2019年1月12日土曜日

米製戦闘機F35 147機 総額6・2兆円 中期防単価公表

 安倍政権は新たな防衛大綱・中期防で約275兆円の大軍拡計画を決定し、来年度予算案では軍事費5兆2574億円を計上しました政府が軍備の拡張に走ればその分民生は圧迫されます。
 しんぶん赤旗が安倍政権の大軍拡をシリーズで検証していきます。
 
 第1回目は米国の最新型戦闘機F35シリーズ・計147機の購入を取り上げました。
 機体の購入費1兆7052億円という巨額に加えて、その維持費は実に4兆5129億円(運用期間30年)で、その総額は62兆円にのぼります。
 
 防衛省8日公表した中期防衛力整備計画に盛り込まれた主要兵器の単価を併せて紹介します
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シリーズ 暮らし圧迫 大軍拡
35 147機 総額6・2兆円 中期防単価公表
1機116億円 維持費307億円 さらに上回る可能性 30年運用
 しんぶん赤旗 2019年1月10日
 「史上最も高額な兵器システム」(米政府監査院)と言われる米国の最新鋭ステルス戦闘機・F35。日本でも安倍政権が米国製武器の“爆買い”を要求するトランプ政権に屈し、大量購入を決めました。機体の購入費と維持費の総額は最低でも62兆円を超える見通しであることが判明しました。
 
 防衛省は8日、昨年末に閣議決定した2019~23年度「中期防衛力整備計画」に基づく装備品の単価を公表しました。105機を追加購入し、147機態勢にすることを決めたF35については、現行中期防の期間で45機を調達し、単価は116億円としました。
 今後もこの価格が維持される場合、機体の購入だけで総額1兆7052億円に達します。
 
 加えて、毎年膨大な維持費がかかります。防衛装備庁の年次報告書によれば、前中期防で導入を決めたF35A42機の維持費は1兆2877億円です(運用期間30年)。1機あたりで約307億円になる計算です。
図

 今後も同程度の維持費がかかると仮定した場合、147機の維持費総額は約4兆5129億円で、機体の購入費と合わせて約6兆2181億円という巨額の支出になります。
 
 しかし、実際の金額はこれを上回る可能性が高い。防衛省は現中期防で導入する45機のうち18機、全体で42機を短距離離陸・垂直着陸機F35Bとする計画です。同省は今回、F35Bの価格を公表していませんが、米国内での昨年9月時点での価格はF35Aの8920万ドルに対して、「B」は1億1550万ドルと約2630万ドル(約28億7000万円)も割高です。
 
 さらに、F35は米国に価格決定権があるFMS(有償軍事援助)制度に基づいて完成品を購入する計画であるため、米側の事情で価格が高騰するリスクも抱えています。部品や搭載兵器なども基本的に米国から輸入されるため、維持費も米側しだいです。
 安倍政権は新たな防衛大綱・中期防で約275兆円の大軍拡計画を決定し、来年度予算案では軍事費5兆2574億円を計上。5年連続で過去最高を更新し、暮らしを圧迫しています。安倍政権の大軍拡をシリーズで検証していきます。
 
 
中期防・主要兵器の単価公表 イージス・アショア 1224億円
しんぶん赤旗 2019年1月10日
 防衛省は8日、2019~23年度の中期防衛力整備計画に盛り込まれた主要装備の単価を公表しました。同省によると、中期防の主要装備の単価を公表するのは初めて。
 安倍政権の下で進む米国製武器の“爆買い”による大軍拡への懸念への対応とみられます。
 軍事費は4年続けて5兆円を超え、7年連続増、5年連続で過去最高を更新しています。
 F35Aステルス戦闘機は約116億円と明示しましたが、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦に搭載するF35Bの価格は「今後の適正な取得に影響がある」として非公表としました。
 最も単価が高いのは、陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」で、1基当たり約1224億円としました。
 
図
※1 掃海艦 162億円、音響測定艦 221億円、海洋観測艦 203億円
※2 F35Bを含む(価格は非公表)