国民の理解と支持が得やすいという。なるほど、高市政権の独裁や暴政を抽象的に批判していても有権者には響かない。「再改正」という一点で攻めれば、面白いことになりそうだ。 
                                 (特命記者X)


生活者無視の異常国会…高市政権ユルユル放漫財政のツケで積み上がった財源不足は40兆円!
                         日刊ゲンダイ 2026/07/25
「高市内閣の政策を大きく前に進めることができた」──木原稔官房長官がきのう(24日)の定例会見で特別国会を総括した言葉だ。前進させた政策として「国家情報会議」創設法、改正皇室典範を挙げたが、いずれも暮らしに直結しないものばかり。物価高に苦しむ生活者を無視した異常な国会を物語る。
 木原官房長官は「引き続き気を引き締め、日本列島を強く豊かにしていきたい」と続けたが、ユルユル財政のツケは積み上がるいっぽうだ。代表例は食料品の消費税減税である。
「骨太の方針」に〈本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する〉と明記したものの、「実質ゼロ」を目指せば必要な財源は年5兆円に上る。しかし高市首相は「赤字国債に頼らない」と言うだけで、財源捻出の具体策は何ひとつ語らない
 骨太方針の目玉策「370兆円超の官民投資計画」もズボラの極みだ。2040年度までに民間から250兆円を引き出す目標を掲げているが、具体策はゼロ。政府支出の規模も明確な内訳は示されていない。民間分を差し引いても、来年度からの14年間で年平均8.5兆円ほどの財源が必要なのに、単に大風呂敷を広げているだけだ。
 ガソリン・軽油引取税の旧暫定税率廃止に伴う国と地方の計1.5兆円の税収減や、日本維新の会肝いりの高校無償化の財源の一部0.7兆円の穴埋めも先送り。締めて年15.7兆円もの手当てがつかないまま、年内の安保関連3文書改定は既定路線だ。

ムダ削減は実質0円
 防衛費増額の規模は未定だが、すでにトランプ米政権が同盟国に求める「GDP比3.5%超」は押し返せそうにない。受け入れれば年24.1兆円と、今年度当初予算の約9兆円から2.6倍以上に跳ね上がる。
「高市政権は政策減税の租税特別措置や産業向け補助金など優遇制度を見直し、『ムダを削って財源を確保』と各省庁に自主点検を促した。ところが、120件の優遇制度のうち廃止方針が示されたのは1件のみ。経産省所管の『企業の事業再編にかかる登録免許税の軽減』だけで、24年度の開始から申請実績はゼロ。ただ、こちらの減税措置は直接的な予算を計上しておらず、つまり生み出した財源は実質0円です」(政府関係者)

 年総額40兆円規模の財源不足が宙に浮いた状態が、いつまでも続くわけがない。いずれ放漫のツケが大増税の形で庶民に回って来るのは必至だ


やることなすこと全て裏目 ボロが出た高市内閣の限界と今後
                          日刊ゲンダイ 2026/07/24
 皇室典範で見えた裏口入学のような国会運営の狡さと横暴。で分かった能力的限界と政治センス。陳述書も案の定の墓穴で、いよいよ、始まる高市作り笑い政権の自壊
  ◇  ◇  ◇
「近日中に秘書の陳述書を提出する」
 国会で問題視され続けてきた、いわゆる「中傷動画」問題などを巡って、先月22日の衆院予算委員会でこう約束していた高市首相。あれから1カ月が経過し、今月22日にようやく疑惑の渦中にある木下剛志秘書の「陳述書」を衆院予算委員長に提出した。
 ところが、案の定、中身はスカスカ。「記録がない」「記憶もない」のオンパレードである。高市は、この陳述書をもって「答弁に代えさせていただけないか」と言っていたが、答弁代わりになるようなシロモノではなかった。
 例えば、中傷動画については「作成・発信したことも、第三者に依頼したこともない。そのような動画を一度も見たことがない。存在するかどうかも承知してない」と否定したが、動画作成者の男性とのオンライン会議実施を認めながら「顔とお名前のはっきりとした記憶がなく、直接お会いしたことのない方については、私としては『面識はない』としか申し上げようがない」と強弁
 週刊文春と共同通信が入手した動画作成者の男性とのショートメッセージのやりとりについても、「選挙期間中の大量のやりとりの一つ一つを覚えているわけではないが、考えられる限りの確認を行った結果、そのような記録も記憶もない」と言い張っている。

陳述書提出という手法自体が間違い
 サナエトークンを巡っては、暗号資産発行について事前説明も受けていなければ、承認もしていないと主張。あくまで「国民の声を広く聞くための企画」で、「アプリ内のポイントのようなものであると認識していた」と弁明した。しかし、昨年末に発行業者側と行ったオンライン会議で「暗号資産」という言葉が使われたことについては「当該企業の方がそう言っておられるのであればそうなのかもしれない」としつつ「私は聞いた記憶はありません」と言うのである。

進むも地獄、退くも地獄。高市政権に迫る「8月危機」
 陳述書だけじゃない。高市はやることなすこと全てが裏目。皇室典範改正に至る経緯を巡っても、国会運営の狡さと横暴ばかりが目立っていた。重視していた「静謐な環境」と「立法府の総意」を政府が蹴とばし、野党から批判を浴びても高市は知らぬ存ぜぬ。「男系男子ありき」で議論を拙速に進め、“裏口入学”のような形で成立にこぎつけたのだった。
 結果、大手メディアの世論調査で、高支持を維持してきた内閣支持率はガクンと下落。毎日新聞の調査では、支持率が6月調査比10ポイント減の41%となり、不支持率の44%を下回った朝日新聞の世論調査では、典範改正で国民の「理解を得られた」が24%、「得られていない」が60%女性が天皇になれないことには「納得できる」が29%、「できない」が62%。「立法府の総意」を踏みにじり、結果的に国民の不信を買ったわけだ。
 21日に高市政権が閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」も、マーケットから総スカンである。6月に公表した原案に「『強い経済』の実現のためにも、適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要」などと書き込んだことが日銀の利上げを牽制したと受け止められ、円安と長期金利の上昇(国債価格は下落)につながった
 これに慌てた政府は脚注に「日本銀行法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられる」との文言を加筆。日銀の独立性に配慮してみせたが、長期金利は高止まりし、円相場は1ドル=163円台という水準だ。完全に不発である。

“アイドルしぐさ”で大失敗
 政権発足から9カ月、いよいよ高市の能力的限界、政治センスのなさが露見したということだ。それを如実に表しているのが、20日夜の高市のXへの投稿だろう。
 7月に入ってからの土日について、やれ「分厚い資料を早朝から深夜まで読み続け」だの「書類の山と格闘して過ごしていました」だのとのたまったかと思えば「総理就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化」と寝てないアピールだ。平日は風呂掃除や入浴、夕食、洗い物、と家事に追われている実態を吐露。聞かれてもいないのに「アイロンかけが下手で時間がかかる」と、あざとさ全開だったが、さすがにSNSで批判が殺到している。一体どういうつもりなのか。
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「アイドル評論家の中森明夫さんが朝日新聞のインタビューで語っていましたが、アイドルは『自分が推してあげなければ!』というファンの思いを引き出せるか否かが勝負とのこと。そのためには、アイドルは『余白』や『隙』を見せないといけない。高市首相の『アイロンかけが下手』は余白や隙そのものでしょう。これまでもこの手法で『推し』を得てきたわけですが、終盤国会で横暴を繰り返した結果、世論の反発を招き、今は『隙』が受け入れられる空気ではない。物価高を何とかしてほしいのに、なぜ皇室典範改正、国旗損壊罪創設などと無関係なことに血道を上げるのか。国民の不信が高まっている中でアイドル的な振る舞いをしても、批判されるに決まっています。そもそも、健康管理も含めて職務である一国のトップが寝てないアピールなどあり得ない話です」
 あの作り笑いも“アイドルしぐさ”の一環ということか。いずれにせよ、ボロが出た高市内閣はもはや限界。今後はどうなるのか。法政大教授の山口二郎氏(政治学)はこう見る。
「今後の焦点は、2年間限定の食料品の消費税減税でしょう。高市首相は、政府と与野党による社会保障国民会議で今月末にも意見集約を進め、8月初めまでに方針を決定する考えを表明していますが、これは進むも地獄、退くも地獄です。消費税減税を決めれば、財政への信頼低下から金利の上昇、さらなる円安進行で市場という形で批判にさらされる。一方、減税を取り下げれば、衆院選で『実現に向けた検討を加速』とした公約を破ることになります。物価高にあえぐ国民からの猛批判に遭い、何となく維持していた高支持率もガタ落ちしかねない。そうなれば、控えめだった大手メディアも遠慮なく批判を展開し始めるでしょう。結果、党内も『高市でいいのか』とザワつき、高市首相を取り巻く空気も変わってくる可能性があります」

 この調子だと、高市はまたぞろ裏目、墓穴を繰り返しかねない。いずれ自壊の道をたどることになるのではないか。