東京新聞 2016年5月16日
【ワシントン=石川智規】ライス米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は十五日、米CNNテレビのインタビューで、オバマ大統領の広島訪問に関連し「日本はこれまで広島訪問や(原爆投下の)再評価を求めてこなかった。また、謝罪を求めることもなかった」とした上で、「私たちはいかなる場合も謝罪することはない」と強調した。
ライス氏は、番組の司会者から原爆投下の是非を問われたが、「自身の歴史観を話すつもりはない」と回答。歴史を学んできた大統領としてオバマ氏には個人的な見解があるはずだと聞かれると「ないとは言わない」と述べるにとどめた。
オバマ氏の広島訪問の目的については「米政府やオバマ氏が掲げる『核兵器なき世界』と、戦争が多くの損害をもたらすことをあらためて内外に示したい」と説明。訪問の評価をめぐっては、米国内でさまざまな意見が出ているが、「正しい決断だ」と強調した。
一方、日本政府は一九五一年のサンフランシスコ講和条約にもとづき謝罪は求めない方針を固め、米側にも伝えている。