安倍首相が25日、オバマ米大統領と志摩市のホテルで会談したのは、元米兵による女性暴行殺人事件に抗議し再発防止を要求するためでしたが、その一方で普天間飛行場の移転先は辺野古の新基地建設が「唯一の解決策」との考えを伝えていたことが分かりました。
そうなると首相の抗議や再発防止の要求が果たして本気だったのか、国民向けの単なるパフォーマンスだったのではないのかという疑念が湧きます。
翁長雄志知事は26日、「沖縄の民意や県民に寄り添うことに何の関心もない」と安倍首相を厳しく批判しました。
基地の存在によって引き起こされた悲劇の渦中で、日本のトップが辺野古唯一などということを米国のトップに話すこと自体、沖縄の民意や県民に寄り添うということに何ら関心がないことを証明しているという訳です。
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翁長知事「県民放置国家だ」 首相の「辺野古唯一」発言を批判
琉球新報 2016年5月27日
翁長雄志知事は26日午後、県庁で会見し、日米首脳会談で安倍晋三首相がオバマ米大統領に対し、米軍普天間飛行場の移設問題は「辺野古が唯一」と伝達したことについて「沖縄の民意を含め県民に寄り添うことに何ら関心がないということが見透かされている」と厳しく批判した。米軍属女性遺棄事件を受けて政府が犯罪抑止のための作業部会を設置したことには注視するとした。
安倍首相の姿勢について「今のありようでは(政府の繰り返す法治国家の)『法治』という字は県民を放っておくという意味での『放置国家』と言わざるを得ない」と痛烈に皮肉った。
女性遺棄事件を受けて政府が犯罪抑止のための作業部会を設置したことについて「しっかりと対応してもらわないとかえって複雑になるのではと懸念もある」と注視する考えを示した。
菅義偉官房長官が具体例として街路灯の設置などを挙げたことに「(進歩は)0・1パーセントだ」と根本的対策にはならないとの認識を示した。
「辺野古唯一」を批判 日米首脳会談に翁長知事
しんぶん赤旗 2016年5月27日
沖縄県の翁長雄志知事は26日、日米首脳会談について、「日米地位協定の不平等性も含め、オバマ大統領と会わせてもらう機会をつくっていただきたいと申し上げたが、かなわなかった」とし、基地の中に過ごしている県民の思いが伝わらない会談に終わったと述べました。県庁で記者団の質問に答えました。
安倍首相がオバマ大統領に「辺野古が唯一の解決策」であることに変わりはないと発言したことについて、元米海兵隊員による事件にふれ、「基地問題で、ああいう状況になった中で、辺野古唯一などということを日本のトップが米国のトップに話すこと自体が沖縄の民意を含め、県民に寄り添うということに何ら関心がないということが見透かされる」と厳しい見方を示しました。
政府が関係府省庁の局長級による「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」を新たに設けたことについて「どのようなものか承知していないが、県民が求めている米軍人、軍属等の犯罪防止につながるのであれば参加をしていきたい」と述べたうえで、「取り組むからには、しっかりと対応してもらわないとかえって複雑になるのではないか」と懸念を述べました。