マスコミに載らない海外記事の掲題の記事を紹介します。
トランプは米国が「ホルムズ海峡の守護者」になり、海峡を通過する貨物に20%の通行料を課すと発表しました。そもそもどんな名目でどんな根拠に基づいて20%の通行料を取るというのか説明が出来ない筈です。
その際の保険はどうなるかですが保険会社もそんな保険は引き受けません。
仮に米国がそのシステムを作動させることが出来たとしても、そのために空母、護衛艦、航空機を無期限に配備するのにかかる費用は莫大で、イランが管理する場合の費用とは比較になりません、
全てが上手くいかないというのがトランプの「対イラン攻撃」の戦争です。
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守護者神話:アメリカのホルムズ海峡通行料徴収計画が既に頓挫している理由
マスコミに載らない海外記事 2026年7月21日
サルマン・ラフィ・シェイフ 2026年7月18日
New Eastern Outlook
世界で最も重要かつ危険な水路の通行料徴収者をワシントンは自称しているが、タンカーの一隻も無事に水路を横断できると保証できない。
法的根拠のない通行料
月曜日、アメリカが「ホルムズ海峡の守護者」になり、海峡を通過する貨物に20%の通行料を課すとトランプ大統領が発表したが、これは、どの国にもそのような権利はないとアメリカ政権自身が主張して一か月も経たないうちに行われた。国際水路での通行料徴収は既存国際法に違反するとマルコ・ルビオ国務長官が6月に述べて、イランの通行料徴収制度を真っ向から批判した。すぐさま、この矛盾を国際海事機関が指摘し、国際航行に利用される海峡の通行料徴収に反対し、通行料の強制徴収には法的根拠がないと断言した。ワシントンは、自らが犯している罪で、テヘランを訴追することはできない。
この計画は、算術的な根拠でも破綻している。ホワイトハウスを含め、誰もこの「20%」という数値がどう算出されるのか説明していない。例えば、誰かが算定基準を明確にしない限り、当該サービスを購入する価値があるかどうかさえ荷主は判断できない。海軍の封鎖費用の20%を艦艇ごとに按分したものなのか、それとも貨物価値に対する単純な課徴金なのか? 算定基準すら定義できない通行料制度は政策ではない。それは政策を装った「トゥルース・ソーシャル」投稿に過ぎない。
イランの抵抗は頑固さではなく、主権国家としてイランの未来を守るための戦略だ。
料金が明確に定められていたとしても問題は解決するまい。ホルムズ海峡の航行を最終的に管理するのは海軍司令官ではなく保険引受業者だからだ。船主がワシントンに保護料を支払う意思があるかどうかに関わらず、リスクが高すぎると判断すれば、海峡を通過する船舶の保険を引き受けるのを保険会社は拒否できると海事法専門家は指摘している。「守護者」という称号に何らかの意味があるかどうかは、最終的には、CENTCOMではなく、ロイズ・オブ・ロンドンが決定することになるかもしれない。
この海域におけるアメリカ護衛作戦には前例がある。1980年代の「タンカー戦争」の際、アメリカ海軍は船籍を変更したクウェート・タンカーを湾岸海域で護衛した。だが、その任務には強制的貨物税は伴わず、イラン、イスラエルと、6カ国もの湾岸諸国にまたがる今日の多方面にわたる対立に比べれば遙かに狭い軍事規模で行われた。その歴史を引用して20%通行料を正当化することには類推の有用性を超えた無理がある。
実証的検証で、アメリカは既に失敗している
法的問題はさておき、運用上の問題を直接問えば、実際ホルムズ海峡をアメリカは開放状態に維持できるのか? 2月以降の実績を見る限り、答えは「否」だ。開戦当初数週間にわたるアメリカ砲撃は、ホルムズ海峡を通常航行に完全開放するには至らなかった。代わりに海軍はオマーン沿岸に沿って代替航路を設置し、砲火の中、船舶を護衛して通過させた。トランプ大統領が「南部ハイウェイ」と呼ぶようになったこの代替航路は、現在静まり返っている。海運データ会社ロイズ・リスト・インテリジェンス報告によると、7月7日以降、位置情報を発信しながらアメリカが警備する航路を通過した大型船舶はなく、数隻のタンカーが「非公開」で通過したとみられるだけだ。アメリカが警備する航路が、わずかな航行すら維持できないなら、20%の追加料金を課したところで、何の根拠もなしに信頼が生まれるはずもない。
市場は既に判決を下している。発表と新たな攻撃が重なったことで、ブレント原油価格は前日の約10%の急騰に続き、更に2%以上上昇した。市場が、秩序回復を織り込んでいるのではなく、更なる戦争を織り込んでいるためだ。ホワイトハウスの意図がどうであれ、この判断は正しい。価格決定メカニズムも、引受人の同意も、価格設定を主張する航路の実際の支配権もない計画は主権とは言えない。支配していない海にアメリカが立てた旗に過ぎない。
テヘランはなぜ屈しないのか
イランの抵抗は頑固さではなく、主権国家としてイランの未来を守るための戦略だ。テヘランの交渉担当者は、海峡は戦争によって残された数少ない本物の資産の一つだと表現しており、トランプ大統領の通行料徴収発表から数時間内に、イラン外相は公然と反論し、安全航行を保証する対価を受け取るべきはアメリカではなく、イランだと主張した。これは、自国の玄関口にアメリカ通行料徴収所の設置を容認する政府の姿勢ではなく、同じ海域を巡り、リアルタイムで主張する主権を巡って競合する主張だ。
最も重要な非対称性をイランは一つ持っている。海上封鎖は安価ですむ一方、無期限警備活動はそうではない。機雷、ミサイル艇、ドローンは、今週のUAE船籍タンカー 二隻への攻撃が示した通り、オマーン領海内にも配備されているが、テヘランが負担する費用は、ワシントンが空母、護衛艦、航空機を無期限に配備するのにかかる費用のほんの一部に過ぎない。4月から6月にかけてアメリカが再度課した封鎖は、政治的利害が主権そのものにあるとイラン指導部が判断すれば、イランは莫大な経済的苦痛に耐え、降伏より対決を選べることを示している。
戦争が始まって以来、イランの政治的計算は益々強固なものになっている。開戦直後の攻撃でアリー・ハメネイ師が暗殺された後に樹立されたイラン新指導部は、交渉で海峡を手放すのではなく、防衛すると公約し、いかなる後退も戦没者への国の裏切りと位置づけている。この姿勢に正当性を賭けている政府は、ワシントンがタンカーの積み荷目録にどんな代償を課そうと、容易に方針転換はしまい。
サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係およびパキスタン外交・国内問題のリサーチ・アナリスト
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/07/18/the-guardian-myth-why-americas-hormuz-toll-plan-is-already-sinking/
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。