2016年5月12日木曜日

小林節氏が政治団体 少数精鋭プロ集団で安倍政権打倒の現実味

 政治団体「国民怒りの声」を立ち上げる小林名誉教授らは、「どうせ政治は変わらない」と、投票を棄権してきた有権者が全体の3割以上いて、この3割を動かすことができれば勝算はあると判断しています。特に、「安倍政権の暴走は止めたいが、いまだに民主党政権の失政を許すことができず、共産党にも投票することができない」と考える有権者の投票行動を呼び起こすこ最大の目標ということです。
 
 しかし新団体「国民怒りの声」が、“反安倍票”のパイを広げられず、既存の野党票を奪うだけでは、野党票が分散し結果的に安倍自民党を利してしまいます
 そうならないように、新団体がそれらの人たちにアピールする力を持ってくれることを願いたいものです。
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小林節氏が政治団体 少数精鋭プロ集団で安倍打倒の現実味
日刊ゲンダイ 2016年5月11日
 参院選の台風の目になるのか――。憲法学の権威である小林節・慶大名誉教授が、政治団体「国民怒りの声」を立ち上げると表明した。
 
 「消費税再増税の延期」「TPP不承認」「原発の廃止」「憲法改悪の阻止」など、7つの基本政策を掲げ、インターネットを通じて政策に共鳴する候補者を10人公募するという。安倍政権の暴走を止めることが目的だが、果たしてブームを巻き起こせるのか。
  小林名誉教授らは、「どうせ政治は変わらない」と、投票を棄権してきた有権者が全体の3割以上いるとみているという。この3割を動かすことができれば勝算はあると判断しているようだ。特に、「安倍政権の暴走は止めたいが、いまだに民主党政権の失政を許すことができず、共産党にも投票することができない」と考える有権者の投票行動を呼び起こすことを最大の目標に掲げた。確かに、民進党も共産党も嫌いという“アンチ安倍”の有権者は少なくない。
 ただし、新団体「国民怒りの声」が、“反安倍票”のパイを広げられず、既存の野党票を奪うだけでは、野党票が分散し、結果的に安倍自民党を利してしまう。新団体は安倍政権を打倒することができるのか。高千穂大准教授の五野井郁夫氏はこう言う。
 「『野党票を食い合う』のではなく『与党の票を取り込む』ことができれば、議席を伸ばせると思います。小林名誉教授は改憲そのものに反対しているわけではないので、考えに共鳴する保守派の有権者を取り込むことは不可能ではありません。また、今まで政治に携わったことがない人物だけを候補者に据えるのもひとつの手です。今回、小林名誉教授が掲げた基本政策は『反安保法』だけでなく、多岐にわたっています。学者や有識者など、候補者をその道のプロだけに絞ることで効果的に国民に訴えることができる。小林名誉教授ご自身が憲法学の権威で、ここまで争点をつくりだしてきた経緯もあります。少数だが精鋭のみを集めることが大きなアピールポイントになるでしょう」
 
 実際、これまで政治と無縁だった清新で著名な学者10人が「安倍政権の暴走を止める」と、候補者として立ち上がり、街頭で有権者に訴えれば、ブームを起こせる可能性は高い。ギリシャでは副首相や財務相を経済学者が務めている。どんな顔ぶれが揃うのか――新団体「国民怒りの声」の成否はそこにかかっている。